悪い流れを払拭した町田と、悪い流れに陥っていった大分町田vs大分(11月29日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ものすごく混雑してました、野津田。

■前半

意外でしたねぇ。何が意外って、ゼルビアが前半からポゼッションしていたこと。何試合も見ているわけではないのですが、ここのところの相馬ゼルビアは、「前半はリスクをかけないシンプルな縦ポン、後半はパスを繋いでリスクもかける」って戦い方をすることが多かったような印象なんですけど、この試合においては、前半から、ガンガンとポゼッションしていた。といっても、ゼルビアがものすごく良かったからというよりも、正直、相手との相対関係でそうなっただけのような。

 

 

で、そうなると、サッカーの法則ってヤツが発動するのですよ。そう、それは、「押し込まれている側が、カウンターとかセットプレーとかで先制してしまう」っていう法則。フリーキックからダニエルがヘディングで合わせて、大分がファーストゴールを奪います。まさか、最初から、こういう狙いのもとに試合に臨んでいたとするならば、なかなかの策士ということになりますが、守備陣に「承知の上だい!」ってな余裕は感じられなかったので、まぁ、そーゆーことなのでしょう。

 

 

でも、サッカーって面白いですね。それまでは、ほぼほぼ何もさせてもらえなかった大分。クリアなのかロングパスなのかわからないロビングで前線にボールを蹴る以外のキックは見られなかったところ、先制してからは、多少なりとも中盤でボールを持てるようになりましたからね。相馬監督のコメントを見る限り、先制されてしまったゼルビアが勝手にリズムを失ったっぽいですけど、球技というのはサッカーに限らず、流れが、ホント、大きく影響する。

 

 

ここからは「攻めまくりながらも、ゴールが割れずに前のめりになったところでカウンターから失点。そこからは焦りまくって自滅」って、よくあるパターンのヤツになりつつありました。町田、やばかったです。嫌な予感しかしない空気感。その負の雰囲気を一掃したのが、前半終了間際の鈴木孝司のゴール。前半のうちに同点に追いつけたことで、結果論的には、試合の趨勢が決したかもしれません。大分としては、ここを凌げていれば、ってな痛恨の失点でした。

 

 

 

■後半

後半になると、もはや、町田のハーフコートゲーム。圧倒的に町田が攻め立てておりました。サイドアタックを「これでもか!」ってばかりに繰り返す。特に目立っていたのはSBの土岐田ですかね。この選手は、もともとSBに特化したプレーキャリアではありませんから、中に入って司令塔的な配球をしたりする。最近の流行りですよね、SBが事実上の司令塔として全体をビルドアップするってスタイル。ドイツ代表におけるラーム状態。

 

 

となると、大分側には、なかなか見所がありません。あえて見所を挙げるとするならば、為田の珍プレーでしょうか。なんせ為田、相手選手と交錯した際にレガースがとれてしまって、靴下をズリ下げたままプレーを続行していた。見ているこっちがヒヤヒヤするよ。その状態で、もう一回交錯プレーが発生したら、スネの骨が壊れてしまうよ、と。しばらくして審判が落ちているレガースを拾いに行かせましたけど、為田は、天然で気付いていなかったのだろうか?

 

 

なんてことをしながら時間を稼ぎながら、ここで大分の柳田監督が勝負の一手を打ちます。切り札(?)のパウリーニョを投入する。そして、ほんの少しだけ押し返す。全体のラインが上がる。つまりスペースができる。攻められまくっているうちはゴール前に釘付けなだけ、人海戦術で跳ね返せた。それが、少しボールを持てたがゆえに、ゴール前の人口密度が下がった。その隙を突くように、町田は速攻。エースの鈴木孝司がこの日2点目のゴールで勝ち越します。

 

 

ここからの大分は、ひたすら流れが悪かった。遠いサイドだったのでよくわかりませんでしたが、なんか、余計な手が思わず出ちゃったみたいなことで若狭が退場。もはや、ここで、「今日はムリっす!」状態。加えて、泣きっ面には蜂がやってくる。続いて鈴木も退場。これは覚悟の上での得点機会阻止でしたかね。メインスタンドにいたのですが、わりとサバサバした表情で引き揚げてきました。そんななかで、それ以上の失点をしなかったことをプラスに捉えるしかないでしょうね、大分としては。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

鈴木孝司

□推薦理由

たしか町田って、去年は、いつぞやの浦和みたく「世紀の大失速」的に成績を落とし、金沢の後塵を拝したのですよね。そして、チームの失速と歩調を合わせるように、鈴木孝司もゴールから遠ざかってしまった。「シーズン後半戦になって、いまだノーゴール」みたいな言葉を目にしたような記憶があります。そういう意味では、彼にとって、この入れ替え戦は汚名返上、名誉挽回の晴れ舞台。そして、見事に、チームをホーム初戦勝利に導きました。

  

 

この選手の2ゴールで町田は勝利を得たのですが、2つとも難しいゴールでしたよ。1点目はこぼれ球をトラップせずにダイレクトボレー。綺麗にジャストミートしましたよね。いまでも感触が残っているんじゃないでしょうか。2点目も素晴らしかった。起点となって、パス回しに3回くらい関わりながら、最後はゴール前まで走り込み、ややラストパスが流れたところで、思いっきり足を伸ばして決めきったシュート。エースが決めたらチームに勢いがである。2戦目にも期待が持てます。