浦和の失速についてアレやコレや後出しジャンケンしてみる【浦和vsガンバ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■浦和 0 vs 2 G大阪[J1第32節 11月22日]

運命の一戦だけあって、両チームとも立ち上がりは少し堅かったかもしれませんね。あの遠藤が、何回かびっくりするようなミスパスを出してしまってましたし。前半の終了間際には、あわやオウンゴールみたいなシーンもあったり。まぁ、それでもガンバは試合運びが老練でした。バランスを重視しながらゲームを進める。ただし、だからといってSBの攻撃参加が妨げられるわけでもない。「全体として人数が足りていれば良い」というバランス感覚に長けていた。

 

 

逆に前半の浦和は、悪くなかったですけど、どうにも今ひとつ躍動感が不足していた。決定機らしい決定機は、李のポストから柏木・梅崎がモタついたシーンと、やはり李が抜け出し今野がPKすれすれのタックルをかましてしまったシーンくらいだったかと思われます。で、後半に入ると、いっそうガンバのバランス感覚が研ぎ澄まされる。相手の運動量が落ちたとみるや、遠藤は遅攻のスイッチをオンにして、ガンバ伝統のパスワークを発動させました。

 

 

対する浦和も、前半よりも丁寧にパスを回すようになります。ただ、ゴール前でモタつく。特に柏木がモタつく。というか、柏木って、ゴール前とかの狭いエリアに入っていくと、なんだか全体的に動きが大きくなってモタつきがちですよね。ともあれ、前半はともに手数をかけずに縦に仕掛けるサッカー、後半は一転、ゆっくりとパスを回しながら相手の隙を突いていく、サッカーの王道ともいえる前後半の攻防をハイレベルで堪能させてもらいました。

 

 

そんな醍醐味ある試合を制したのはガンバ。終盤にカウンターから途中出場のリンスが独走。1人で頑張ると、流れの中からオーバーラップを仕掛けた米倉が相手DFともつれる。マーカーが1人減ったところに、やはり途中出場の佐藤が突進してきて押し込み待望の先制点。そしてロスタイム。やはりカウンターから。そして、やはり途中出場の倉田が流し込みました。長谷川監督が2年かけて作り上げた、「オーソドックスなサッカー」がペドロビッチ流のトリッキーなサッカーを凌駕し、その軍門に下すという試合となりました。

 

 

 

というわけで、ガンバが試合巧者ぶりを見せつけた大一番でしたが、個人的には、チームマネジメントの差が結果に表れたんだと思います。やはり、興梠を強行出場させるべきではなかった。もちろん、今シーズン首位を快走した立役者ですし、そういう功労者に起爆剤的要素を求めること自体は間違いじゃない。興梠がベンチにいることで出場していたレギュラー選手は心強かったでしょうし、「怪我をこじらせてでも!」という気持ちが奮い立たせたって部分もあるでしょう。

 

 

しかし、本調子じゃない選手をベンチに入れることで、外れる選手もいるわけですよ。ワタクシも大学時代、他の球技を体育会でやってまして、ベンチを温めていた時期も短くなかった。そういうレギュラーじゃない選手からしてみれば、「怪我していてもレギュラーが使われる」っていうのは、この上ない屈辱ですし、モチベーションはダダ下がりになるんですよ。試合に絡む11人(+α)だけみれば興梠は必要だったかもしれませんが、チーム全体30人のマネジメントという意味では、これではチームに一体感が生まれません。このテのマネジメントのあり方を全面的に否定する意図はありませんけど、終盤に浦和が失速した要因の1つだとは思います。