上質なスコアレスドロー〜アビスパ福岡vsコンサドーレ札幌(3/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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天神南駅という罠

長期の九州滞在も最終日です。博多です。博多といえばキャナルシティ。ベタに櫛田神社にお参りしたら、何かの縁日的な日らしく、ぜんざい的なものが振る舞われていまして。そちらはパスしてさらに進むと、地味な裏口みたいなのがあって、そこからキャナルシティに行ける。と言っても特に用はないので、そのまま通り抜けて川を渡る。いわゆる“中洲”ですね。中洲で泣かす……。え〜とランチを食べました。

で、ランチを食べた店からすぐのところに地下鉄の駅の入口があったので、階段を下りていったのですが、どうらや「天神南」という駅だった模様。いやあ、天神南駅から地下鉄空港線天神駅って、地下街をめっちゃ歩かないと辿り着かないのですねえ。もうね、武蔵小杉駅かと、或いは昔の埼京線渋谷駅から田園都市線に乗り換えるのかと。

 

□長期政権対決

さて、この試合は長期政権同士のマッチアップとなりました。といっても福岡の長谷部さんの場合は3シーズン目ですから、今シーズンを乗り切ったら、名実ともに長期政権という感じです。昨日見た長崎の松田さんや、去年までの北九州の小林さんみたく、442のツーラインサッカーの場合、即効性はあるものの、研究されると弱い傾向がなくもないので、長谷部さんがどういうバージョンアップをしてくるのか注目です。

対する札幌のミシャ・ペドロビッチ監督の場合、広島と浦和に続けて長期政権となっております。もはや長期政権の鬼と言って良いでしょう。2年目の段階にはマンネリを指摘されながら、その後も5年くらい成績を極端に落とさないのだから、なかなか伝わりづらいとはいえ、毎年毎年、細やかなマイナーチェンジを繰り返しているということでしょう。なので引き抜きに補充が追い付かなかったり、チームの経済的成長がミシャの年俸アップに追い付かなかったりってことがない限り、今後も相応のサッカーは見せてくれると思います。

 

 

□対照的なミラーゲーム(日本語が矛盾してる?)

上で長谷部さんのことを442の監督って書きましたけど、まんまと裏切られて、この日の福岡は3バック。確かにミシャ式の対策としてミラー化ってのがあるんですよね。ミシャ式の要点は4バックに対してどうやって攻撃で数的優位を作るかにあるので、5バックにしてしまえば、原理的にはその工夫を水の泡にできてしまう。なので3421というより523ですね。

逆にミシャはどこまでもミシャ式。この日の最終ラインは田中駿太・宮澤・福森で、攻撃時は宮澤と高嶺の2バック。で、その最終ラインが攻撃のコンダクターなんで、クォーターバックが2人いるアメフトみたい。ちなみに攻撃ではSBになる福森、なんか、徳永悠平と雰囲気似てます?徳永が“悠然としている”感じなのに対して、福森は“ふてぶてしい”感じがワタクシ的にはするという微細な違いはありますけど。

 

□前半からハイテンション

さて、試合は前半からVARが忙しい。まず福岡の山岸?が突破してPKを得ますが、ここでVAR。結果としてPKは認められるものの、ルキアンが失敗してしまいました。さらに、後半の40分くらいにコーナーキックからスクランブルが起きて今度はルキアンが決めたように見えたのですが、これまたVAR。ハンドか何かですかね、取り消しになりました。オンフィールドレビューの映像って、スタジアムのビジョンでは共有されないんでしたっけ?

それにしても前半から、少しファールの多い試合となりました。というか、近年のミシャさんがご執心されているオールコートプレスって、そりゃ、荒れる気味になりますよね、至るところでしばき合いが発生するってことですから。もちろん、ハードなプレーであってダーティなプレーではないので、アビスパの選手も大人の対応で受け流していましたが(後半から出てきたフアンマは除く)

 

□後半も引き締まった好ゲーム

後半はよりいっそう札幌が支配率を高めたかと思いますが、アビスパもカウンターから旺盛な攻撃意欲を見せます。特長は、カウンターにありがちな、あたかも親の仇のように「とにかく最少手数で!」という感じではなく、さほど手数を厭わないところでしょうか。ただし、ボールを失わないことが自己目的化するということもない。欧州サッカーに近い、「自分たちのターンをやり切る(無駄に引き伸ばさない)」ってな感覚の攻撃だったと思われます。

もちろん札幌だって完成度の高さを発揮する。システムそのままに選手を入れ替えたり、選手を別のポジションにスライドするお馴染みのミシャパズルが繰り出される。知らないうちに柳が戦力になってるんですねぇ。宮澤に代わっての登場だったよ。一方の長谷部さんも、「最低限無失点、あわよくば勝ち越しゴール」というゲームプランだったとすると、残り10分という絶妙なタイミングで勝負手と思われる田中達也を投入。最後の最後まで引き締まった好ゲームが繰り広げられ、取り消された幻のゴールもありましたが、スコアは動かず。決して塩試合でない、見応え十分なスコアレスドローの決着となりました。