くノ一が試合巧者ぶりを見せつける〜横浜FCシーガルズvs伊賀FCくノ一(6/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□京浜工業地帯を京浜急行で行く

最近、京急大師線沿線の虜になっているんですよね。あのディープ感。もともと川崎大師のお膝元で、江戸時代のお寺っていうのは、例えば浅草寺の脇が山谷で、四天王寺の脇が西成であるように、最後のセーフティネットとしての機能を持っていたわけで、そういう雰囲気もあり、かつ、京浜工業を支えた労働者の町でもある。多様な住民のあり方とか東アジアの歴史の中に位置づけるべき歴史もあって、とにかくディープ。特に川崎大師より更に向かうに歩いていくと、そりゃもう、ディープ。

似たようなディープ感は横浜の黄金町にもあったはずなのですが、最近は治安も良くなってきたそうで。そんな黄金町の少し向こうが井土ヶ谷。このあたりまで来ると、途端に〝丘の上〟感があって、初夏の風が爽やかでした。アジサイが綺麗、新緑がもはや暴力的とさえいえる。うつらうつらの時間を過ごしたとさ。

 

□両チームの現状

さてシーガルズの試合を見るのは2〜3年ぶりかな。「まだ、山本絵美はやってるのかな?」とホームページを覗いてみたら、名前は確認できず。「さすがに引退したか…」とウィキペディアを眺めてみたら、なんとエルフィンに移籍して、現役を続行しているらしい。頭が下がります。ついでに調べてみたところ、小原由梨愛は引退したらしい。小原の方が若いのにね。それだけ山本絵美がハンパないってことですね。それは浦和の安藤梢も同じですけど。

アウェイのくノ一は、先日、すぐ隣でB’zがライブしていることなんかには目もくれないでスフィーダ戦は観戦したばかり。それからさほど節を重ねているわけでもないですし、相変わらず、堅調を維持しているようです。

 

□2トップが縦関係っぽい442対決

シーガルズの監督は要田なんですね。オシム時代のジェフでスーパーサブをやっていた。すっかり顔がパンパンじゃないですか。さぞかしなかなかのことになってるかと思いきや、全体のフォルムはそれなりにスッキリしていた。システムは2トップが縦関係っぽい442なんですが、比較の上で小柄な11番の平川がファーストで、より大柄な9番の片山がセカンドトップでした。ヴィッセル神戸で例えると、武藤が最前線で、その下に大迫が控える、みたいなイメージ。

対するくノ一も2トップが縦関係っぽい442。スタイルとしては手数をかけず前に送るセーフティファーストなサッカーなのですが、前半は空いたスペースを悉く攻略していてので、ある意味ではポジショナルと言えるのかも。ただ守備のときは、少し危うい部分がないわけではなく、相手SHを潰すためのサイドのスライドやSHとSBのサンドが少し甘いようにも見えましたが、敢えてそこにボールを誘導していたと言われれば、そうであったのかもしれません。ともあれ、少ないタッチ数での縦パスで効果的に陣地回復を果たしていたと思います。

 

□くノ一が先制!

試合は前半から動きます。くノ一8番の三橋が中村俊輔のFKみたいな弾道のミドルシュートを流れの中で放り込んで、くノ一が先制しました。リードされたシーガルズは前半20分の段階で右SHを24番から13番をスイッチ。どうしたんですかね?フリー気味になりながら何もできていないという判断だったのが、交代の少し前に逆側の自陣左サイドで痛んでいた選手がいたので、それが実は24番だったのか。

前半から、わりと試合は一方的というか、くノ一がシーガルズ陣内でボールを動かす時間が長かった。単純な一対一でシーガルズの選手よりくノ一の選手のクオリティ方が高かったようにも見えましたし、そうやって後手後手に回る中でシーガルズはくノ一のロングパスに制限をかけられていなかったので、そのあたりも苦戦の要因でしょう。というか、くノ一の選手はボールを受けてから、空いているスペースを見つけるまでが早くて、そこにパスを送る判断力が、特に前半は高かったのだと思います。

 

□くノ一が逃げ切る‼

後半、くノ一はナンバー10の「さくま・ことり」を投入します。「さくま・ことり」って言うくらいだから「佐久間小鳥」かと思いきや、「作間琴莉」だったよ。なんてことはともあれ、後半は一転してシーガルズがイニシアチブを握ります。観客席にいると初夏の心地よさを感じさせてくれていた薫風ですが、ピッチレベルではそれなりに影響を与える風になっていたのかもしれませんね。

一気呵成にたたみ掛けて同点に追い付きたいシーガルズは18番のFWを投入して、オーガナイズだかオーソライズだかを3421に変えます。これで距離感もよくなって、しばらくはシーガルズが圧倒的に攻めたてましたが、少しずつくノ一も対応力を発揮し、ペースを引き戻します。くノ一はかなり早い段階で割り切ってこのまま逃げ切れば良いという意思で統一されていて、ズルズル下がるでも、人数をかけてカウンターを仕掛けるでもなく、できるだけ相手陣内で守る時間を増やすという試合運びを見せて、そこまで決定的なシュートを打たれることのないまま試合をクローズさせました。1ー0でくノ一の勝利でございます。