アナーキーなスコアレスドロー〜湘南ベルマーレvsジュビロ磐田(4/10)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□意図せぬハイキング

皆さんは「ごっつええ感じ」って番組、ご存じですかね?いわゆる“団塊ジュニア”世代にはバイブルのような存在でして、松っちゃんは神様なわけですが、この「ごっつええ感じ」が中学生の頃に始まって以降、ワタクシ、大河ドラマなるものを見なくなりました。そんな大河ドラマですが、今年は「鎌倉殿の13人」なんだそうで。オーシャンズ11的なことですかね?

というわけで、午前中は真鶴に行ってきました。源頼朝が合戦でボコられた後、ここから海に向かって逃げていったことでお馴染みの真鶴でございます。ケープ真鶴なる岬へ行ってみたのですが、さほど「大河ドラマの舞台にようこそ!」って雰囲気ではなかったですね。むしろ、ハイキングとかパークゴルフとかもできる景勝地という扱いで、めっちゃ上り道と下り道を結果的にハイキングすることになりました。

 

□どちらもヤバめ

さて、湘南ですが、絶不調です。ヤバいです。J2では、大宮がヤバいヤバい言われてますけど、深刻さでは湘南の方がヤバいのではあるまいか。なんか、大宮みたいな「監督はパスサッカーを哲学にしてます!」ってチームは、「コンビネーションが成熟したり、ラストピースがハマれば、怒濤の反攻が始まるに違いない」っていう、なんとなくの期待が幻想であったとしても持てるじゃないですか。実際はそうもいかないことを歴史が証明しているとはいえ。逆に湘南には、「きっと、こういうパターンで盛り返すだろう」というイメージが湧きづらいのですよね。さてはて。

一方、磐田ですが、皮肉にも湘南のヤバさの引き合いに出した大宮をルーツに持つ伊藤監督が率いております。いや、「皮肉にも」ってくっつけるにはこじつけが過ぎたかも。ともあれ伊藤監督が率いるジュビロは、イメージ的には「まずは順調なスタート」って感覚だったのですが、冷静に順位表を眺めると「悪くはない」って程度ですね。遠藤の運動量を前提条件にしたシステムがどこまで通用するか、注目はしております。

 

□イメージに反する選手配置

というわけでオン・ザ・ピッチ。湘南の顔ぶれを眺めてみると、館・石原・田中って面々がいない。ケガとかコンディションとかもあるかもしれませんが、湘南のトガった部分が消えました。代わりに出ているのが大岩とか大野とか米本といったベテラン勢。完成度の高い選手は貴重ですが、ベテランの経験値に依存しているとすれば、あまり良い兆候ではないかも。

対する磐田は、大井が3バックの右なんですね。てっきり真ん中でラインコントロールとかするのかと思ってたよ。で、その大井は、左のリカルド・グラッサともども、ぐいーんと広がる。それもこれも遠藤と山本のダブルボランチがボールが失わないからできることですが、そうやって幅をとるビルドアップがベルマーレを苦しめました。

 

□実は湘南ペースだったのか?

ジュビロのビルドアップは3バックとダブルボランチがボールを回しながら、とりあえずず前線の3枚を走らせる。場合によっては両WBをターゲットにする。それがだめなら、サイドチェンジ。縦にも横にもミドルあるいはロングパスを出すことが多い。まさにボールを動かすサッカーで、確かに遠藤の技術と視野が生きる形ですね。対照的に湘南は真ん中に突っ込んでいくようなスタイル。山田と茨田の両ISHに勝負パスを出させたいんだと思いますが、何はともあれツートップにクサビを入れたがる。ジュビロとしては奪いどころが明確なわけですが、それでもチャンスは作れていたので、湘南は湘南で悪くはない前半だったと思われます。

ってな具合で前半の戦いを見る限りイーブンかなと思っていたのですが、後半開始とともに磐田が動く。ってことは伊藤監督的には相手のペースだったと感じたのかもしれません。

 

□緊張感があるような、グダグダなような、そんな後半。

後半の磐田は山本をアンカー、鹿沼と大森をISHの逆三角形にして、杉本と遠藤を前線に配置する352にシステムを変えてきました。やがてISHを大森から松本昌也、前線を遠藤からジャーメイン良にスイッチして適材適所のバランスをとる。遠藤の前線は、中盤起用以上にリスクかもしれませんね。中盤であればポジショニングでカバーできるところもありますが、前線だと運動量の絶対値が求められますからね。遠藤の起用法も含めて、352はあまり機能しなかったかも。ミラーにしたことで、バチバチのハードワーク勝負になってしまって、そうなると湘南に一日の長があります。また、アンカーシステムで練度が足りないと中盤がスカスカになりがちですが、後半の磐田も、まさにそんな感じでした。

ペースを引き寄せた湘南はウェリントンとタリクという一芸のある選手を投入して仕留めにかかります。しかし、あと数センチでシュートがゴールに入らない。最後は伊藤監督が謎の4CB策を発動させると、もはや、どちらが攻めてどちらが守ってるのかわからないような展開に。磐田は相手に合わせすぎましたし、湘南は決定力と攻撃のパターンが足りなかった。まあ、妥当なスコアレスドローだったんじゃないでしょうか。