熱かったのか暑かったのか、どちらでもなかったのか〜町田vs磐田(8/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□試合前

コロナ禍もとどまることを知らず、超厳戒態勢が続いております。例によって「不要不急の都県境を越える移動は控えましょう」が継続していて、Jリーグ観戦も原則その線。……「都道府県」というのは行政の枠組み、経済流通の枠組みとは、本質的に異なるもの。病院を用意するのは行政だから「都県境を越えるな」と言わざるをえないわけですけど、人の流れはそれとは別の論理で形成されている。ってのを最も実感するのが町田ですね。東京都民が都県境を越えることなく、どうやって東京都町田市に行けと言うのだ?

正解を教えます。まず小田急線は使えません。思いっきり神奈川県を通過します。京王相模原線も駄目です。稲田堤のあたりが神奈川県です。なので、まず京王線聖蹟桜ヶ丘高幡不動に向かって下さい。そこからバスなりモノレールで多摩センターに行って、で、無料シャトルバスです。都心から町田に都県境を越えずに行くのは、これしかないと思われます。

 

□両チームの現状

壮大な遠回りの末、辿り着いたは野津田公園。町田ギオンスタジアムをホームとする町田を率いているのは、今年からポポビッチ。第1次相馬政権→第1次ホポビッチ政権をトレースするように第2次相馬政権→第2次ポポビッチ政権。…ということは、ホポビッチが退任した後には、その頃にはフリーになっているに違いない、ヘディングの鬼と呼ばれたあの漢の第2次政権なのか? ともあれ、現状の町田を評価するなら「良くはない」といったところでしょうか。

乗り込んできたのはジュビロ磐田。昨シーズン途中からフベロさんが率いています。昨シーズンは名波さんが勤続疲労を起こし、跡を継いだ鈴木秀人がハチャメチャなことになって、絶望感に包まれているなか、多少ながらも希望を持てるチームにしたというので、それなりに評価されていますけど、ワタクシ的には、結局のところ降格させましたし、半信半疑。ということで、今シーズンを注視しているのですが、、、やっぱり半信半疑。決して良くはないですよね。シーズン、まだ先は長いですけど。

 

□ピッチ上の両チーム

何はともあれ大切なのは、いま現在どんなサッカーをやっているのか、ということ。ポポさん率いる町田は、ワンタッチ、ツータッチのパスをリズミカルに繋いでいこうというスタイル。ただ、いわゆる“ポゼッションスタイル”かというとそうではなくて、リスクを冒しすぎず、最小手数でカタチを作りましょう、という感じ。個人では安藤瑞季が良かったですね。前線でカラダを張ったり、裏抜けダッシュを繰り返したり、いかにもCFといったプレースタイルで。

対する磐田ですが、3バックでしたね。10代の鈴木を抜擢し、「伊藤とどちらがCBで、どちらがボランチなのかな?」と考えていたら両方ともがCBだったというオチ。サッカーの内容は少しわかりづらかった。だってフィールドプレーヤー10人のうち7人が黄色とオレンジの、同じデザインのスパイクなんですもん。スタジアムの観戦環境も相まって、誰が誰だかサッパリわかりゃしない。

 

□注目点

この試合で際立っていたのは伊藤洋輝の左足ですね。大型ボランチとして将来を嘱望されてきただけあって、キックの質はDFではなく、MFのそれ。糸を引くような弾道のロングパスはイチローのレーザービームを彷彿とさせる。しかも回転が綺麗ということでしょうか、受け手にとっても鬼パスになってないっぽいんですよね。この選手が最終ラインからゲームメイクできるのは、とても大きい。

もちろんこのポジションで使われている以上、本職は守備。その守備でも大きな穴はみせていなかったのみならず、キックが上手いから、クリアも綺麗。遠藤保仁なんかもそうなんですが、しっかりミートしてクリアするから、安心して見ていられる。ひょっとして、3バックの左CBというのは、この選手の天職なのではなかろうか。ボランチや4バックのCBも対応できるポリバレント性も加味すると、おそらく3421で挑むであろう五輪代表には打ってつけの存在かと思われます。

 

□試合展開

試合は…荒れました。荒れたといっても乱打戦になったという意味ではなく、レフェリーのジャッジが不安定だったのか、両チームの選手のバイオリズム的なあれこれの巡り合わせなのか、とにかくヒートアップする場面が多かった。それに伴ってポポビッチ監督の声も大音量になっていく。いや、これについては審判のジャッジ云々とは無関係に、そもそもポポさんが激情的なだけかもしれません。にしても声のボリュームが尋常じゃないよな〜。

ハーフタイムを挟むと両チームとも落ち着きを取り戻し、丁々発止は収まりましたが、スコア的にも落ち着きまくってしまいます。大勢としては磐田が押し込んでいたわけです。でも、決定機がたくさんあったかというとそうでもない。むしろ時間の経過とともに町田のカウンターが鋭さを増し、決定機の数、決定機の決定機感については町田の方が得点に近づいた。でも、決まらないんですよねぇ。となれば、どうなるか? そう、スコアレスドローになるのです。という一戦でした。