実力派指揮官同士の化かし合い〜FC町田ゼルビアvsファジアーノ岡山(5/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□翁長の重用①

町田と岡山の間には言わずもがなの因縁がありますね。そうです、ミチェル=デュークです。去シーズン終盤の岡山の快進撃を支えたデュークが、今シーズン序盤の町田の快進撃も支えております。それもこれもサイバーエージェントマネーが潤沢に投入されているからだと思われます。

それにしてもサイバーエージェント、あのめちゃくちゃな時代のヴェルディに振り回されながらも、それでもJリーグに戻ってきてくれましたね。ワタクシ世代的には、未だに「奥菜恵の旦那」という印象が強い。美人の女優さんとかが実業家と結婚すると、同じ男子として「ちっきしょー!」って思うじゃないですか。だからいつまでも覚えている。……ひょっとして今シーズンの町田で翁長がレギュラーの座を維持しているのは「翁」(おきな)だから?

 

□翁長の重用②

さてアウェイから乗り込んできて岡山は、シーズン前の期待値からすると、良い意味で期待を裏切るってほどの成績ではないですね。去年終盤の快進撃があまりにも鮮やかで、その残像にとらわれているのかもしれません。とはいえ前節&4月は7戦して無敗です。2勝5分けで勝ち点11。7戦で勝ち点11って、いかにも岡山っぽい。絶妙に、プレーオフには進出できるが自動昇格は難しい感じの数字です。

ホームで迎え撃つ町田は、わずかに足踏みした局面もありましたが、引き続き快調です。少し前には翁長がFWみたいな決勝ゴールを決めたり。翁長って熊本の大本みたく、中盤で使うには攻撃力が突き抜けておらず、SBで使うには守備での重厚感が足りないってイメージだったのですが、こういう使いどころの難しい選手をきっちりレギュラーとして組み込めているところが黒田さんの監督としての奥行きなんでしょうね。ただ守備が堅めるだけなら使わないはずの選手が、絶対的なレギュラーを張っているあたり、懐が深いです。

 

□プレスをめぐる攻防

さてオンザピッチ。序盤、町田は少し手こずりました。町田はCBとCFのところの高さ優位性を作ってリズムを作っていくんだと思われますが、そこで優位性を作れなかったのと、あと2列目と3列目のギャップをうまく使われてしまってました。とはいえ、少しずつ、フォアプレス、というより前線の選手によるプレスバックでギャップを埋める守備が機能しだすことでリズムをつかみます。また、町田は自分たちのハードチャージをノーファールに見せ、相手のチャージはファールに見せるってのが抜群に上手いですね。

他方の岡山ですが今シーズンは中盤ダイヤモンドに挑戦しているとの噂でしたが、それは放棄したんですかね?Wボランチが輪笠と仙波だったので自然に縦関係というか、プリメイロとセグンダって関係性にはなっていましたが。ともあれ、最初の時間帯はうまくボールを回せていました。岡山もオーソドックスなチームですので「町田みたいな相手を上回るためにやってきました」という感じだったかもしれません。

そんな岡山は町田のフォアプレスをかいくぐるロングボールの競り合いを櫻川ソロモンが制すると、そのフリックに抜け出したチアゴアウベスが決めきって先制に成功しました。そうなると町田もギアを入れ直す。平河が無双状態になって左サイドを切り裂きまくる。ただし、ゴール前の強度比べなら岡山も負けていない。ヨルディ=バイスとか。そうやって凌いでいるうちに岡山の守備のリズムも良くなって、リードを保ったままハーフタイムを迎えました。

 

□ダイヤモンドの攻防

後半開始とともに町田は高江を下げてFW登録荒木を投入。中盤セントラルで汗をかく役割だったかと思われますが、岡山は輪笠がアンカーに構えているので、そこに合わせてきたということでしょうか。そしてその荒木が攻撃を活性化する。ボランチからトップ下までの縦の動きは勿論、攻撃時には左右の横の動きもあって、それにつられて岡山の守備陣がバランスを崩し、中央が割れ始めます。

そして、やはりデュークがサイドに流れてると、岡山中央の守備がガラ空きに。デュークのクロスは中の選手と合いませんでしたが、そのこぼれを拾った平河がビューティフルミドルを突き刺して同点となりました。この日の野津田は手筒花火チックに火花を噴射する演出をしていたのですが、ゴールのセレブレーションでは、まさに火が噴いておりました。消防法的に大丈夫なのか?

苦しくなった岡山はステファン=ムークを投入。岡山のややダイヤモンド気味な中盤に対して町田が中盤ダイヤモンドで処置してきたので、岡山は岡山で明確なダイヤモンドにすることで対応するという、なんか、ヘンテコな応酬。しかし、この采配は奏功してミスマッチは修正されました。さらに岡山はベテラン河井を送り込むと、河井はワイドで巧みにボールを受け、決して失わない繋ぎでチームにリズムを与える。終盤はむしろ岡山が押し返しているとさえいえる状況を作りました。とはいえ引き下がらなかった町田も、押し返した岡山も最後の決定力に欠いて、1ー1のドロー決着となったとさ。

2020(1640)