灼熱のヘアバン決戦〜スフィーダ世田谷vs伊賀くノ一(5/29)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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都営大江戸線

今から15年ほど前でしょうか、国立競技場での試合で現地集合する際などに「大江戸線で行って良い?」と質問したものです。もちろん、「おお!ええど〜」という返事をもらうためですね。そんな大江戸線なわけですが、開通したときは日々パニックでしたよ。6の字運転ゆえの難解さ。牛込神楽坂とかから新宿方面に向かうにあたって、光が丘行きに乗っちゃいけなくて、都庁前行きに乗ってトランジットするとか、意味がわからん。そもそも新宿駅新宿西口駅の関係性を理解するのに数年かかった。都庁前駅でなく新宿駅を結節点にしておけば、もっとわかりやすかったろうに。。。

そう、大江戸線の6の字の結節点は都庁前駅なわけですが、モーニングを食べようと都庁前駅で下車したのです。……たぶん、人生で初めて下車したのではあるまいか。長いこと聖蹟桜ヶ丘とか赤羽に住んでいましたので、そうなると新宿駅から歩きますよね、都庁近辺行くときって。だから、たぶん都庁前駅はドキドキの初体験。そうか、都庁前駅、こういう感じだったのか。

 

□ご無沙汰のなでしこリーグ

.WEリーグができてからは初めてのなでしこリーグ観戦ではなかろうかと思われるのですが、状況がさっぱりわからないのでHPを見てみた。なんと、スフィーダは首位じゃないですか! しかも率いているのは最強明治の礎を作った神川明彦と来たものだ。神川さんの頃は年に5〜6人だったプロ入り選手が(それでも破格に凄いのですが)、近年は年に12人とかプロになった明治大学。レギュラーの数より多いやん。そんな最強明治の礎を築いたのが神川さんなわけです。

対する我らが伊賀くノ一。施設面などがネックになって、.WEリーグ入りは果たせておりませんが、プリマハム時代も含めると女子サッカーの古豪。とはいえ伊賀をホームタウンにする以上、大きな箱物や巨大スポンサーの獲得は難しいだろうなぁ。大阪の植民地だと割り切って、大阪資本を引き込めればワンチャンあるかもしれませんが、伊賀を前面に押し出して三重県を引き込むのは、県内風土的に厳しい気がする、、、

 

□どちらも4バックではある。

オンザピッチに目を移すと、スフィーダは右から22番10番のツートップ、中盤が15番6番3番11番と並んで、最終ラインは2番5番4番13番。6番がアンカー気味に構えて3番がその前に出るので4ー1ー3ー1っぽく見えなくもない。人数をかけてペナ角を攻略しようというサッカーです。

くノ一は右から8番と11番、中盤が15番5番7番19番と並び、最終ラインが4番13番3番2番という4バック。杉田亜未もいなくなって、名前がわかるのはCBの宮迫さんくらいかな。宮迫さんってずっといますよね。珍しい名字なんで覚えてしまっております。この選手以外にはもう一人、あの焼き肉屋さんしか知らなかったりしますが、くノ一の宮迫さんは副業規定などに引っかかることもなく、元気に現役のプレーヤーを続けております。

 

□高校1年生の夏休み、部活のチームメイトと帰っていたら…

試合は序盤から動きます。スフィーダがサクッと先制しました。もっとも、このゴールのときにはラインズが堂々とフラッグを上げていたにもかかわらず得点が認められた、ある意味では疑惑のゴールと言えなくもかなかったわけですが、くノ一はそれにもめげず、左からのセンタリングによって発生したスクランブルのなか、小川志保が決めて同点に追いつきました。

その後、試合は少し落ち着きを取り戻します。そして飲水タイム。そうか、飲水タイムか、なんだか久しぶりだな。高校1年生の夏休みに部活のチームメイトと帰っていたら中学時代の友達にあった、そんなような気分。んなことはともあれ、くノ一は前半のうちに逆転します。スフィーダが人数をかけて攻めたてるのを裏返すと、19番がアジリティを発揮。完全にサイドを掌握すると、丁寧に折り返す。それを8番が決定力を見せつけ、勝ち越しに成功しました。けっこう一方的なスフィーダのペースだったなか、ほとんどクリアもままならなかったところでの、この決定力。きれいなゴールでしたね。

 

□ヘアバンある?

後半に入ると、少しスフィーダの支配率が落ちます。とはいえ、しばらくは、くノ一陣内でボールは動いていたのですが、そうしたところで再びカウンターから8番が決定力を見せつける。ワンチャンスともいえるロングカウンターで決めきったくノ一がリードを広げると、さすがにスフィーダもガクッときたのか、あるいは30度を越えようかという灼熱地獄で体力を失ったのか、淡白な単発カウンターの応酬となりました。

ややもすれば、けだるい雰囲気が漂い出したロスタイム、くノ一の監督さんが「ヘアバンある?」とベンチに声をかける。ロマンスグレーの老紳士がヘアバンでお洒落しようとしだしたのかと思いきや、ピッチ内で選手が自分のヘアバンを落としてしまったらしい。当然のことながら探している余裕などあるはずはないので、ベンチの選手が自分のヘアバンを外して手渡してました。なんていう女子サッカーならではの光景が繰り広げられるうちに時計の針は進んで、そのままくノ一が3ー1で勝利を収めました。