名伯楽の涙〜流経大柏vs前橋育英(1月8日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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■前半
 
国立の改修によって、ここ数年は埼スタ決戦となっている高校サッカー。国立時代も含めて、関東の代表校が有利なレギュレーションなわけですが、今年は千葉代表の流経大柏と群馬代表の前橋育英という、関東勢対決。しかも、柏から野田線で大宮に行くのも、前橋から湘南新宿ラインで大宮に行くのも、なんだか似たようなもの。千葉と群馬を直線で結んだとき、ちょうどその中間点が浦和美園になるんじゃないかという気がしないでもない。
 
 
そんなわけで、両校ともに多くの在校生が駆けつけた一戦だったわけですが、応援の華やかさならば流経大柏に分があったでしょうか。チアの数も多かったですし、ブラバンとか合唱部とかの女子もたくさん集まっていたらしく、応援の声が全体的に黄色かった。対する前橋育英も、チアがいたので共学なんだと思いますが、どちらかという男臭い応援でしたかね。ベンチに入れなかった部員たちの圧の前面に押し出されてくるような質実剛健さがありました。
 
 
さて、ピッチ内の構図について。スタメン表の登録を見る限り、流経大柏のシステムは532ということになるのですが、そんなに単純な話ではなかった模様。というのも、フリーマンっぽく見える選手が少なくとも2人いたから。1人は10番の菊地。この選手は3トップの真ん中だったのか、それともトップ下だったのか。もう1人は20番の三本木。この選手もアンカーのように見えて最終ラインにいる時間も長く、でもWボランチの一角みたいな場所にいることもある。よく、分からん。
 
 
他方の前橋育英はクラシカルな442です。そしてWボランチの一角にはチームの心臓となる14番が構える。前育伝統のシステムですね。その伝統の14番を継承したのが、田部井涼と悠のツインズのうちのどちらか。もうどちらかは右のSHで起用されていて、2人ともレフティっぽい。前育には2人の田部井の他にもキーマンがいて、それは飯島と松田という、2人の陸。松田の方の陸はプロ入りが決まっていると「エルゴラッソ」で読んだような。
 
 
 
■後半
試合はスコアレスのまま折り返し。ピッチが逆になって把握できたのは、流経大柏がいかに割り切ってこの試合に臨んでいたか、ということ。どうやら流経大柏の20番君は前育10番飯島陸のマンマーカーだった模様。そりゃ、スターティングポジションがどこかわからないですよね、そういう概念とは異なる起用のされ方なんでふから。で、このマンマーカーぶりはなかなか筋金入りで、後半途中に飯島が左SHにスライドして以後も、少なくともしばらくは、そのままマンマークを続けていた。
 
 
マンマークをつけるということは、必然的にピッチにおける人員配置にアンバランスが生じるということ。そのアンバランスをどうやって相殺していたかというと、ジェフ千葉もビックリなハイプレスと、そして高校サッカーらしい運動量。とにかく走り回ることでスペースに穴を作らない大作戦。そうなると、どうしても選手は疲弊する。ってなわけで、流経大柏は積極的に選手を交代して、運動量を維持していく。ただし、さほど試合の趨勢は変化しません。
 
 
一方の前育はいかにもガタイの良い13番のCFを投入します。この13番君、遠目には日ハムの中田翔っぽい佇まい。プレーはワンタッチでポストワークを淡々とこなす感じ。さほど空中戦の数は多くなかった(守備での空中戦では大活躍)のですが、確実に流経大柏を追い詰めることに成功します。後半の途中からは、前育がイケイケモード。流経大柏も執念のディフェンスでしのぎましたが、最後の最後、ロスタイムになってから前育の22番君が値千金の決勝ゴールを叩き込みました。
 
 
試合終了して喜びを噛みしめる間も無く、日テレさんの(だと思う)インタビュー。声を詰まらせていましたね。山田監督。まさに名伯楽の涙。チャンスのシーンで決め損なったり決めたりしたときにはリプレイが流されて、必ずオチのように山田監督のオーバーアクションが映し出されていたのですが、スタンド全体が城福さんみたいなムービングに思わず笑顔になっていて、監督さんの御人徳が伝わってきたのですが、苦節36年、ついに栄冠を勝ち取りましたね。
 
 
帰りはいつものように赤羽岩淵から赤羽まで歩いてJRに乗り換える。元赤羽の住民としては、ついつい「オレ、赤羽に詳しいぜ!」って自己満足に浸りたくなって、必然性がなくても、この乗り換えをしたくなる(必然性はあるのだけど)。で、そのついでに腹ごしらえをしようと「ほうきぼし」という担々麺のお店に立ち寄る。何年か前に話題になったお店なので、知ってる人は知ってるかもしれません。
 
 
なにが話題になったかというと、若い女の子が店長をしているというので、マスコミさんが飛びついたわけです。そんなブームもひと段落したらしく、17時頃に訪れたら、わりと空いていて、ゆっくりと汁なし担々麺を頂戴しました。店長が若いとか美人とか、そういうこっちゃなくて、単純に美味しかったです。「辛いんだけど美味い」ってヤツ。具体的には辛いんだけど、辛すぎず、そして「辛いんだけど美味い」の「美味い」の部分はそのまま美味い、みたいな。