曲者スフィーダ〜ニッパツシーガルズvsスフィーダ世田谷(6月17日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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横浜と世田谷ですからね、そりゃもう、“東横線ダービー”で問題ないでしょう。

 

■前半

山本絵美シーガルズに加入してから、もう何年経ちますかね。3年くらい? この選手の加入がなければ、なかなかシーガルズの試合そのものの観戦機会がなかったのであるまいか。もはや大ベテランですけど、チームの中心として奮闘しております。おそらくスタートポジションは4231のトップ下だったと思われますが、流れが悪い時間帯にはアンカーのような位置取りをする。いわゆるフリーマンで、チームとして山本絵美システムを採用しているようなイメージ。

 

 

そんなシーガルズ、この暑いさなかだってのに縦に早いハイテンションサッカーで攻め立てる。ボールを奪ったら素早く縦に送って、前線を走らせまくる。どこかで見たことありますよね、そう、イラク戦におけるハリルジャパンとそっくり。そりゃ既視感にも襲われるってもんです。もう少しサッカー向きの気候だったら、これはこれで構わないのかもしれませんが、30度を超えようってコンディションで機能させるのは、なかなか難しいスタイルです。

 

 

対するスフィーダは、キックオフ早々にシーガルズがラッシュをかけたことに気後れしている雰囲気でしたが、少しずつペースを握り返すと、セットプレーからの流れの中で先制点を奪います。そこからはスフィーダのペース。要因は、シーガルズGKのキックが不安定だったことと、スフィーダの「行くときは行く!」というところの意思統一や判断力の良かったこと。シーガルズとしては、どうしてもへっぴり腰にならざるをえませんでした。

  

 

そんなスフィーダ、システムがなかなかトリッキー。どうもボランチが3枚いるように見える。でも、「アンカー+インサイドハーフ」という組合せには見えない。いわゆるトレスボランチっぽいので、強かった頃のミランみたくクリスマスツリーなのかとも思ったのですが、ちょっと違う。そもそも3バックなのか4バックなのかがわからない。多分、523だったのではなかろうかと。で、最終ライン5枚のうち、順番に誰か1人が常に1列上がっている、みたいな。

 

 

■後半

後半に入ると、スフィーダが追加点。抜け出したFWに飛び込んでいったシーガルズGKがPKを献上してしまいました。まあ、これは仕方ない。でも、やっぱりキックの不安が決定的にチームを難しくしていたような。基本的に最も近い位置にいる選手(主にDF)に危なっかしいインサイドキックをするしかパターンがない。要するに大きく蹴り出せない。ってことは、押し込まれた後にラインを上げるってことができないってことです。

GKのキックは攻撃においても影響する。具体的にはポゼッションしながら一旦GKに戻してサイドチェンジしたりってことが出来ないのです。また、山本絵美がパスを貰いに最終ラインに下りていかなければならなかったりする。ゲームメーカーが低い位置にいては、攻撃に幅が出てきません。ますますサイドチェンジがなくなっていく。これでは厳しい。なので、シーガルズの攻撃は縦に縦に突っかけるってことしかできなくなるのです。

 

 

それでもシーガルズは意地を見せてセットプレーから追撃のゴールを決めるのですが、直後にやっぱりセットプレーからドンピシャヘッドを決め返されてしまう。セットプレーにはセットプレー。昔、当時モーニング娘。だった安倍なつみがパンチラを取られたとき、東スポは、その直前にパンチラを撮られた飯田圭織に対する対抗心であり、「パンチラにはパンチラを!」という安倍なつみの戦略だったと報じましたが、ついついそんなことを思い出してしまいました。

 

 

ここ数年は、スマホを使うようになったこともあり、あまりキオスクで東スポを買って電車の中で読むってこともなくなりましたが、いまでも東スポは、我々の青春を代弁するようなクオリティを維持してくれているのであろうか。・・・、そんなことはどうでも良いのです。重要なのは、うっかりベンチの上にiPhoneを置いていたら、「高温注意」って画面が出て、しばらく操作不能になっているうちに、試合がクローズしたという事実なのです。

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

山本絵美

□推薦理由

そもそも、なでしこリーグの、しかも2部ですから、知ってる選手が、この選手くらいなわけですよ。どういうわけだか、最近、男子も女子も、フル代表も、年代別も、テレビでサッカーを見るってことがほとんどなくなってしまったので、ますます知ってる選手が減っていきそうですけど、ともあれ、この選手は知っている。女ロナウジーニョ。技巧派ミットフィルダーとして、一時代を築いた選手です。この試合も、この選手を見にきたようなもの。

 

 

なんだか、山本絵美、いろんな意味で遠藤保仁みたくなってきましたね。その精度や、シンプルな判断力で、一見すると簡単そうに思えてしまう単純なショートパスだけで局面を打開していくプレースタイルは、完全にヤットさんでございます。あまりこねくり回さず、ワンタッチでファンタジーを発動させるところなんかは小野伸二っぽくなくもないのですが、背番号も7番ですし、年齢的な部分での位置付けも相似しているので、やっぱり遠藤保仁をより強く彷彿とさせる。看板選手として、もうしばらく活躍してくださいませ。