霜田監督、守備を仕込む〜大宮アルディージャvsギラヴァンツ北九州(10/23)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

□首都高を見下ろす

我々世代が20代の頃、気がつけば夢中の蟻地獄に引きずり込まれていたスーパーバンドがMr.Childrenなわけですが、そのミスチルに「光の射す方へ」という曲がある。なかなか下品な歌詞で、当時のワタクシは「大ヒット連発の中でセレブリティ扱いを受け、ヘンテコな六本木の女が周囲に湧いてくるようになって、桜井さんもいろいろメンタルやられてたんだろうなぁ」なんて勝手に同情していたものです。

で、この曲の歌詞のさわりが「蜘蛛の巣のような高速の上〜♪」だったりする。そう、首都高と言えば蜘蛛の巣であり、田舎者のワタクシにとっては都会の象徴でもあります。都会の象徴といっても、東京タワーとか新幹線とかと同列の1964東京オリンピック的な都会の象徴。そんな首都高を上から見下ろせるのが目黒「天空庭園」。要するに、試合前の午前中に「天空庭園」に行ってきたってだけの話です。

 

□シックスポイントゲーム

さて、目黒「天空庭園」から田園都市線湘南新宿ラインを乗り継ぎたどりついたはナックファイブスタジアム。ナクスタを本拠とするアルディージャは低空飛行の末、霜田さんをシーズン途中から招聘しました。大宮のチームカラーと霜田さんのサッカースタイルはいささかキャラ違い感も禁じえなかったのですが、着実とチームを霜田色に染めつつ、勝ち点獲得率も向上させております。

対する北九州を率いるのは安定のコバさん。大低迷時代のギラヴァンツを蘇生させてJ2に引き戻しましたが、今シーズンは悪戦苦闘。理由は、昨シーズンまでの主力が引き抜かれたという断絶面にあるのか、あるいは率いて3年目になるという、「3〜4年が周期」とされるサッカー界特有の“経年劣化”という継続面にあるのか。ともあれ、シックスポイントゲームともいえるサバイバルマッチとなりました。

 

□442vs4231

事前に『エルゴラッソ』J2版(電子版)を読んだところ、大宮の霜田監督曰く「雅史のポジションは雅史」らしいので、菊地の位置に入るのかと思いきや、小野のポジションは雅史ではなく左サイドでしたね。菊地がいるときは4ー2ー菊地ー3なのですが、この日はおそらくボックスの442。中野と河田のツートップでした。

対する北九州は、針谷が黒髪の好青年でビビった。知り合いに昌平高校出身者がいて、そいつを基準とするならば、ヤンキーないし元ヤンに違いないとゴリゴリの色メガネで見ていたのですが、昌平高校出身者にはワタクシの知り合いとは異なるタイプもいるらしい。その針谷(ジュビロ)の相方はエスパルスからレンタルの西村。この選手は、今ひとつ物足りないかも。大柄の若手選手にありがちな、自分のスケール感を持て余しているような印象。

 

□前半は動く

どちらも繋ぐイメージがありますが、より霜田さんの方がポゼッション志向な印象。でも、この試合では北九州が大宮陣内で試合を進める時間が長かった。北九州はサイドのスペースにボールを蹴って陣地を回復しつつ、好青年針谷の両手を広げながらクルクルとボールを捌く華麗なゲームメイクで大宮を押し込む。もちろん大宮は大宮で、河田の抜け出しやポストを利用した鋭い速攻で北九州をえぐっていく。

先制したのも大宮で、左サイドからのラストパスを河田がスルーして、最後は黒川が蹴り込んみます。これで試合は大宮のコントロール下に入ったのですが、北九州も怯みません。新垣が豪快ミドルをズッコンと突き刺して追いつきます。同点後は再び北九州が押し込み、大宮が河田を中心とするカウンターで応戦する展開が続きますが、前半のうちにその河田がペナルティエリアの出入り口くらいからシュートを突き刺し、再び大宮が勝ち越します。ポストワークといい、抜け出しといい、貪欲なシュート意識といい、河田の9番らしいプレースタイル、良いですね。

 

□後半は息詰まる

後半に入って、勝負を決めたのはショートカウンターからの黒川の追加点。この日の2ゴール目。この試合では北九州の高橋と日本人10番左サイド対決でしたが、自慢のスピードと決定力を遺憾なく発揮した黒川の圧勝となりましたね。高橋は後半開始からトップ下にスライドして、随所で技術を発揮しましたが、違いを見せつけるというところまでは至らず。

その後は大筋では北九州が攻める。しかし大宮も鋭いカウンターで応戦。そう、キックオフから構図は変わらない。そうこうしているうちに大宮はカウンターのチャンスで中野がおかしなクロス。蹴る瞬間に足を攣ったらしい。そこで霜田監督は素早く交代させる。代わって出てきたのが、、、イバ。こういうエゲつなさこそ大宮の真骨頂。ただ、この日の大宮の出色は守備だったんだと思います。北九州はどうしても2点目が取れませんでしたが、それは単純に大宮の守備が北九州の攻撃を上回ったから。攻撃一辺倒でない霜田アルディージャ、(残留すれば)来期は台風の目になるかもしれません。