□芸能界二大涼子ダービー
高知といえば坂本龍馬と“よさこい”の印象ですかね。今ひとつ“よさこい”と“ソーラン節”と“阿波踊り”と“どんたく”の区別がつかないのですけど、ワタクシが“よさこい”という伝統文化を強く印象づけられたのは大学生の頃。ドコモのポケベルだった広末涼子が“よさこい”を愛して止まないと報道されてからです。あの頃の広末涼子は清純派だった。そして同時代のショートカットのセクシー女優は“広末”という源氏名を名乗りがちだった。
90年代に芸能界を席巻した涼子といえば、もう一人、TKな篠原涼子がいましたよね。広末にもう少し愛しさなり切なさなり心強さなりが備わっていれば今頃、、、というのはさておき、そんな篠原涼子は実は群馬県出身です。ゆえにこの試合は芸能界二大涼子ダービーと言えるわけです。ちなみに芸能界三大涼子にするならば国仲涼子が加わるでしょうか。ってことは琉球を加えて“ PRIDE OF 涼子”とか“バトル・オブ・涼子”とかすれば良いのに。
□あの漢と和製モウリーニョ
さて、ジェットスター便で成田空港へ、成田空港から前橋行きのリムジンバスに5時間揺られて乗り込んできた?高知は今シーズンここまで3勝3分6敗で16位。昇格初年度ということを踏まえれば、まあ、こんなものといったところでしょうか。監督は“あの漢”なんですね。高知の“あの漢”と言えば横竹翔が思い浮かぶところではありますが。なんせアイゴッソ時代も含めて高知で161試合に出場している(Wikipedia情報)。そんな横竹翔、現在は徳島のスタッフなんだとか(Wikipedia情報)。
迎え撃つザスパは今シーズンここまで3勝4分5敗で14位。降格初年度ということを踏まえれば、良くないですねえ。監督は沖田優さん。プロ未経験でコーチを歴任した上での監督就任。……モウリーニョ?ならば、さしあたりポルト時代のように、マスコミ向けには「2323の攻撃サッカーだ」と放言しつつ、実際には4141でしっかり守備を固めるサッカーを展開すれば、欧州の頂点に立てるのではないかと愚考します。
□アンカー同士
というわけでピッチに目を移します。まずは高知ですが、システムとしては中盤逆三角形の352でしたかね。3322というか3142というか。前線は9番の新谷と11番の小林心。2トップが9番と11番の組み合わせってのが良いですね。この二人、原則的には横並びなんでしょうけど、奥行きをとる役割は9番の新谷で、11番の小林は衛星的というか、右に張り出すことが多かったかもしれません。ちなみにアンカーの工藤は何故88番なんだ?アビスパの松岡リスペクトなのか?
一方のザスパ、システムは4123。とはいえ攻守においてWボランチっぽくなる。守備時は右ISHの36番安達が落ちる。というか27番藤村が攻め残る。攻撃時は右SBの35番玉城が似非ボランチ状態。いわゆるアラバロールですが、なんか、久々にこのシステムを見た気がする。ある程度傾向と対策が定まった中でSBにトリッキーなマルチタスクを課すことのリスクを感じなくもない。
ともあれ前半の攻防ですが、ザスパGKのKーDRAGONが謎のファンブルを犯して早々に先制点を高知にプレゼントしてしまいます。しかしザスパは気を取り直す。左WG加々美が左45°からのデルピエロショットで追いつきます。その後は一進一退、高知はポジショナルを志向しているらしく、ダイナミックなミドルパスで相手の急所を突いていく。あの漢、多少はポジショナルを仕込めるんですね。対してザスパがアタッキングサードに進入できたときは、だいたい右からの崩しでしたかね。作りは左が多かったですけど。
□和製ポグバになる予定だった男
後半の開始とともに和製モウリーニョ監督は米原と和製ポグバ(になる予定だった)西村を投入します。ちなみに西村恭史って「きょうじ」ではなく「やすふみ」なんですね。ついでに米原も「まいばら」ではなく「よねはら」。この2人の投入に伴いシステムも3421に変更。横幅の広さで分が悪かったところを五分にしたことでサイドが活性化。左サイドからの折り返しを西村が決めてザスパが勝ち越します。
そこから後半の35分過ぎまではザスパが優勢。やっぱりWボランチにすると、それだけで安定する。しかもその一角がCB対応もできる米原ですので、重心は落ち着きます。加えてシャドーの一角は和製ポグバ、つまりボランチ対応のできる西村。真ん中は堅くなります。さらに言えばトップより1つ低い位置で西村がロングボールのターゲットとして機能していたことも大きかったかと思われます。
なんとなく、そのままザスパが押し切りそうな雰囲気だったのですが、残り10分くらいになってから、なぜか途端に安定感を失う。思うに両ワイドの運動量が落ちたことで真ん中でボールを保持せざるを得ないプレーが増えてしまったのが良くなかったのかもしれない。1つの不完全対応がそのまま相手のシュートチャンスになるってシーンが激増するなか、狭いところをものともしない高知のテクニシャン杉山が同点ゴールを突き刺しました。ザスパとしては勝ち点2を失ったという気分でしょうね。逆に高知にとっては決して悪くない果実を持ち帰ることに成功。試合は2ー2の同点でタイムアップになったとさ。