対照的なWボランチ〜東京Vvs群馬(4月26日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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今年は味スタでヴェルディ戦を見ていることが、妙に多いです。

 

■前半

 

アウェイチームの草津ですが、なかなかバランスが良かったですよ。新人監督なので、もっとエキセントリックなことになっているかと思ってたんですけど、割とオーソドックス。まずスタメンの構成の年齢バランスがとれている。永井雄一郎とか松下とかベテランを軸としつつ、そこにアクレイソンといった新戦力や小林・青木みたいな中堅が脇を固める。で、江坂や野崎や乾・川島・久富といった、日本では若手とされる面々が汗をかく、と。

 

 

また、戦い方のバランスもとれていて、綺麗めな2ラインを敷いて、そこのブロックを崩さない。ゆえに攻撃については、ある程度、個々の頑張りに委ねざるを得ない部分もありますけど、前半45分の戦い方として、それが常道ですから、比較的、教科書通りのチーム作りがなされているようです。

  

一方のヴェルディについては、いつもそういう傾向にあるような気もしますが、攻撃の場面でしょっちゅう福井諒司がフリーになってますよね。CBもこなすSBですから、攻撃でのテクニックはそんなにない。だから相手のマークも緩くなるのか、或いは中盤でのパス回しに参加できないから、結果的にフリーになっているのかはわかりませんけど、この選手が左サイドでフリーになれていることを、もっと有効に活用できれば良いんですが、そこがヴェルディの課題の1つでしょう。

 

 

■後半

この両チームを見ていて興味深かったのは、各々のWボランチですね。ヴェルディは三竿が出ていなくて、この試合では安田晃大が中後の相棒を担っていました。中後が大柄で見栄えも優雅なプレーをするのに対し、安田晃大は小柄ですばしっこいスタイルですけど、ともにテクニックに優れた選手同士の組み合わせ。司令塔系を並べた分、やや役割分担がぼやけていて、そこが前半うまくいかなかった要因かもしれませんが、やっぱり2人とも上手です。

 

 

一方の草津は松下とアクレイソンという組み合わせ。エルゴラのポケット版選手名鑑に「見た目がかぶるという問題が発生中」みたいなことが書いてありましたけど、確かにこの2人、似ています。遠目のビジュアルはソックリ。でも、それ以上にプレースタイルも似ているんですよね。いわゆるハードワーク系。相手とのごっつんこを厭わないです。しかも、長めの距離のキックの精度がまあまあ高い。いかにもウルグアイあたりにいそうタイプの潰し屋ですね。

 

 

ヴェルディザスパも、タイプこそ対照的でありながら似た者同士でWボランチを形成するという部分が共通していました。で、そこにメリハリを付けるような選手交代で状況の打開を図るというところも同じパターン。よりシンプルな交代を行ったのは草津で、アクレイソンに代えてファンソンスを投入。そのまま選手を入れ替えた格好で、オリベイラと吉濱を投入した他の交代も含め、総じて新たな熱量をピッチを注入しようというパターン。

 

 

他方、ヴェルディの冨樫監督は安田晃大を下げて永井秀樹を入れてきました。同時にシステムを433とし、中後をアンカー、永井とコウチーニョがインサイドへと配置すると、この変更によってヴェルディの中盤は多少なりとも流動性を増します。終盤戦でしたし、そうなると草津の組織も厳しくなる。スペースが出来る。そのスペースを攻略して走り込んだ安西に永井がスルーパスを通し、安西の折り返しを、途中出場の南が押し込みました。先制点。勢いに乗るヴェルディは、さらにロスタイムのうちにもう1点。決めたのは、やはり南でした。焦るザスパのボールタッチが雑になったところをコウチーニョがかっさらい、そこから決めた、貴重なダメ押し弾。わずかな勝負のアヤでしたが、結果として冨樫采配が的中し、ヴェルディ草津を退けました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

永井雄一郎

□推薦理由

あの永井雄一郎ですよ。去年は地域リーグにいましたよね。で、そこも一年で辞めたもんだから、てっきり「もはや、どうやってもカラダが動かない」状態なのかと思っていたら、そういうことではなかったらしい。元気に先発出場。若い頃の印象ではドリブラーってイメージなんですけど、ザスパでは右サイドでチーム全体をオーガナイズする役割を担っているようです。

 

 

熟練の戦術眼で、周囲に指示を出し続けつつ、一発のサイドチェンジなどてチームにメッセージを送る。SBを前に出すために、あえて下がってボールを捌いたりと、ベテランらしい働きを見せます。本来はゴリゴリのアタッカーながら錆び付かないテクニックでボールの落ち着かせ所として機能するところなどは、晩年の小倉隆史を彷彿とさせます。相変わらずドリブルのストライドが大きすぎて相手にカットされるなどはご愛嬌として、ベテランの存在価値を再認識いたしました。