長澤采配、見事なほど裏目に出る〜大宮アルディージャvs松本山雅FC(5/6)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□隣県ダービー

大宮と松本の共通点、そらもう霜田監督よ、おーん。ってなわけですが、それだけだと芸がないので、他に共通点を探す。(旧)大宮市と松本市という括りでいくと、ともに(旧)浦和市長野市という宿命のライバルが存在していて、かつ、それぞれレッズとパルセイロというライバルクラブが存在していることが共通点として挙げられます。さらに枠組を埼玉県と長野県に広げると、よりシンプルな共通点が出てきて、ともに海無し県です。敵に塩を送ってもらわないことには籠城の一つもできません。

とはいえ、もっとトリビア的なダービー要素をほじくり出すと、実は埼玉県と長野県って、県境を接する隣県なんですよね。何かのテレビ番組でやってました。実際に地図を眺めてみると、確かに埼玉県秩父市と長野県南佐久郡川上村は接している。「奥秩父山塊」と呼ばれる、登山口にたどり着くだけで一苦労な山脈に遮られていて、かつ、両地を直結させる道もないようなので地域の生活実態に繋がりはなさそうですけど。

 

□モタつく松本、快調な大宮

さて、あずさ2号を新宿で乗り換え湘南新宿ラインで乗り込んできた?松本ですが、ここ5試合の成績は2勝1分2敗、シーズントータルで10位です。反町さんが去ってからは、なかなか上り調子になりません。一部に熱烈なアンチのいることでお馴染みの名波浩さんが監督をしていたシーズンが近年では唯一、上昇の可能性が感じられたのではないでしょうか。

迎え撃つ大宮は、例によって絶好調。リーグ戦に限れば、ここ5試合で 4勝1分、ずっと首位です。公式戦ということでしたら3勝1分1敗、負けたのはルヴァンカップで、相手は名古屋なんで、まあ、カウントしなくて良いでしょう。健勇だけでなくシュヴィルツォクも戻ってきたんだから、そりゃ強いですよ。

 

□様子を探り合いながらの攻め合い

というわけでピッチに目を移します。まず松本ですが、しばらく見ないうちにすっかり山口一真の雰囲気が変わりましたね。完全な元ヤンキャラだったのが、なんだか童顔イケメン好青年キャラになってたぞ。“童顔イケメン”は盛りすぎかもしれませんが、好青年風になっていたのは間違いない。なんか、亀梨君の歩みをトレースしている感がある。で、そんな山口一真とやはり元ヤンキャラだったのが好青年風になった馬渡が構成する左サイドコンビを起点の一つとしながら、巧みに相手陣地に押しかける。なんだかんだ言っても霜田さんのチーム、ボールを運ぶ方法論は確立しております。

一方の大宮ですが、コイントスのあとにサイドが変更となり風下に立ったこともあって、いつもみたいにはいきません。ロングキックが思うに任せない状況では戦術健勇が機能しない。そもそも松本のCBコンビはJ2でもやれていた2人ですので、さしもの健勇も余裕綽々というわけにはいきません。ですが、風上のうちに攻めたい松本は前がかりになっている分だけスペースを与えてくれるのと、システムの噛み合わせとして両ワイドのプレッシャーが緩む局面がありますので、そのあたりを突きつつ、尻上がりにチャンスを増やしていきます。

ともあれ前半はスコアが動かない。シュートはそれなりにありましたし、試合終盤みたいな、ゴール・トゥ・ゴールの攻防が繰り広げられていたので見応えはあったものの、守備陣の集中力や運動量が足りている前半ですから、両チームともそうそう簡単には失点しませんでした。

 

□トランスフォーム失敗

後半は大宮が風上、松本が風下になりましたので、そりゃ、大宮がイニシアチブを握るかと思いましたが、さにあらず。もちろん風はピッチに平行に吹いているわけではないので、そのあたりの絡みもあったのかもしれませんが、なぜか引き続き松本がボールを握り続ける。なんなら、押し込んだときの松本のオーソライズは、風下に回ってからの方が良かったまである。

思いのほか攻勢に出られなかった大宮も、我慢強く対応し、バランスを維持します。隙らしい隙はなかったかと。あえてあげつらうならば、なぜか一人で空回りしていたアルトゥール・シルバが危なっかしかったのと、松本の簡単な放り込みに対処した後のゴール前が微妙に覚束なかったことくらいでしょうか。

ところが、大宮はそのバランスを自ら壊してしまった。厳密には長澤監督が壊してしまった。選手交代を我慢しつつ、満を持してシュヴィルツォクを投入したのは良いとして、同時にシステムを4バックに変更したのが良くなかった。3バック(5バック)と違って4バックだと、守備に際してスライドとか、SBとSHの受け渡しとかしないといけないわけですが、そのあたりのフィックスにモタついて、秩序が再編される前に、あっという間に2点を奪われてしまった。どちらも左サイドのポケットを突かれてのもの。試合途中にシステムを変えて、それが混乱をもたしての失点ですから、要するに自滅、あるいは監督による自壊。

松本的にはタナボタ的な要素もありましたが、ともあれ、霜田さん率いる松本山雅が、指揮官の古巣に今シーズン初の敗北を味わわせる一戦となりましたとさ。