キーパー途中交替と鈴木国友の大活躍〜YS横浜vs松本(3/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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森高千里ダービー

昨シーズンからJ3舞台としておりますが、つい最近までJ1を戦っていた松本。松本をJ1まで導いたのは、今さら説明するまでもなく反町康治なわけですが、反町さんって元々はフリューゲルスの選手でございます。フリューゲルスの選手というより、「慶応大学から全日空に就職したスーパーエリート」みたいな印象。

で、実はYS横浜のルーツも全日空といえば全日空なんですよね。全日空傘下のサッカークラブだったのが、Jリーグに先立って脱親会社を志向して立ち上げられた草莽の街クラブ。全日空から決別したクラブということは、決別する前の母体は全日空だったっつう話です。ちなみにJリーグが発足した90年代初めというのは、いろんな意味で戦後のシェーマがようやく払拭されて沖縄が“近い”場所になりつつあり、航空各社が大々的な沖縄キャンペーンを打っていた。その中で全日空の沖縄キャンペーンを担っていたのが森高千里です。ゆえに、この試合は森高千里ダービーと言えるのです。

 

□強者のサッカー?元強者のサッカー⁇

森高千里ダービー、片方の主役であるYS横浜ですが、連敗スタートです。昨シーズン途中に就任してから右肩上がりでチームを向上させてきた星川さんが率いているということもあり、期待をしているのですが、ロケットスタートとはいきませんでした。星川さんは全盛期のINACを率いた名将だけに、弱者の戦術ではなく強者のサッカーが得意ということがあったりしないだろうか?……しないよね。

対するアウェイの松本。開幕2試合で勝ち点4。悪くはないですね。松本を率いているのは霜田さん。霜田さんは、どこのチームでも率いるようになって最初はエキサイティングというか、明るい未来を感じさせますが、その未来になかなか近づかないことでお馴染み。逆に言うと、最後は選手のタレントが必要なスタイルのなのかもしれません。であるならば強者のサッカーが得意ってことになるかもしれないわけですが、そういう意味ではこれまでの山口や大宮よりはリーグにおける相対的位置づけにおいて、現職ではやりたいサッカーを体現しやすいのかもしれません。

 

□“菊さま”

さてオンザピッチ。YS横浜は今シーズンから柳の背番号が8番になったんですね。代わって10番になったのはレジスタの山本凌太郎。その山本はベンチスタートで、ニューフェイスの福田とか田原とか松村とか大嶋とかがスタメンを張ってました。

一方の松本は超攻撃的左SBの下川躍動してましたね。これまでは、どちらかというとその攻撃力をチームに生かしてもらうって感じではなかったような印象もありますけど、右の藤谷ともども攻撃のターンではガンガンにウイングを追い越していって爽快でした。そんな松本の誤算は、ネームヴァリューも含めて存在感を示していた渡邉千真が前半のうちに負傷で退いてしまったこと。交替で入った小松蓮にも、そろそろ覚醒してもらいたい。

両チームとも、さすがは戦術家な監督に率いられているだけあって、規律と流動性のある引き締まったサッカーを展開します。ポジショナル同士ということもあり、ポジションを作ってからはタイマンのしばきあいになって見応え十分。その中で両チームを機能させていてキーマンは2人の“菊さま”。YS横浜の“菊さま”こと菊谷はインテリオールとして攻守のバランスを整え、山雅の“菊さま”こと菊井は特にポジティブトランジョンで気の利いたフォローアップを見せ潤滑油となっておりました。そんなこんなで程よい緊張感に包まれた前半45分が過ぎていきます。

 

□鈴木国友の起点力

スコアレスで折り返した後半戦は、ワタクシがよそ見をしている隙に動きます。残像だけで判断するにキーパーはじめ守備陣の判断ミスでゴールマウスがガラ空きになったところに菊井が押し込んだ模様。そして、その後にYS横浜はキーパーを交替する。あれは懲罰だったのだろうか?さすがに1回の飛び出しミスだけでそんな屈辱的なことはしない気もするしなあ。ともあれ昨日の横浜FC戦と2日続けてキーパーの途中交替を生観戦するという、なかなかの週末となりました。

追いかける展開となったYS横浜は大嶋と松村の両WBがアタッキングサードではさながらCFのようなポジションを取ったり、菊谷がドリブルで独走するなどオープンな展開に持ち込み同点を目指します。しかし、そこで立ちはだかったのがパウリーニョ。個のハンティング能力をいかんなく発揮してYS横浜の反撃を許さない。

そんなパウリーニョもさすがに疲れてお役御免になると、代わりに投入されたのが喜山なのだから選手層が暑い。一方のYS横浜もジョーカーの松井をピッチに送り込みますが、試合を決定づけたのは喜山と同時投入された鈴木国友。この選手は純然たる9番というより、チャンスメーカー的素養が高いのかもしれません。カウンターの起点として鮮やかな存在感を示します。まずは、鈴木を起点したカウンターからPKを獲得。それを鈴木が決めて実質的に勝敗を決定づけると、ロスタイムにはやはり鈴木がカウンターで推進力を見せつけ、最後はゴール前でどフリーになった小松蓮にプレゼントパス。小松蓮は空っぽのゴールに押し込むだけ。終盤に一気に勝負をつけた松本山雅が3試合での勝ち点を7にまで伸ばす完勝を収めました。