四方田さん、復権?〜横浜FCvsアルビレックス新潟(本日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□日本語の不思議

このマッチアップは、2022シーズンにJ2を駆け上がって2023シーズンからJ1に復帰した、いわば同期対決ではありますが、横浜と新潟は歴史的に見ても共通点が多いですよね。どちらも日米修好通商条約で開港された港町ですし。

両都市の結びつきは上杉謙信後北条氏の時代に遡るらしい。「越相同盟」なるものを形成したことがあるみたい。「越後」の「越」と「相模」の「相」で「越相」ですかね。……「相模(さがみ)」のうち「相」が受け持っているのは「さ」? 「さが」? なんとなく「模」の持つ画数の多さであったり、「ばく」という読む際の濁点であったりを踏まえると、「模」は「がみ」担当であってほしいところ。ってなわけで「相」が「さ」、「模」が「がみ」担当だということにしておきます。

 

□対照的な〝継続路線〟

さて横浜FCは昇格を果たした四方田さんがそのまま監督を続けておりますが、まことしやかに語られる噂によると、なぜか指揮権を取り上げられて、今シーズンから就任したコーチに全権が与えられている、みたいな話もあるらしい。確かにこの試合までは代名詞ともいえる3バックを完全に放棄してましたしね。例によってLEOCの会長さんの気まぐれ?偉い人の考えることはわからん。

アウェイの新潟は、そういう複雑怪奇なミステリーは発生せずに、リアルな長期政権ですね。松橋さんが引き続きリーダーシップを発揮していることは、去年と戦術的なベースが変わっていないことから明らかです。ここのところ、それなりに対策が進んだのか、少し負けが増えつつありますけど、現在のところ13位、昇格初年度のチームとしては上出来の部類に入るのではないでしょうか。特に伊藤涼太郎のブレイクぶりは目を見張りますが、逆に言うと夏のマーケット期間における動向に戦々恐々としなければならないということでもあります。

 

復権

試合前の横浜FCサポーターが謎のコールを始めました。ひたすら「頑張れ、頑張れ、四方田!」を繰り返す頑張れ四方田コール。何かとエッジの効いたチャントが好きな横浜FCサポらしいというか、ハートウォーミングな感じが横浜FCサポらしくないというか。で、なんやかんやあってキックオフになったわけですが、、、横浜FC、3バックを解禁してきました。横浜FCサポは四方田さんの復権を知っていたってことですかね?

対する新潟ですが、こちらもサポの有り様に関心を奪われる。三ツ沢のゴール裏スタンドは少し変則な作りになっていて、アウェイチームの方が密集になりやすいのですが、そういう構造上の部分を差し引いても、たぶん、ゴール裏の密度はだけ横浜FCゴール裏より新潟ゴール裏の方が高かったですよね。数の絶対値も新潟のが多かったかも。そんなサポーターの後押しを受けた新潟は低い位置で相手のフォアプレスを剥がすのが上手い。無理に剥がすというより、ニュルッと剥がす。しかもターンオーバーを含むメンバー構成で、それができてしまう。見事です。

とはいえ横浜FCサポのフォアプレスも強烈でした。シャドーに入った小川と山下が走る、走る。そして走る。攻守に超絶ハードワーク。頭が下がる思いです。で、彼らがコースを限定することで、新潟としては相手を剥がせても、そこからクサビなり背後へのスルーパスなりの縦に刺すパスがなかなか通らないという前半となりました。尤も、前半は勝負パスを見せて「あるよ!」っのを意識させるだけで良いのかもしれませんし、あるいは、人数をかけすぎないリスクマネジメントも含めて、早め早めに無理目であっても刺すパスを出していただけなのかもしれません。

 

□初勝利への執念

何はともあれ、それなりに悪くない空気感で後半を迎えた横浜FC。原点を取り戻して、帰るべき場所のできたチームは強いもので、ユーリ・ララが、「スタンドからだと細かくはわからないが、遠目でもなんか凄い」ってバックヘッドを流し込んで、乾坤一擲の先制点を奪います。こうなると俄然として試合はテンポアップ。両チームともに決定機を迎えるものの、最後の最後で決めきれない。

状況を打開すべく松橋監督は三戸と伊藤を投入します。もうね「足下のテクニックとパスワークで寄り切ったるわ!」っていう覚悟が聞こえてくるようなカードの切り方。それに対して四方田監督はどう動いたかというと、杉山と山根を投入した。特に山根永遠ですよね。こちらはこちらで「走力と馬力で最後までしばきあったらあ」っていう意思表示に感じられました。

さらに終盤には三田と井上潮音が投入された。「つまりはボールを持つことで時計の針を進めるってことかな?」とも思ったのですが、あるいは、FW寄りのシャドーたる小川慶治朗とアンカー属性のユーリ・ララに代えてISHタイプの二人を入れたと言うことは、フリーにしてしまっていた新潟両ボランチの島田と秋山を消しにいったということなのかもしれません。ともあれ、乱闘やら、乱闘直後の大ピンチやらを魂のディフェンスで凌ぎきった横浜FCが、ようやくのシーズン初白星をあげました。