戸田新監督、勝負の厳しさを突きつけられる〜SC相模原vsガイナーレ鳥取(3/4)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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鳥取の日程

今シーズンのガイナーレ鳥取の日程って、めっちゃ偏ってますよね。初戦がアウェイ相模原戦、翌週の第2節がアウェイYSCC戦。つまりシーズン最初の2週間で首都圏の試合が終わってしまう。となると、ワタクシとしては、そのどちらかを見るしかないわけですが、来週の土曜日はどうしてもキャンセルできない先約がある。いやね、本当ならば今週末、ぶらり一人旅の予定だったのですよ。まあ、そちらは諦めざるをえない。

じゃあ鳥取旅行すれば良いって話ではあるのですが、まあ、鳥取に遠征するとなると、なかなかハードルが高いですよね。まだ島根なら観光地も多いですけど、人生で何度も砂丘を見たいとも思わないし。だったらせっかくだからサンライズ出雲とかに乗ろうとか思ったところで、それはそれで予約困難なプラチナチケットって言うし。具体的に旅行のシミュレーションをしてみると山陰地方がいかに陸の孤島かが思い知らされる。

 

□変化と継続

今シーズンより相模原は抜本的に体制が変わりましたね。「一般的な体制→パトロン体制」と変化したお隣の町田に比べても、「独裁体制→パトロン体制」に変化した相模原の方が、よりドラスティックかもしれません。DeNAはすでにスポーツビジネスのノウハウを身につけているので、そこまでおかしなことにはならないかと思われますが、そのフラッグシップとして監督が戸田さんになりました。この世代の桐蔭出身者は李国秀教徒みたいな性格もありますけど、カルト集団の外でも成功できるのかっていう興味はなくもない。

乗り込んできたアウェイ鳥取は、J3降格後すっかり下位安定になってしまいましたね。一度だけ3位になってますけど、改めて振り返ってみると、そのチームを率いているのは今をときめく須藤大輔監督なんですね。ともあれ、キンジョンン体制3年目。J2昇格争いに絡めるかどうかはさておき、我々に「さすが!」と思われるシャンパンサッカーを見せてもらいたいところです。

 

□出来損ないのポジショナル?

さて新生相模原ですが、ポジショナルサッカーをやりたいらしい。ということもあってかシステムは5レーンを作りやすい3421。ポジショナルサッカーのミソとして数的有利な配置ができるまで低い位置でタラタラ繋ぐってのがあるのですが、相模原はここでミスが起きる。なかなかの致命傷です。しかも守備に回ったときに、なぜか、むしろ相手にハーフスペースを使われてしまう。まだまだ練度が足りてない感じですね。

逆に鳥取は継続を選択しただけあって完成度が高い。システムはオーソドックスな442。サッカーのスタイルも繋ぎ倒すというより、ショートカウンター中心。高い位置で奪ってから、グランダーのパスを何本かワンタッチでつないで、あっという間にシュートまで持っていく。もともとそこのクオリティは高かったのですが、今シーズンはプラスで普光院と牛之濱という技巧派が加わったことで、さらに研ぎ澄まされつつあるということかもしれません。

スコアを動かしたのは、そんな鳥取のキーマンともいえる普光院。ゴール前のFKでスーパーなキックを繰り出して、ものの見事な恩返し弾を叩き込みました。その後もどちらというと鳥取がリズムよく試合を進める中で追加点。重松健太郎がミドルを突き刺します。重松って、少し小倉隆史にプレースタイルが似ていると思ってるのですが、このシュートも往年の小倉のようなズドンでしたね。

 

□戸田を軽んずるなかれ

ハーフタイムには「このまま趨勢に大きな変化のないまま残りの45分も過ぎるのかな?」なんて思っていたのですが、後半に入るなり相模原は明らかに持ち直していた。プレーそのものはもちろんとして、選手一人一人が余裕を持てるようになっていた様子がありありと伝わってきました。普段着のサッカーを取り戻した相模原は、低い位置からしっかりとクサビを突き刺してから左サイドを崩すと、折り返しを松澤が決めて1点差に追い上げる。そして、さらに後半18分にはカウンターから独走した藤沼がキーパーもあざ笑うかのように抜ききって同点ゴールを流し込む。

後半になって相模原が流れを引き寄せた要因の一つとして、低い位置ではハッキリとしたキックで陣地の回復に徹するようになった、というのがあるかと思われます。これで危険な位置で恐る恐る繋ぐというストレスフルなシチュエーションが減りましたし、何よりも鳥取ショートカウンターを封ずることに成功しました。逆に鳥取は苦しくなります。キムジョンソン監督って、案外と遅攻とか低い位置からのロングカウンターとか、繋ぎ倒すを極めるような仕込みはしてないらしく、ショートカウンターを封じ込まれると、なかなか攻撃の形を作れない。いっそうのことSBがSHを追い抜くみたいな、原点回帰的なサイドアタックを仕掛けても良さそうなものですが、そういう形は殆どありませんでした。とはいえ、それでも最後は田村が決めて勝ちきったので、そこは底力ですかね。ということで鳥取が戸田新監督に勝負の厳しさを突きつける第1節となりました。