ポルティモネンセ仕込みの攻撃センス〜鈴鹿ポイントゲッターズvs奈良クラブ(7/2)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

四日市市中央緑地公園陸上競技

確か、鈴鹿って、もともとは「ランポーレ」って名前で、で、なぜランポーレかというと名張市に縁の江戸川乱歩から取った名前だったはず。つまり、本来は名張のクラブ。それが鈴鹿を名乗っているのは、Jリーグを目指すにあたって鈴鹿スポーツガーデンを本拠地にしたかったから、だと思う。間違ってたらすんまへん。

それが鈴鹿を名乗ったにもかかわらず、なんやかんやあって、要するに県が県営施設をどう活用(=修理)するかってところの話で、なかなかスポーツガーデンを使うって感じでもなくなり、この試合は名張でも鈴鹿でもなく四日市。もはやヴィアティンの本拠地桑名とホームである鈴鹿の中立地点じゃないか。ともあれ、はじめて訪れた四日市市中央緑地公園陸上競技場、平野の真っ只中の国道沿い。周囲には大型店舗があって、公園の入口にはおしゃれスタバとかある。おったまげでざますわよ。

 

□謎のダービー

……確か、奈良クラブって、数年前になんか不祥事的なことがありましたよね。「とにかく最短距離でJリーグへ」って感じで自転車操業しているクラブにはありがちなパターン。で、全く同じ構図を背景にして鈴鹿さんに至っては、不祥事(処理)の真っ最中。もはや、何のダービーかわからないですけど、何らかのダービーではありますよね。こんなことをネタにしたら不謹慎ですけど。

ともあれ、鈴鹿は当面Jリーグには上がれない。他方、奈良クラブはとにもかくにも立て直してきて、今シーズン、このままの調子で加速していけば、結構な現実味を持ってJリーグが見えてくる。そんなジェラシー感じる似た者を相手に回して、鈴鹿がどういうモチベーションで立ち向かうのか。なんとなく、ヤス三浦ヤスが率いるチームにありがちな、「どこぞの団体の鉄砲玉じゃないんだから」っていうダーティーファイトになるんじゃないかと心配しつつキックオフを迎えました。実際、レフェリーがアレだったこともあり、しっかり荒れ気味になりましたよ。

 

 

□ポジショナルとポゼッション

カズ三浦カズだけでなく、それなりにプロ経験選手を集めている鈴鹿。元Jリーガーとしては、横浜FCにいた中里とか、FC東京の下部組織出身の平出、町田にいた遠藤、それから本田圭佑の同級生として有名な橋本などが先発出場しておりました。その一方でFWの北野純也とかは在籍の長い選手ですよね。ずいぶん前にも不祥事があったときに既に在籍していたような。

対する奈良はポジショナルサッカーですね。ちなみに当たり前ですがポゼッションサッカーとポジショナルサッカーは全く別物。見極め方としては、最終ラインで回しつつ、鬼パスの逃げ先とされたSBがアタフタしていたら、それはポジショナルサッカーです。奈良クラブのサッカーは、そういうスタイル。

 

奈良クラブが猛攻

もうね、初っ端から奈良クラブが決定力を見せつけてたのですよ。さっさと決めた先制点は、左サイドを完全に崩しきってからのクロスを決めたもの。パターン的にどう考えてもオフサイドなわけがないのですが、謎にオフサイドフラッグが上がる。さすがに主審とラインズが協議して、オフサイドは認定されず、ゴールが認められましたけれども。さらに奈良クラブは攻撃の手を緩めない。かなり雑な縦ポンに抜け出した22番が「大迫ハンパない」な変態トラップで収めて決めきると、さらに22番は逆サイドに流れて逆足ミドルも決める。前半だけで3ー0となりましま。

オーソドックスな442の鈴鹿も、オーソドックスな前半の戦いらしく、縦パス裏抜けを起点にサイドアタックをしかけていくのですが、攻め直しのバックパスをDFやボランチに戻したところで相手の前線の選手に奪われてしまう、みたいなシーンが続いて、なかなかリズムを作れない。なお、かなり早い時間帯にSBの26番を失いましたが、代わりに入った2番も良いオーバーラップを見せていたので、そこのダメージは最低限で済んだかもしれません。

 

□猛攻も崩しきれず

後半に入るとヤス三浦ヤスは魂の3枚替え。橋本や中里を下げたので、名より実を取って、要するに動ける選手を増やしたということかと思われます。それで思ったのですが、いろいろ技術や経験でカバーできるとはいえ、この灼熱の状況下だと、よっぽどコンディションが良いとか、若さが溢れてるとかないと、どうしてもキレが落ちる。逆にこういうシチュエーションの試合ではキレが落ちない選手をうまくピックアップすることが大切なんだろうなぁと思われた次第です。

そんなわけで後半は風向きの影響も若干あったかもしれませんが、打って変わって鈴鹿が奈良を押し込む。しかし、なかなかスコアを動かせないでいるうちに、22のクロスに18が合わせて奈良クラブがさらに突き放してしまいました。奈良クラブの22番、長島滉大って言うのですが、どうやらポルティモネンセに所属経験もあるらしく、はまったときの攻撃センスは素晴らしいですね。逆に鈴鹿は攻めても攻めてもゴールラインを揺らせない。シンプルに奈良クラブの守備力が鈴鹿の攻撃力を上回った、そういう試合だったと思います。