グルージャに漂う鹿島のDNA〜YS横浜vsいわてグルージャ盛岡(11/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□妙蓮寺!

若かりし頃、京王線で大学に通っていたのですが、18歳のワタクシが京王線ユーザーになってびっくりしたことの一つに、「高幡不動駅にはホントに高幡不動って寺があるんだ!」ってこと。吉祥寺駅前に吉祥寺があるわけではないのに(あるのかも)。ちなみに京王線は都営新宿線にも乗り入れるんですが、その行き先が「本八幡」。この「本八幡」は葛飾八幡宮を指すってことで良いのか?

今日は横浜に向かうにあたって、東横線だったのですが、知らなかったですねぇ、妙蓮寺駅の駅前にホントに妙蓮寺っていうお寺があるとは‼ しかも、ちょっとやそっとの駅前ではなく、超駅前。「駒場東大前」とか「明大前」とか言っても、それぞれのキャンパスまで数分は歩くわけですよ。それが妙蓮寺といったら、数分も歩かない。改札を出て、20歩もかからず境内に着く。いやぁ、ビビった、ビビった。

 

□互いに快調

それにしてもYS横浜の調子が良すぎる。日本サッカー界においてもヨーロピアンなサッカーが有効性を帯びるということを、結果で示してくれているリヒャルト監督。毎回繰り返しますが、モンスタークレーマー属性でさえなければ、マジ名将。予算規模が極端に小さく、それゆえ毎年毎年、主力級の選手を引き抜かれる中で、仮に降格制度があったとしても残留できる順位でフィニッシュさせる、立派です。…今シーズン終了後も、大城とか船橋とかンドカとか、そのあたりの中から一人くらいは個人昇格が発生するんだろうなぁ。

アウェイのグルージャは、とりあえず「盛岡」に「いわて」がくっついてから2〜3年ですかね。明治維新のときに「岩手県」ではなく「盛岡県」ってしておけば、こういうこともなかったのに。ともあれ、監督は「あの漢」こと秋田豊。「フットブレイン」か何かのテレビ番組での両者のやり取りを見てて、「“知性派の名波さん、インテリぶる脳筋な秋田さん”ってのが露呈してるな〜」って感じたことがあるのですが、今シーズンは名波さんが苦戦して秋田さんは絶好調、真逆のコントラストを示していますね。

 

□YS横浜の2トップとグルージャのセンターライン

この日のYS横浜はンドカ・チャールズがいない。コンディション不良か何かですかね?前節でカードをもらったわけではないようなので出場停止ではなさそうですけど、とにかくエースが欠場。ということもあって柳と菊谷の「やなきく」2トップ。学生時代よりNack5ヘビーリスナーのワタクシ、「やなきく」って響きを覚えています。女性二人組だったと思いますが、中身は忘れた。パーソナリティだったか、レポーターだったか。

他方、岩手ですが、中野雅臣はどうなった?調べてみると春先以降、全く出番がないみたいですが、ケガとかコンディション?それとも、箸にも棒にもってヤツ⁇ それはそうとして、なかなか引き締まったチームですね。最終ライン中央に経験豊富な牟田がいて、中盤には安心安全の脇本、そして前線にブレンネルと、センターラインが安定しているのが大きいように思います。そこに中村太亮とか和田昌士とか、職人揃いな印象。

 

グルージャが先手を取る

試合は第1回チキチキCKから点を取り合いましょう大会。まずはグルージャが先手を取ります。脇本のきれいなCKを牟田が合わせて、なんかワンクッションあって決まったゴール。追いかけるYS横浜も前半の終わりの方にCKから同点に追いつきます。なんかスクランブルが起きている中で、あれあれよと決まった感じ。得点者は宗近との公式発表。

コーナーで決められたらコーナーで決め返す、等倍返しだ!なわけですが、だったら改めて等倍返しをしようと前半のラストプレーで、和田が勝ち越しゴールを決めます。和田が決めたというより、女だらけの水泳大会ばりにGKがポロリした感じでしたけど、記録は和田のゴール。厳密にはFKからの流れだったんですけど、まあ、だいたいCKみたいな位置からだったんで、等倍返しってことで良いでしょう。てなわけで岩手リードでハーフタイムを迎えました。

 

□鹿島のDNAを植えつける秋田監督

基本的にグルージャは相手に攻めさせて、あまりボールを持たないサッカーなのですが、要所要所でクオリティを発揮する。相手の隙を突いて猛烈にクオリティを発揮する。後半開始早々、少しエアポケットになったYS横浜守備陣を完全に崩した上で和田がダメ押し弾。こういうところは秋田監督が鹿島のDNAを植え付けている。そしてそのまま相手に攻めさせるだけ攻めさせて、でも全く得点の気配を漂わせないまま試合をクローズ。こういうところも鹿島っぽい。

鹿島っぽさ話をもう一つ。この試合は前半から荒れ気味でした。普段よりはおとなしめだったとはいえ、監督が単体でキレ散らかすYS横浜に対して、秋田はベンチが団体芸として轟々とする。もはや劇団グルージャ。というのも、多分、彼ら、わざとみんなで声を揃えて轟々しているのですよ。

リヒャルト監督の薫陶を受けたYS横浜のプレーは相当ハードというかダーティ。グルージャの面々はいちいちそこにオーバーリアクションすることで、自分たちを“被害者”のように見せて、かつ、熱くなったフリして相手を挑発するのですよ、たぶん。挑発されているフリをして、実は自分たちが挑発している。そうやって相手の平常心(主に監督、いや、相手の監督はそもそも試合中に平常心でいる時間が1秒も存在しないから、わざわざ挑発する必要はないか)を奪って、まんまと術中に陥れていく、そんな戦い方だったと思います。

YS横浜としては「自分たちは散々ダーティでラフなプレーをしまくっておきながら、相手が少しでもハードにプレーしてきたら監督が第4審に切れ散らかす」という必勝法を封じられることとなったわけですが、こういう、この日のグルージャが見せつけた“自分たちの世界観に相手を引きずり込んで飲み込んでいく”っていう戦い方は、どことなく強かった頃の鹿島を想起させる。ライン際のキープや、何かあればバタバタ倒れるみたいなロスタイムの使い方も含めて、本家アントラーズが昔日の勢いを失う中、秋田グルージャがかつての風をひっそり守り抜いているといえるかもしれません。