怒るリヒャルト、消える有間〜YS横浜vs今治(9/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□オリンピック雑感

ワタクシ、テレビの場合、リアルタイムではなく録画して後日にサッカー中継を見ることが多い。平日にサッカーのための2時間って、なかなか確保できないですよね。って中で、先日ようやくオリンピックがワタクシ的には終了したのですよ。で、思ったのが、日本が敗れた試合でのメキシコとか、そのメキシコを蹴散らした試合でのブラジルとか、知らないうちになぜか各選手がフリーの位置にポシショニングしてますよね。そういうのってJリーグでは、あまりお見かけしない。

それから決勝で惜しくも敗れたスペイン。スペインは時代の最先端に抗うように、いまなお“攻め直す”という概念を固持したサッカーをする。そういう意味では日本のスタイルに近いのですが、大きな違いもあって、スペインってディフェンスまで下げて攻め直すにしても、ちゃんと各人がポシショニングを改めたり、しっかりサイドチェンジしたりして、必ず局面を変えている。Jリーグだと、「戻して、サイドチェンジするふりして同じサイドに出し直して、選手同士の位置関係もそのまま何も局面が変えられていない」っていう攻め直しが多いような気がする。「“止める蹴る”さえ上手くなれば強くなるに違いない」という呪縛から、そろそろ自由にならないといけないと思うのです。

 

□今夜がヤマダ

直近に三ツ沢に来たのは前々節なのですが、その際には岐阜に大敗したYS横浜。ただ、前節は上の順位にいる宮崎と引き分けたようなので大崩れにはなっていない模様。もし相模原や大宮が残留したら、来期も南関東のJ3はYS横浜だけなんで、ワタクシにとってはある種の希望の星なのです、頑張っとくれ。

そのYSの一つ下の順位にいるのが今治。岡ちゃんによる“メソッド”により順調にステップアップしてきた新興クラブ。今シーズンの愛媛FCの苦闘っぷりを見ていると、立場逆転の日もそう遠くはないのかなとも思われたのですが、そうは問屋が卸さないって感じですね。布啓一郎のプロクラブ監督としてのキャリアともども、まさに土俵際、今が乗り越え時です。

 

□ピッチ上の両チーム

この日のYS横浜は4バック。中盤はダイヤでしたね。今シーズンのYS横浜は3バックであっても、4バックであってもトップ下を置くシステムです。で、4バックの時はアンカーの土館がフォアリベロっぽくなる。ビルドアップでは必ず2CBの高さ、あるいはさらに後ろに構えて司令塔になる。

今治は対照的に超オーソドックスな442。そりゃ監督が布さんですからね、そうなります。しかも、基本はサイドアタック、もっと言えばSBにクロスを入れさせるサッカー。ただ、ボランチや2トップの片割れとのコンビネーションで崩すというより、ポシショニングで大外をフリーにする感じが岡田メソッドチック。右の駒野も良かったですけど、特に左SBの上原拓郎の存在感が光ってました。

 

□大荒れと大凪と

試合は前半から荒れます。厳密には主審は概ね妥当なジャッジをしていたので、両チームともにエキサイトって感じではなかったですが、早い時間帯に山本遼太郎が足裏を最初から最後まで見せ続けるタックルを思いっきりレイトに仕掛けたことでレッドカードを受けてから、YS横浜が一方的に大荒れ。いや、選手は落ち着いていた。リヒャルトが大荒れだったんですね。あれだけフォースに罵詈雑言を浴びせかけても処分は受けずに済むのかしら?だとしたら監督って審判に比べて完全防備で守られ過ぎているよなぁ。

後半になっても青い炎で火種はくすぶり続けていて、その火種が導火線と出会ってしまったのが、終盤に発生した船橋へのノーファール判定。直後にYS横浜は報復とも受け止めるハードチャージを仕掛けると、そこからは、もう大荒れ。クレーマーリヒャルトに対して元高校教師(=教育者)らしく感情をあらわにはしていなかった布さんも、ついにここで大声を出す。すなわち、「相手に付き合うな!いいから、いいから‼とにかく落ち着け‼」と。……スコアは大荒れどころか大凪の0ー0だったんですけどね。

 

□ありまこりゃま

まあ、モンスタークレーマー体質は一生直らない(本人に直す意思がなさそう)として、手腕については評価せざるを得ないリヒャルト。10人で戦った後半はシステムを432に固定し、相手左サイド(=上原)対策として(だと思う)と船橋を左SBに回した上でCBタイプの大城を右SBとして投入。そして、すっかりハードワーカーになったナンバー10の柳を右中盤に入れて相手左サイドに蓋をすると、一歩も引かずに勇戦してました。

数的優位の今治も後半開始とともにナンバー10の有間をFWとして投入したのだすが、なかなかのステルス属性なんですかね?なんか、消えてる。途中から左SHにスライドすると、持ち前のステルス属性で、「おっと残念だったな、上原だけと思ったら、もう一人いるんだぜ!」ってな感じでペナ角を取ったりしていたので、最初から左SHで起用しておけば良かったような。岡山を下げたことに加えて、彼をFWに入れて島村をスライドさせたことで、むしろ今治は後半になってリズムを失ってしまっていたような……。ともあれ、今治は「勝ち点2を失った」という試合になってしまいましたね。