おかげさまで、Eー1の全開催日参戦を果たしました。全試合を見ているわけではないですが。
■前半
まあ、いろいろとツッコミどころの多い試合でしたよね。例えば、エスコートキッズ。この大会の公式スポンサーということなんだと思われますが、エスコートキッズはスポンサード・バイ・au。auということでキッズのユニフォームがオレンジ色。サッカーのユニフォームでオレンジっていったら、そりゃ、大宮アルディージャですやん。アルディージャの親会社はNTT。auなのにNTTサッカー部状態ってのが、なんだか皮肉でツッコミを入れずにはいられない。
もちろん、ピッチの中にもツッコミどころはありまして、幸先良く先制したのですけれども、サイドからのクロス一発にピッタリとヘディングで合わされて同点とされました。ツッコミどころは対応にあたったSBの植田。中国戦では絶賛された植田のSBなのですが、確かに攻守において空中戦の強度も上がりますし、攻撃参加にも意外な才能が感じられました。でもね、やっぱりサイドでの守備での駆け引きとか、微妙なポジショニングとかには難があって、あんな簡単にクロスを上げさせちゃ厳しい。
とはいえ、それくらいのリスクは重々承知だったでしょう。プラマイ0と思えば責められない。植田に限らずチーム全体のプレーとしてより大きな問題がありました。それは守備から攻撃へのトランジション。せっかくマイボになりかけたところで、不用意にロストして大ピンチを迎えるの連続でしたよね。特に危なっかしかったのが、土居とか昌子とか。あるいは井手口も。ガンバと鹿島。どちらも直近の成績的にはウイニングメンタリティを欠いてしまっていて、おかしなことになってしまうのかな、なんて思ったりしましたが、そういうことではなささう。
というのも、その後、韓国に勝ち越されたときには、同じように、守備からマイボにしてのトランジションで、車屋が奪われて、ファールで止めてのフリーキックでしたからね。Jリーグチャンピオンも同じようなミスをする。要するにハリルホジッチの戦術だと、どうしても、こういう陥穽にはまりこむのですよ。「奪ったら、出来るだけ素早く狙いすました縦パスを出せ!」だから、ハッキリとクリアをするわけにもいかないですし、丁寧にバックパスを絡めつつマイボにしていくって作業も許されない。必然の自陣前バタバタなのです。
■後半
ちなみに皆さんご存知の通り、もう1点失ってハーフタイムです。これも淡白な対応からエアポケット的にPA内でスペースを与えてしまって、簡単に失点してしまいました。どうにもバイタルでの守備に粘りが感じられなかったですねえ。というか、基本的に韓国の得点って、全てカウンターから少ない手数でシュートまで持ち込んで、それを決めきったもの。どう考えても韓国のが方がハリルホジッチが指向するサッカーを実現できているじゃないですか。
対する日本は、正直、あまり良いところはなかった。せっかくボールを奪っても前線に運ぶグランダーのパスは韓国の出足の前に繋がらずカットされ、苦し紛れに大きくボールを蹴り出せば、ハイボールの競り合いに勝てない。となれば横パスとかパックパスを織り交ぜていきたいところですが、そもそもハリルはそういうサッカーを目指していないので、選手たちもショートパスを繋げるような距離感に配置してもらえてません。全く突破口を見つけ出せないまま駄目押しの4点目も奪われて、完敗となりました。
絶賛工事中でいつも以上に混雑する飛田給駅までの道をトボトボ(落ち込むほど代表に思い入れはないが)歩いて京王線に乗る。流石に決勝戦となった土曜日の日韓対決には35000人くらい集まったので混んでる。FC東京とかヴェルディサポじゃないので、みんな一目散に新宿を目指す。そういう代表的世界観に疲れてしまったワタクシとしては、調布→稲田堤→南武線と逃げ回り、溝の口に辿り着く。そして溝の口の地主とも言えそうな、玉井西口店で安く飲んで帰ったとさ。
ちなみに試合前には新宿の思い出横丁に行ってましたよ。なんせ、昭和の生まれですから、観光というより日常をあのエリアに感じるのです。で、Eー1の味スタ開催3試合の日は、必ず行きか帰りに立ち寄ってみた。まあ、こういう横丁ですから、必ずしも接客のレベルが安定しているわけではないですけどね、でも、楽しいことには楽しい。で、穴場というかなんというか、とりあえず確実に座れて、かつ、お腹が溜まる若月というラーメン屋に寄りました。ラーメンを頼んだはずが、何故か焼きそばが出てきたのですが、それを許せるユルさあってこその大人の社交場。むしろ、満足度が上がりました。
■日本代表に一言
□テーマ
・キングアマラオスタジアム
□内容
相手が韓国ということで選手紹介のときとかにブーイングせずにいられないスタンドの雰囲気になることは想定通りだったのですが、少し意外だったのは、イグノとかキムミヌとかチョンウヨンみたいな元Jリーガーや、チャンヒョンスやキムジンヒョンみたいな現役Jリーガーに対しても、その辺のメリハリは特にないんですね。同じように、味スタ開催であっても、室屋とか権田とか高萩とか三竿みたいな関係者への声援が大きくなるわけではない。
そんな、いつものJリーグ的世界観とは全く無関係な、ハレの異空間と化した味スタにおいて、唯一、日常的なケの要素を感じさせてくれたのが、バックスタンド2階中央に掲げられた「キングアマラオスタジアム」のダンマク。これが唯一のJリーグ的要素であるという現実を見ていると、このブログを始めた頃から、終結となる今に至るまで、日本サッカー界宿年の課題はまだまだ解決していないのだな、と痛感する。つまり代表に集う人々と国内リーグに集う人々が有機的に結合する構造が存在しないという課題。NPBの延長としてサムライさんたちがプレーする野球界には、なかなか追いつけそうにないです。