ガンバがフロンターレをトータルで上回った理由についてアレやコレや思案してみる【川崎vsガンバ】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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川崎フロンターレ 3 vs 2 ガンバ大阪ナビスコ準決 10月13日]

試合は序盤の8分に動きます。大久保がクロスに対してジャンプしないでヘディングシュートを狙い澄まし、テクニカルに放り込みました。「おっ、マジで決まった!」みたいな大久保本人の表情がなんともユーモラスでしたね。ガンバとしては川崎のアタッキングに対して受けに回ってしまった印象もあります。プロレス的と言いますか、「まずは相手の攻撃をひとしきりもらってから、対応策を考えていくか。。。」というような感じ。ゆえに川崎の時間になる。

 

 

川崎の攻撃を見ていると、「無駄走りが少ない」というところが特徴的といえそうです。頭を使って丁寧に丁寧にトライアングルを作ってパスコースを確保しておけば、「ひえ」とか「うぉ」とか走らないで済むという考え方。ゆっくりゆっくり攻めてくるものだから、逆にガンバとしては縦に速いカウンターで対抗していたのですが、時間の経過とともに、歩調を合わせるように、ガンバもゆっくり丁寧に攻めるようになる。そこからガンバは良くなった。

 

 

反撃の狼煙は阿部のゴール。川崎のお株を奪うような、バランスの良い配置から、パトリックがおしゃれなヒールキックでラストパスを出して、そこに阿部が走り込んだ、と。そして、すぐ直後にも阿部が続けざまにゴールを決めてガンバが勝ち越します。これは東口のゴールキックにパトリックがターゲットとしてフリックし、拾った宇佐美が相手DFを手玉にとってラストパス。1ゴール目同様に、走り込みながら阿部がシュートを突き刺しました。

 

 

それでもフロンターレは引き下がらない。レナトが蹴ったコーナーキックジェシが頭で合わせて叩き込みます。これはジェシの高さとレナトの精度を褒めるべきでしょう。ジェシの迫力が凄かった。これぞ助っ人という働きですね。レナトは後半に入ってからの3点目でも違いを見せてくれました。味方のフィードを超絶テクニックでマイボにすると、そこを起点に大久保とのコンビプレーが発動。最後は走り込んできた森谷が押し込む。ガンバの2点目と似た印象のゴールでした。

 

 

ただ、もう、これくらいの時間にはさすがにガンバも川崎の対処法を見いだしていた。2戦合計では43で勝っていますから、このまま逃げ切れば良い。そのためにはこれ以上の失点さえしなければ良い。では、そのためにはどうするか。端的に述べるならば“守備時に食らいつかない”ということでしょうか。川崎は「いかに相手のバランスを崩すか」というところで勝負していますからね、守備陣の総合力に優れている場合、「ブロックを構えて崩さない」ってことにしてしまえばどうにかなる(それが難しいんでしょうけど)。そして川崎は、ある意味、精密機械のように一本調子ですから、相手が精緻なブロックを築いたとき、パルプンテ的にそれを崩すってことができない。ってなわけで、ガンバが逃げ切りました。

 

 

さて、この試合は、Jリーグ草創期を支えた個性派選手が、個性派監督となってぶつかりあった一戦だったのですが、ボランチ出身の風間さんは、よく知られているとおり、「正しいポゼッションと正しい止める蹴るがあれば攻守にわたって破綻が生じないから必然的に勝利する」という論理でチームを作っています。いわば、攻撃からのチーム作り。一方の長谷川さんは清水時代もガンバでも、FW出身の監督は往々にしてそうなるんですけど、守備からチームを構築していますよね。そういう意味では対照的な両チム。

 

 

その明暗を分けたのは、元代表組のコンディションですかね。この90分だけ見れば敗れたガンバですけど、それでも遠藤と今野のコンディションが良いであろうことは、容易に伝わってきました。「クラブに専念できると、今でもこれだけのキレと運動量があるのか!」と。やはり30歳を越えると代表とクラブの両立は体力的に厳しいんでしょうね。リベリーとかラームとかが、技術的には余裕で通用するのに代表からの引退を宣言するのも、1つの合理的判断だなぁと再認識しました。