前田監督辞任の必然についてアレやコレや納得してみる【湯郷vsINAC】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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湯郷ベル 1 vs 0 INAC神戸レオノッサ[なでしこリーグ 10月13日]

キックオフとともにINACが猛攻を仕掛けました。完全にお尻に火がついているINACとしてはとにかく攻めるしかないわけで、川澄のスペースを縫うドリブル、高瀬の豪快な直線的ドリブル、田中陽子のサイドライン際のドリブルで湯郷ゴールを脅かします。・・・ドリブルばっかやん。ただ、台風が迫り来るタイミングでの試合。天候は豪雨、ピッチには水溜まり。両チームともにボールコントロールに苦労して、なかなかリズムを作り出せません。

 

 

それでも川澄のクロスに高瀬がつぶれて、こぼれ球を田中陽子が思いっきりシュートミスしたあたりから、少しずつINACのパスが繋がり出す。南山から川澄を経由してゴーベルが走り込むも、宮間がスライディングで防ぐみたいなシーンもあったりして。そんなこんなで前半の戦いは終わっていったのですが、後半になるや、ゲームが動く。湯郷の浅野が右サイドを攻略すると、あとは触るだけってなクロスに送り、松岡が海堀と交錯しかけながらも触ってネットを揺らす。湯郷が先制。

 

 

追いかけるINACですが、前半に比べると、相手の運動量も落ちてきますし、そもそもの技術レベルが高いので、さすがにポゼッションが向上する。しかしですね、「これが繋がれば局面を打開できる!」ってパスが悉く繋がらないのですね。パスの中でも特に肝心な類いのパスが繋がらない。電車の中で携帯をいじっていて、乗り換える直前にサイトで時刻表を調べようとしたら、そのときだけ電波が3Gと4Gの間で迷子になって繋がらないまま駅に着いちゃった、みたいな。

 

 

それでもINACはそれなりに決定的なチャンスを作る。左サイドバックの渡辺がライン際をドリブルで突破して放ったミドルシュートが湯郷ゴールをかすめたり、湯郷守備陣がボールのクリアにもたついている中で川澄がボールカットし、そのクロスから田中陽子ペナルティエリアに侵入してポスト直撃のシュートを撃ったりと。でも、不思議と得点の臭いがしない。というかチャンスに必然感のようなもの、あるいは小気味よさが伝わってこないのです。

 

 

終盤には仲田歩夢が登場。夏に西が丘でベレーザvsINACをスタジアム観戦したときは、スタンドから遠いサイドだったのでよく見えませんでしたが、テレビ中継だからご尊顔を拝見できました。相変わらず可愛い。でも、その歩夢さん、コーナーキックの時に、どこにポジショニングして良いかわからず右往左往している。最終的に川澄だったか澤だったかが声をかけてエリア内に入っていったのですが、「せめて、それくらいの約束事は監督さんが決めておいてあげなさいよ!」と言いたくなったのはワタクシだけでしょうか?

 

 

というわけでINACの今シーズンの冴えなさ加減を遺憾なく発揮した試合だったわけですが、この中継の解説は元なでしこキャプテンの宮本さん。アナさんが恐る恐る「今シーズンのINACは苦戦してますね」って話を振ると、人格者の宮本さんは持ち前のソフトで母性を感じさせる語り口にて、「いろいろできる選手が揃っているから逆に迷いが出てしまっているんぽかもしれませんね」とか、「でも前の試合とかは負けはしましたが、少しずつコンビネーションの熟成を感じさせてくれるようになってますので」といった感じで返す。「要因は監督です!」とは言わない。人格者ですから。サッカー中継で解説者が本音を語るほど場をしらけさせることことはないですからね。そこは社会人です、宮本さん・

 

 

それにしてもINACは厳しい。例えば、この試合でイーブンのセカンドボールは、ほとんど湯郷が制していた。いつも思うのですが、セカンドボールの回収力って、練習の賜物なんですかね? それとも単に運の問題としかいいようのない性質のものなのか。仮に運の問題としても、運をたぐり寄せる(リズムの良い時間帯を自覚的に活用する)のも実力のうちでしょうから、やっぱり、根本的な部分で適切な「勝利からの逆算」ができていないように思います。