なんだか最近、MXとかで妙にFC東京の試合を見ることが多かったので、少し、感想めいたことを。
□フィッカデンティのチーム作り
今年のFC東京について、さしあたり特筆すべきは、なんといっても、フィッカデンティ新監督就任によるサッカーの質の変化でしょう。イタリア人指揮官に率いられたチームは、去年までの「繋ぎ倒すサッカー」から劇的な変容を遂げています。その最たいるものがシュートへの意識かと思われます。ボールを奪ったら、とにかく、最小の手数でシュートまで持って行く。「攻め直す」という選択肢を「良し」とはしない。就任当初のザッケローニが目指していたスタイルですね。
つまりは、「カルチョの国のサッカー」を高いレベルで実践しているわけですが、それは、リードをしている試合でのゲームコントロールに顕著です。中断期間以降のFC東京は、リードを奪うやいなや、即座に「点を取られないパス回し」というものを発動させる。「1点のリードがあれば十分」と言わんばかりに、試合をクローズさせていく。こういう、ふてぶてしい逃げ切りというのは日本人が不得意とする分野なので、是非とも植え付けていってもらいたいところです。
また、フィッカデンティさんは、モチベーターでもあるんじゃないかと思います。例えば、清水戦をMXで見ていたところ、久しぶりにエドゥーがゴールを決めました。それまでも、実力の片鱗は示していたものの、なかなかゴールに恵まれなかったエドゥーに対し、フィッカデンティさん、付きっきりでシュート練習を見守ったとか。で、すぐに成果が出たわけですが、たぶん、いまさら技術的なアドバイスを送ったということではないでしょう。おそらく、ただただ誉めただけなんじゃないですかね。「君ならできる!」と。
□注目の選手たち
そんなフィッカデンティの人身掌握術に覚醒したのが河野広貴でしょう。いかにもヴェルディユース出身らしく、「技術は凄いけど、精神面がね・・・」という選手だったのですが、今シーズンは天才が天才として輝いてますよね。その背景には、監督の期待に応えようという精神面の充実と、もう一つ、誤解を恐れず極論すれば「7人で守って、3人で攻める」という、攻守分業サッカーの恩恵もあるのかもしれません。攻撃の場面では、ある程度、個人技を生かしていこうとするスタイルとの相性が良いのではないでしょうか。
ちなみに河野、前々から、「顔が誰かに似ているな?」と思っていたのですが、わかりました、はんにゃの川島に似ているのです。「ずくだんずんぶんぐん」で一世を風靡したことになっている、あの人の相方さんですね。あの川島をシャープした感じ。逆にいうと、「川島に似ている=太りやすい」という可能性もあるわけで(顔が似ていること以外の根拠はいっさいないですけどね)、引退して以降、今から20年後くらいが心配でなりません。
それから8月から9月にかけてのMX中継では、梶山の登場に放送室が胸をときめかせていましたね。梶山待望論。なんといっても東京の10番。ここ10年弱のFC東京は、彼のチームであったといって過言でない。もっとも、神戸戦なんかはワタクシもスタジアム観戦しましたが、スタンドとしては応援(チャント)の流れとの兼ね合いがありますから、タイミングがズレれば、なかなか「梶山が出てきた!」感は出せない。そういうところも、スタジアム観戦の醍醐味だなと、再確認した昨今でありました。