アジア大会における、なでしこジャパンの周辺をウロウロ振り返る

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惜しくも準優勝に終わったアジア大会。この大会は地上波でも多くの試合が放映されましたので、それらを通じて感じたいろいろを書きます、の後半。

□宮間について

まぁ、結局、4年前と現在の相違は“絶対的存在が澤から宮間に変化しただけ”なんて野暮ったい表現も可能になろうかと思うのですが、ともあれ、いまや、なでしこジャパンは宮間のワンマンチーム化が進行しているわけです。が、その割には、あまり生かし切れていないかも。宮間の良さを数えだしたらキリがないとはいえ、その最大のものは、「ワンタッチで最終ライン裏に精度の高い縦パスを放り込めること」、これに尽きると思うのです。

 

 

そのストロングポイントは、相手最終ラインのブロックが維持されている前半においては生かしづらい。ゆえに、前半における前線の選手には、こまめに動き直したりするなどして、相手の最終ラインに揺さぶりをかけること、あるいは引きつけて下がるなどして、相手守備陣をおびき寄せるなどの動きが期待される。となると、今大会の基本となった「高瀬・増矢」というペアは正解だったのか。そういう動きならば吉良の方が得意っぽく見受けられたのですが、どんなものでしょう。

 

 

いずれにせよ、前エントリーでは阪口の存在感がハンパないってことを述べたのですが、宮間の存在感は、そんなレベルではない。なんなんですかね、あの余裕と風格と落ち着き。なんか、スカートがまくれてパンチラしても平然としてそう。すっかり、なでしこの支柱。ホント、佐々木さんが澤から宮間へとキャプテンを継承させたタイミングは絶妙でした。そうなると、次に心配になるのは、ポスト宮間。さしあたり、熊谷紗希あたりですかね。

 

 

□高瀬について

 

もう1人、ここで取り上げたいのは高瀬愛実。このチームの屋台骨となるべき(つまり、なりきれていない)選手です。この選手、微妙に猫背ですよね。特にドリブルしているときのフォームが猫背。しかも、イメージと違って、そこまでCFらしいCFではない。むしろサイドに流れるのが好き。高さとか強さよりも突破力とか推進力をいかすプレーを好む印象があります。要するに、永井謙祐に近いのではないかと思われるわけですよ。猫背も共通してますし。

 

 

で、この大会、特に中国戦や北朝鮮戦で感じたのは、やっぱり大儀見って偉大だなぁということ。先にも述べたように、結局、高瀬って“大型ストライカー”ではありますが、“ポストプレーヤー”ではないんですよね。それに対し、少なくとも近年の大儀見は、屈強なDFを背負っても、ボールを収められてしまう。そこで収まるから、“なでしこらしいパスワーク”も発動する。アジア連覇を逃した直接的な要因は、そこ。ポストプレーヤーの不在だったように思います。

 

 

ただ、FWに関して、新発見がなかったわけでもない。今後も使われるかどうかは微妙ですけど、新たなオプションとして「高瀬と菅澤のツインタワー」ってのが開拓されましたよね。北朝鮮戦の終盤ですけど、サイドアタック(というか、アーリークロス)と縦の放り込み大作戦になっていた。なでしこの哲学からすれば、あまり積極的に磨き上げたくはないかもしれませんが、間違いなくオプションとしては必要になるでしょうから、今後も生かして欲しいところです。