2018年の開幕。
■前半
ゼロックスなんで、あくまでリーグ戦とは別物。というわけで、スタジアムはお祭り感で包まれる。埼スタメインスタンド中央のエスカレーターを登っていると、エントランスのフリースペースで、なんだか立食パーティーをやっている。よりによってカレーの匂いがかぐわしい。そりゃもう、プルジョワジーな皆様が優雅にシャンパンを煽っているに違いないわけで、きっとカレーの匂いも、単なるカレーでなく、金粉とかがかかったカレーだったのではあるまいか。
そんな貴族のお遊びを傍目にスタンドの座席に着く。中立池開催とはいえ、関東のチームと関西のチームが埼玉で合間見えるのだから、必然的にフロンターレのゴール裏の方がホーム感を醸し出す。悲願のタイトルを獲得しての出場だけに、チャンピオンチームとしての自負を大きな一つ星のコレオに表現していたりする。シンプルで良かったですね。その星の上にさらに画像を重ねるという演出も、狙い過ぎにならず、ちょうどいい雰囲気。
さて、試合の構図。キックオフ直後にイニシアチブを握ったのは、セレッソ。なんせ、このチームにはアイコンともいえるジーニアスがいる。今年はFWで起用されるらしく、天才的なトラップ技術を駆使して、カウンターの起点となる。一気に局面を作り出してチョンソンリョンを脅かす。ヒールパスとかも使いまくり。尤も、セレッソでヒールパスをしていたのは8番だけにあらず、7番も9番も10番も、挙げ句の果てには6番もヒールパス。往年の野洲高校かと。
そんなわけで、初っ端はセレッソに圧倒されたフロンターレに追い風が吹き出したのは、エリア内の接触でチョンソンリョンが倒れて、息が入ったことによる。少しのインターバルがあって、チョンソンリョンが大きく蹴り出してから、川崎がセレッソゴール前でプレーするようになる。もちろん、その中心にいるのは中村憲剛、そして家長昭博。14番と41番。14と41。1441。もはや、それは嘉吉の乱。高校生の頃、日本史の授業で習った遠い記憶が蘇る。
■後半
山口のコントロールショットが決まり、セレッソが1点リードを奪ってハーフタイムに。この時のセレッソのコンビネーションは素晴らしかった。自陣ゴール前から長短のパスを如才なく繋げて、完璧な形からの完璧なシュート。これまた野洲が優勝した試合の決勝ゴールみたい。そんな余韻が漂うハーフタイムには、ゼロックス名物のマスコットコンテスト。マスコットにはあまり興味はないけれど、司会のサトミキちゃんには興味津々。名誉マネージャー就任、おめでとうございます。
そうやってハーフタイムが明けると、後半開始早々にセレッソが突き放す。カウンターから抜け出した清武が美しく決める。というか対応した川崎DFのプレーに、やや慎重さを欠いた。ルヴァンカップ決勝の先制ゴールを想起させる。なのだが、清武に限って言えば、この日は良い日だったのか、悪い日だったのかが、紙一重な日。ゴールも決めたしスタッツも素晴らしかった一方で、実質、フレンドリーマッチであるにもかかわらず、イエローカードを貰っちゃったりして。そして、脳しんとうまではいかないまでもな途中交代になっちゃったりして。