全てはPKに始まった?〜横浜FMvsサンフレッチェ広島(8/1)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

今シーズンはマリノス戦の観戦も多いですね。ポステコグルー監督が率いるようになった初年。ここまでの成績を、どのように評価すべきか。合格か及第以下かと問われれば、だいぶ微妙なところ。「数字的には良いのか悪いのか判断が難しいし、やっているサッカーについても賛否両論なんだろうけど、それなりにちゃんとチームビルディングはしているらしい」という意味では前任者のモンバルエツと共通するような。

対するサンフレッチェは、ひたすら快進撃。わずかに足踏み感が漂ってきつつはありますが、記録的なペースで勝ち点を積み重ねまくっている。毀誉褒貶もなくはない城福さんですけど、地方のクラブを率いると俄然、本領を発揮するらしい。というよりも、FC東京時代は、フロントを含めたバックアップ体制というか、そういうところが城福さんのポテンシャル全開を妨げていたのではないかと邪推をしてみたり。とりあえず、川辺には腐ることなく精進してくれということで。

 

■前半

 

この日は19時30分キックオフということで、横浜駅に18時頃到着。そうなんですよ、平日開催だからということか、三ツ沢だったんですよ。で、軽く夕食を食べてしまおうと思いまして、吉村家に初めて行ってみた。都内近郊の独身男子にはお馴染みの“家系ラーメン”の元祖であり総本山なのが吉村家。それにしてもここ2〜3年における家系の乱立は恐ろしいですね。某大学の近辺には徒歩圏内だけで家系ラーメン屋が5軒くらいあるらしいぞ。

三ツ沢でサッカーを見るときは岡野町からバスに乗るので、これまでも、訪問するチャンスはいくらでもあったのですが、なんだかんだでファーストコンタクト。寸胴で一度に茹でられる最大量の席数が空くまで客を外で待たせるシステムに、やや面食らう。ワタクシも年々クレーマー気質が高まってしまっているのか、こういう“ホスピタリティは二の次です”という商売スタンスがあまり好きではないので、味自体は美味しかったものの、そのあたりも含めたプラマイ判断が難しいところ。多分、再訪はない。ってな複雑な思いを抱えて三ツ沢到着。そしてキックオフ。

 

なんだかんだ言って、それなりにチーム作りが進捗しているマリノス。それはビルドアップに顕著で、特にレフティトライアングルの中盤支配力には目を見張るものがありました。レフティトライアングルとはすなわちアンカーの扇原、左インサイドの天野、左SBでニセボランチ的なポジショニングもする山中の3人。なかでも扇原は、いよいよ覚醒というか、このまま大器晩成して欲しいと思わせる機能っぷりです。

一方、首位の広島について、そのキーワードは“ハイインテンシティ”でしょうか。ミソは“ハードワーク”ではないところ。一時期、日本サッカー界を席巻した、“90分間、オールコートプレスをかけ続ける”といった、非現実的な特攻隊サッカーではなく、メリハリを利かせて、“行くべきところは行き切る”というスタイル。そして、攻撃では、必ずシュートで終わる。パトリックの突進力やパワーも、あくまで“シュートで終わる”の一部といった印象を持ちました。

 

■後半

試合は前半からスコアも含めてハイテンション。後述するPKと、後半開始早々にはセットプレーから、ともにパトリックが決めて広島が先手を打つと、さらには綺麗なカウンターから渡が決めて突き放す。どうやらJ1としてはリーグ戦初ゴールだったらしく、広島ベンチのボルテージは最高潮。逃げ切りモードに入った城福監督は、その渡に替えてティーラシンを投入。ティーラシン、アジア人なのでフィジカルは微妙なのかと思いきや、カウンターの起点としても相当に有能。

合理的な城福采配に対し、ポステコグルー采配は博打的にならざるをえず、実質的にノーボランチ状態で追い上げを図りますが、前掛かりになったところで千葉のダメ押しゴール。そこからはむしろ広島がボールをコントロールして横浜の反撃を伊藤のヘディングだけに押さえて、悠々と逃げきりました。いやいやいや、広島、強いぞ。

 

この試合で、最も印象的だったのは、広島先制点となるPK。まず、PKの理由となった仲川(だったと思う)のハンドは、ワールドカップだったら、いかにもVAR案件になりそう。主審がPKをとったとするなら、「故意かどうか」をVARで確認するでしょうし、流したら流したで「腕にあたっているかどうか」を確認してそう。て、そうやってPKとなったキックをキャプテンの青山が蹴ったのも興味深い。ワタクシ個人としては、PKの責任はキャプテンマークを巻いた選手が負うべきだと、勝手に考えているものでして。

でも、やっぱりPKはストライカーが蹴った方が良いような気もして、案の定、と言えば青山に失礼ですが、キック失敗! でも、それに対して八木あかね(おっさん)がキーパーの反則を取る。ハンドがVAR案件だとすれば、こっちは天皇杯案件。PKなんつーのは、まあ、PKに限らないですが、そんな几帳面に教則本厳守しても、結果的に“最大多数の最大幸福”、この場合は“最大多数の最大満足”と表現すべきでしょうか、そういうところと一致しないのですよ。家に帰って映像を見たら、それはそれは見事なほどに飯倉の動きはファールでしたけど。そんなこんなで、サッカーのいろんな“リアリティ”を感じさせるPKでございましたとさ。

 

 

4年後の遠藤航〜浦和レッズvs名古屋グランパス(7/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ホッカーから決別してオリベイラ新体制で中断期間に入った浦和。鹿島時代はそれなりに結果を出しましたが、(一部の)鹿島サポは石井さんや昨シーズンの大岩さんの勝率でも「ダメ監督」呼ばわりしてましたから、オズさんに対してもさほど高い評価をしているわけではなさそう。たぶん(一部の)鹿島サポの場合、モウリーニョであろうとがベップであろうと、勝率100%であろうと、「求めているものと違う!」って言いそうなんですが(一部にこういうサポがいるのは鹿島に限らない気もする)、ともあれ、浦和の監督になってからも、少ない試合数ではそういう雑音を封じ込めるほどの手腕を、未だ発揮できてはおらず、真価は今後、問われるでしょう。

対する風間さんは、もっとお気の毒。とにかく「風間イズム絶対許さないマン」がたくさんいて、彼らの手にかかれば、「川崎優勝の礎なんて誰でも作れるから風間さんの功績ではないし、自信満々に哲学を語りながら、圧倒的な結果を出せてない以上、(我々外野は)どんだけ罵詈雑言をぶつけても許容されるに決まってる」みたいなことになってる。・・・サッカーの監督なんて、なるもんじゃないっすね。。。

 

■前半

 

お気楽給料泥棒として、まあ、仕事上の所用のついでと言い張れるっちゃ言い張れるので、昼下がりには大宮とかに行ったわけです。もちろん直帰、というか直埼スタ。キックオフが19時30分ということで時間的余裕もあったので、「まー、17時過ぎりゃ問題ないっしょ!」という謎のマイルールを発動させ、大宮駅東口の「酒蔵 力」へと突撃。大宮って、アルディージャ戦の時くらいしか来ないし、そういう時は混雑してるし、なかなか足が向かなかったのですが、この日のサッカーは埼スタだし、「行ける!」と思い、邁進してみた。美味しかっですよ。看板と思われるモツ煮は言うに及ばず、特に軟骨ミンチみたいな串焼きがメッチャ旨かった。加えて、メンチカツがボリューミーで満足度抜群。名店です。あとは、店のカラーとしてある“輩(やから)感”が好きか嫌いかって話でしょうか。ワタクシ的には得意じゃないですけど、嫌いでもないです。というわけで、ほろ酔いで埼スタへ。

 

さて、オズ流レッズ。システムは3421なのですが、言っても王国のベテラン監督。どちらかというと守旧派らしく、思いっきりブラジルの香りがするサッカー。基本的にはがっつかない。前半はじっくりゆっくりと相手の様子を見ながら隙を探っていく。低い位置で、ややもすればチンタラしているようにも見えるボール回しから、一撃のチャンスを見つけ出せば、突如として蜂の一刺しで襲いかかるような感じ。

対する名古屋は、風間さんのサッカーですからね、パスを回します。“止める”“蹴る”を大切にする。そこは悪くなかった。ただ、どうにも距離感が歪というか、ボールを握っているときのバランスが悪い。そうして行き詰まるとシャビエルが自由に動き回ってコースを作ろうとするのですが、それが逆にポジショニングの混乱に拍車をかけているように見えなくもない。なかなか風間サッカーは一朝一夕ではね、という印象。

 

■後半

とはいえ、試合は前半のうちから動く。もう、これは風間さんが監督をやっている限りどうしてもついてまわるのですが、名古屋はセットプレーに弱い。もはやそれはデフォルト。だからコーナーキックから遠藤がヘディングを突き刺したりする。一方の浦和もブラジル流のリトリートディフェンスだから、ついつい全員がボールウォッチャーになる瞬間ができてしまう。そこをシャビエルに突かれて、ミドルシュートで同点となってハーフタイムを迎えました。

そして、後半。後半になっても、風間さんが監督をやっている限り、名古屋はセットプレーに弱い。もはやそれはデフォルト。だからコーナーキックから槙野がヘディングを突き刺したりするし、リードを奪われても風間さんが監督をやっている限り、名古屋はセットプレーに弱い。もはやそれはデフォルト。だからコーナーキックから再び遠藤がヘディングを突き刺したりする。

 

ほぼ全く同じ形からCBが3ゴールを奪った浦和が制した中断明け初戦。MVPは遠藤航でしょう。さほど異論は多くないのではなかろうか。数少ないリオ世代としてワールドカップに臨みましたが1秒たりとも出番を与えられず。そりゃあ悔しかったでしょう。その口惜しさ、4年後への想いをぶつけるような大活躍。同じくゴールを決めた槙野も、一人のプレーヤーとして忸怩たる思いを抱えているはずです。そして、その悔しさの1つ1つが日本サッカーを強くしていく。

この日の遠藤は鬼神のようでした。ブラジル流オズサッカーですが、システムとしてはミシャ時代への先祖返りも見られて、特に後半は攻撃のときにWボランチが2人とも最終ラインに落ちて、「5ー0ー5」っぽくなる。最終ラインの人数は足りているので、CBの攻撃参加も自由が許されているらしく、槇野と遠藤の左右のCBは、ここぞというときには思い切った攻め上がりを見せていたのですが、中でも遠藤の攻撃参加は、本当に素晴らしかった。湘南スタイルの遺伝子が本領を発揮していた。こういうのを見ると、3バックも捨てがたいと改めて感じました。

 

 

そんなにWボランチが嫌いですか?〜ジェフ市原千葉vsツエーゲン金沢(7/15)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

なんだかんだで、今シーズンは4試合目の観戦となります、ジェフ。去年の法則でいけば、そろそろ結果にコミットせんとエスナイデルにより導入されたダイエット効果があらわれてくる頃合い。・・・まあ、ハリルさんもそうですけど、そもそも体脂肪率云々を言い出す外国人監督に対してワタクシは懐疑的なんですけどね。「白人の基準をそのまま、非白人社会にも持ち込めば、そいつらは幸せになる」ってのが、19世紀列強の植民地支配根性と同じなので。

対する金沢は、「ちゃんとチームとしてやってくれる」という点では、この上なく信頼と実績なヤンツーさんが率いている。印象としては、“厳しい部活の先生”って感じ。特待生をバンバン呼ぶ私立高校には敵わないけど、「勉強よりは部活」って面々が集まってくる公立の工業高校を県大会のベスト4まで導く、みたいな監督さんですよね。『スラムダンク』で言えば、魚住を育てて小暮君を甘く見てしまった、あの監督さんのイメージ。

 

■前半

この日も午前中から門前仲町を徘徊しておりました。で、いわゆる“ブランチ”な時間帯に「モンズカフェ」というコーヒー屋さんに入ったのですが、混んでましたねえ。深川不動堂の門前にあって、何度も店前を通ったこともあるので、雰囲気は知っていたはずが、こういう時間こそ混雑するのね、と。そして、そこに集いしは、ズバリ、“門仲マダム”! やっぱり、いろいろと余裕が出来つつある40〜50代のお姉さま方は、土日祝日の午前10時とかにオシャレカフェに集うのですよ。

モーニングを済ませて、江東区を散策する。最近、発見したのですが、ビールって、サーモスとかの水筒で持ち歩いて飲んでも美味しい。ゆえに、家を出るとき予めボトルにビールを仕込んでおき、公園とかでバレないように飲む都度、コンビニとかで新しいのを仕込めば、ウキウキヘベレケウォーキングになるわけですよ。たぶん、あの時、清澄白河庭園で飲んでいた水筒の中身がまさかビールだと気づいた観光客とかインバウンドとかはおるまい!ってわけで、京葉線蘇我に行ってキックオフ‼

 

金沢のサッカーは、うん、予想通り。行儀が良いです。F1用語(?)で言うところの“アウトインアウト”が目立ちます。サイドバックからボランチに入れて、ボランチがサイドに展開してクロスを狙う。そして、相手の対応を上回るために多用されるのが“ワンツー”。いやはや、高校サッカーですよ。基本のキを徹底的に追求します。西友もビックリです。ウォルマートもそうそう売却できない。こういう、未来につながるというか、「貯金を食い潰す」のではなく、「少しずつでもチームに貯金を蓄えていく」指導スタイル、猛烈リスペクトです。

対するジェフは3バックなのですが、それはシステムの噛み合わせ等々を考えて数的優位を作ろうとしての措置ではなさそう。システムによって数的優位を作るのではなく、デュエルを制して有利な状況を作り出そうというスタイル。ってことなのに、サイドアタック志向な基礎重視サッカーの金沢に対して、構造的にサイドで数的不利になる3バックで臨むとは…。自殺行為ですよ、もはや。WB1人で相手SBとSHの2人をまとめてデュエルで制せよ!とでも⁇

 

■後半

そんな、素人のワタクシにでもわかるミスマッチを定石通りに突いて、金沢が先制します。ジェフはキッチリとWB裏を自由に使われて宮崎に押し込まれてしまいました。たまらずエスナイデルさんは、山本を投入してシステムを「44+船山・ラリベイ」に(4231なのか442なのかは不明)。これを契機に状況は劇的に一変。完全なるジェフのワンサイドゲームとなり、セットプレーからラリベイが決めて、前半のうちに追いつくと、後半になると問答無用のセットプレーでエベルトが突き放し、問答無用のセットプレーで増嶋がさらに突き放す。この時点で金沢の攻め手はほとんど無かったので、このまま試合終了の笛を待つだけ、だったはず。はずなのですが、オウンゴールマラニョンのゴールとPKで、なんとなんと、金沢が大どんでん返ししてしまいました。

 

つうか、こればっかしは監督の采配ミスでしょう。リードしてからも「4ー4(+船山・ラリベイ)」でやっている時間帯はほぼ完璧なハーフコート状態だったわけですよ。にもかかわらずエスナイデルさん、なぜがサリナースを入れてシステムを433にしてしまった。で、案の定、インサイドハーフ脇にスペースが出来て、金沢にとっての起点が出来てしまった。試合の風向きが変わったのには、明確な論理的契機があったわけで、だったら、サリナースをサイドに出してWボランチに戻せば良かっただけの話。しかし、エスナイデルさんは、そういうことはしない。エベルトに代えて近藤を投入することで、「風向きの変化は個人の問題である(だから人を入れ替えてテコ入れすれば解決するはずだ)」ということにしてしまった。勿論、個人の入れ替えで構造的問題が解決するはずもなく、大逆転を許してしまったわけでございます。・・・この監督さんの「4ー4」嫌いは、いくらなんでも度を越えちゃいないですかね⁇

 

 

 

違和感!〜ジェフ市原千葉vsヴィッセル神戸(7/11)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

吉田麻也が「これじゃ、槙野、死んじゃうよ!」みたいなツイートしたらしいですね。日本代表がワールドカップから帰国して、2〜3日しかオフを取れないまま、槙野は練習に合流したんだそうだ。吉田は「頼むよ、Jリーグ!」とぼかした表現してますが、オリベイラがドSなんですかね。そもそも天皇杯だし。Jリーグは関係ないやね。なんにせよ中断明け初戦が天皇杯なんで、今ひとつメンバーを落としてくるのかフルで来るのかがわからない。ヴィッセルで言えば、まあ、イニエスタが出てこないのは許そう。ワールドカップでも主力に近い扱いで出場していましたし、そもそも登録の関係で出れないし。でもね、ポ、ポルディは??なんでおらへんの?スタメン表にポルディの名前があらへん。ベンチにも入ってへん。完全にやる気ないやん。ビジネスフォーストのミキティはACLとか興味ないのかねぇ?

 

■前半

 

極楽お気楽月給泥棒のワタクシとしても、そうそういっつもいっつも「サッカーがあるんで、平日ですけど職場に行きません!」ってわけにはいかないらしく、15時30分くらいまでは職場でゴロゴロしていたのですが、気がつけば16時過ぎには門前仲町にいたりする。そして、深川不動堂への参道沿いにある「招き屋ディデアン」という店で薬膳カレーなんぞを食べていたりする。そこから逆算していたので、お昼はおにぎり1つで我慢していたりました。カレーは薬膳なんで、まあ、好き好きなんでしょうけど、セットでくっついてきたケフィアが濃厚だった。味は好き好きなんでしょうけど。

で、例によって越中島まで歩いて京葉線に乗る。時間帯的にやや混雑気味で、そのやや混雑が終点蘇我まで続く。蘇我で多くの乗客が乗り換えではなく下車。「もしや、この人々がみんなフクアリに雪崩れ込んでいくのでは?」とか心配しましたが、なんというか、蘇我に住んでいる人がたくさんいることを再認識したというか、なんというか。なんてことをサマラナで買った生ビールを飲みながら考えているうちにキックオフとなりました。

 

ジェフのスターティングラインナップを眺めると、「ラリベイ」「ホルヘ・サリーナス」「エベルト」「ゲリア」「熊谷アンドリュー」とカタカナが5人もいる。で、この中のアジア枠が誰かと思ったら、まさかのゲリア。見た目的には「エベルトあたりがオージーなのかなぁ」と思ったのですが、当たり前のことながら、オーストラリアもいろんなルーツの人々が1つのネーションを形成しているのだなぁ、と。

対する神戸はポルディの位置にそのまま安井が入っている感じ。安井は守備時には4ー4ラインアから外れるので、まあ、FW。で両SHがCFタイプの渡邉千真と大槻なんで、実質4トップなシステム。「とりあえず、早めにクロスを上げろ!そうしてら4トップの誰かがエリア内にいるから‼」みたいなサッカー。

 

■後半

一見、雑で乱暴な神戸のサッカーですが、合理性には満ち溢れているらしい。序盤は互角、といか、むしろジェフにイニシアチブがあるようにさえ見えたんですけどねぇ。為田が獲得したPKをラリベイが失敗したあたりで風向きが変わりました。うっかり目をそらしているうちに神戸の安井が先制点を決めてました。多分、ジェフ的には、安い失点だったんでしょう、安井だけに。そこからは、神戸が畳みかける。完璧なクロスからウェリントンが完璧なヘディングシュートを決めて突き放すと、さらにはオフサイドな前線を囮に、オフサイドじゃない三田が抜け出して、ヴィッセルは前半のうちに3点のリードを奪います。

後半になっても、神戸は止まらない。山本リンダもビックリなくらいに、どうにも止まらない。中でも止まらなかった三田がこの日2点目は流し込むと、サッサと勝負あり。そのあとは両チームともにテストやらベテランのお役御免やらの選手交代で試合を終わらせる方向に。といっても大槻やら指宿やらウェリントンやらが決めて6ー1になってたんですけどね。

 

それにしても、この試合にはいろいろと違和感があった。まず、ここ数日、日本国内で起こった不幸に対して、黙祷が捧げられた。ワタクシも黙祷しました。哀悼の意を込めて。でも、ときどき思うのですが、サッカー場で黙祷すると、黙祷が直ったときに、何故か拍手が起きたりするんですよね。あれの意味が分からない。たぶん、「よし、では、いくよ、いくよ‼」ってことなんでしょうけど、不幸を哀悼しての黙祷が終わった直後の拍手って、「黙祷した俺たちグッジョブ!」というような、不謹慎な拍手のように感じてしまうのはワタクシだけでしょうか?違和感です。

もう1つの違和感は三田の背番号。いや、理屈はわかるんですよ。Jリーグの措置と天皇杯の登録システムが連関しないことくらい。でも、あれだけ大騒ぎして、イニエスタ禅譲するかたちで8番から7番に変更されて、大々的に報道されたというのに、天皇杯では登録の規定上、そのまま8番て! 全くもって違和感を禁じえない。逆に三田の8番を目にできる残された貴重な機会っちゃ、機会なんですけど。いやはや、違和感。

 

日本代表の未来?〜FC東京U23vs福島ユナイテッド(7/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

ワールドカップ中断期間、FC東京のトップチームには、それなりに動きがありましたね。吉本と丸山というレギュラークラスのCBが2枚も移籍していった。そういう意味では、この試合に出ていた山田将之とか、出ていなかった岡崎とかはチャンス。出世してくれたまえ。逆に、ここのステージでお見かけすることがデフォルトになりつつある久保建英は、こんなところに馴染むなよ、と。

対戦相手は福島。順位としては5位。田坂さんの手腕をもってすれば、まあ、これくらいの順位には、当然、位置しますよね。ワタクシ的に楽しみなのは田村翔太。これまで、ケガとかレギュラー落ちとかで、生観戦に巡りあったことがなく、ようやく、四中工Wエースの一角と邂逅できます。なかなか才能が発揮できない年月が続いていましたが、攻めダルマさんとの邂逅によって、ブレイクの気配を漂わせることになりました。ワタクシとの邂逅よりも、田阪さんとの邂逅の方が田村翔太には重要らしい。メッチャ、当たり前の話ですが。

 

■前半

この日は夢の島開催。正直、スタジアムそのものは西ヶ丘の方が百万倍ハイクオリティなのですが、江東区を散策することは好きなので、たまには悪くない。この日もあちこち万歩計もビックリなくらいに歩き回っていたのですが、涼みがてら休憩がてら立ち寄った小津安二郎の展示室が良かったですね。深川の出身らしいです。でも、小津安二郎を育てたのは三重県だけどね。

ランチは門前仲町の外れにある「PIZZERIA PICCHI ピッツェリア ピッキ」。たぶん、ピザの店。美味しかったですよ。ランチビールとか。客層がいかにも門前仲町って感じが良いですね。仲の良さそうな夫婦がポロシャツとハーフパンツで来るのだけれど、決して下品ではない。下町の名店って、たぶん、こういう感じなのだと思う。

 

門前仲町からバスを乗り継いで夢の島へ。キックオフして見えた光景は、「あれ⁈ 田村、FWやなくて右サイドやん!」。てっきり樋口と田村の、高校サッカーファンがむせび泣く2トップかと思い込んでいたのですが、武と樋口の縦関係っぽい2トップでございました、福島。或いは4213っぽい4231かな、とも思ったのですが、まあ、442。それに対し、ホームで迎え撃つFC東京は、育成としての矜持なのか、トリッキー布陣大好き安間さんもじっと我慢の442がデフォルトなので、布陣としてはクラシカルなミラーゲーム。

そんな構図で始まった一戦、システムが似ていれば、志向するスタイルも相似形。なんとなくワールドカップの躍進ですっかり未練が断ち切られたハリルスタイルですが、このステージにおいても、「日本人なんだから、丁寧にビルドアップしていくんじゃ!」って感じの両チーム。言うなればザックジャパンの頃の回帰するようなサッカーが繰り広げられていました。そんな中でイニシアチブを握ったのはFC東京U23。品田と平川からなるWボランチが中盤を完全に制圧しておりました。この2人の若手が出番かないのだから、やっぱりJ1って、レベルが高いんだなぁ、と。

 

■後半

 

試合は早い時間帯から動きます。先手を取ったのは福島でした。サイドのスペースに走り出した田村翔太へ、ボランチから綺麗なスルーパスが出て、ベルギー代表のお株を奪うようなカウンターが発動。田村のクロスをCFの武が押し込みました。気落ちしかけたFC東京U23も、すぐさま反撃。サイドに流れた原が突っかけて、そのクロスを久保が押し込むという、福島の先制点にそっくりな形で追いつきます。

前半から出入りが忙しくなった試合の流れを、後半になってたぐり寄せたのは福島。左SBの輪笠を起点としてチャンスを作っていた時間帯に、その輪笠からの折り返しを再び武が押し込むと、更には田村の、キャプテン翼に出てきそうなダイレクトボレーで突き放します。FC東京U23もキャプテン翼に出てきそうな名前の平岡翼が自ら得たPKを決めて追いすがりますが、反撃もそこまで。福島が逃げ切りました。

 

そんなわけで、一歩敵わなかったFC東京U23ですが、その中で輝いていたのが久保建英。今シーズンは右SHで使われることの多いイメージだったんですけど、やっぱりこの選手が耀くのはFW。しかも2トップの一角が最適ポジションのように思われます。ゲームメイクではなく、ゴール前でエスプリを加えるというのが真骨頂。その辺は、まさに“和製メッシ”なわけで、日本代表でいうと、宇佐美貴史に近い。

というよりも、ここ10年くらい、日本で育った“違いが作れる”選手というのは、ほとんどがこのタイプなのではあるまいか。宇佐美と双璧を為す柿谷曜一朗もそういうタイプだし、もっと言えば、久保に代わって投入された平岡しかり、相手チームにいた樋口や田村翔太もしかりでしょう。そういう意味では、世界のトレンドや、Jリーグにおける3421ブームに囚われることなく、向こう4年とか8年とか12年とかの代表のチーム作りは“441+1”をベースに考えていくのが、ロングスパンでは最も合理的であるように考えたりしてます。

 

 

 

 

 

 

本領発揮!〜SC相模原vsガンバ大阪U23(6/30)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

なんだかですね、今シーズンはワタクシ的に相模原の当たり年らしいのですよ。よくわからないのですが、いろいろな巡り合わせにより、やたらと相模原戦を生観戦している。残念ながら敬愛する西ヶ谷監督率いるチームの調子は、今ひとつ上がりきらないでおりますが。まあ、あれこれ浸透するうちに、尻上がりで上り調子になっていくものと、個人的には強く確信していますが(「確信している」という表現を用いるときは根拠がないとき)。

本節の相手はガンバ大阪U23。2018年シーズンに限れば、関西のU23チームは健闘していますよね。ガンバもセレッソも一桁順位で頑張っている。宮本監督の手腕によるのでしょうか? これまでのJリーグの歴史では、指導者としての将来的を嘱望された選手が必ずしも名伯楽になっているわけではないですが、近年では風間さんとか相馬さんとかが指導者としてもインテリジェンスを発揮しているので、ツネ様にも期待です。

 

■前半

 

この日のキックオフは17:00。絶妙に中途半端だったので、朝からロマンスカーで本厚木とか行ってしまったよ。シロコロホルモンやトン漬けを挙げるまでもなく、B級グルメ天国な厚木、実は地ビールも美味しい。というか神奈川県の相模地区は隠れた地ビール天国。ってなわけで、本厚木から徒歩20分くらいのところの「ランビック」という地ビールメーカー直営店で、御自慢のラガーとIPAを頂戴してきましたよ。美味しかったね〜。ペールエールが切れてしまっていたのが本当に残念。

本厚木から原当麻までは、実はバスで一本。原当麻でもあれこれさんさくして、で、歩いてギオンスタジアムへ。お昼でビールは満喫済みだったにもかかわらず、先着順で無料のケンタッキーフライドチキン配布とかやっているので、貰ってしまう。揚げた鶏肉を貰った以上、必然的に生ビールを買ってしまう。そして、生ビールを買ってしまった以上、思わずWステーキとかも買ってしまう。ケンチキ1切れで、まんまとスタグルの奴隷になってしまったよ。

 

ケンチキの魔の手から逃れるようにスタンドにもどり、キックオフ。スタメン表を見る限り、相模原は3421っぽかったのですが、実際には442でした。しかも右SBが丹羽竜平で、左SBが工藤。CBを4枚並べた最終ライン。そしてSBが本職だと思われる保崎が左SH。かなり守備を意識した配置となっておりました。西ヶ谷監督といえば代名詞は人数をかけたサイドアタックだと思うのですが、当座は封印ということでしょうか。

他方のガンバ大阪U23もやっぱり442。しかも相模原に比べて、手数をかけずにシュートまでいこうという意識が高い。ローリスクでやっていこう、みたいな。なんだか最近、よく似た光景をみたなぁと考えていたら、ポーランド戦の代表に近いですかね、もちろん、残り15分の戦略的時間帯になってからではなく、それまでの時間帯における。そうなると、当然のことながら、縦に速く、デュエルを制そうという感じになるので、ハリル・ジャパンにも似てなくはなかった。

 

■後半

灼熱のもとの省エネサッカーだったので、静かな立ち上がりになるのかと思いきや、前半から得点がたくさん入ります。まず、遠目で詳しくは見えませんでしたが、相模原守備陣がクロスの処理を誤って失点すると、よそ見をしているうちにガンバ大阪U23が2点目も決める。追いかける相模原もコーナーキックから押し込んでハーフタイムへ。後半頭から成岡を投入して一気呵成に攻めたてようとするも、逆にゴール前でモタモタしてしまい突き放される。それでも谷澤が得たPKをジョンガブリエルが決めて再び1点差に追いすがる。・・・ってスコアだけは激しく動きましたが、実際には狂ったように早く梅雨明けしてしまった関東地方。釣瓶落ちない直射日光のもとの試合らしく、残り30分くらいは両チームともにヘロヘロな感じでタイムアップとなりました。

 

そんなわけで、どうにか逃げ切ったガンバ大阪U23ですが、やっぱりU23チームにはU23チームとしての楽しみ方があって、大前提として育成用の組織ということがある。チームとして好成績を収めることより、一人でも多くの選手をトップチームデビューさせることに主眼が置かれているので、ベースとして個を生かしていくチーム作りをします。個を生かすチーム作りに関して、かつてガンバのトップチームを率いた監督が日の丸のもと脚光を浴びていますが、むしろ、そういう側面において、西野イズムの遺伝子を継承し、本領を発揮しているのは、U23なのではないかと思えてきた。

もう一つ、むしろU23チームの方が本領を発揮している、という意味では、ガンバサポの応援スタイルも同じことが言えそう。というのも、ガンバサポの応援で特徴的なのはゴールが決まった後に右へ左へ民族大移動するアレですが、この日のギオンスタジアムをはじめ、J3のスタジアムではゴール裏が芝生席ということも多い。もうね、右へ左へ民族大移動し放題なわけですよ。ガンバサポの応援スタイルが見事に本領発揮されておりました。

 

ジェフも利弥も伸び代あり〜ジェフ千葉vs愛媛FC(6/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

夢の島での試合を見終えた後、京葉線でササッと蘇我まで移動。ジェフvs愛媛FCを観戦する。ホームのジェフですが、なんとも低空飛行が止まらない。前年シーズンの終わり方が悪くなかったので、「今年こそは!」との期待を待たせながらも、なんだか、「例年通りの・・・」感を否めない。このままいくと、マンガ家の能田達規さんもネタ切れになってしまわないかと心配が尽きません。『ぺろり! スタグル旅』、面白いですよね。単行本を買おうかどうか、真剣に検討中。

アウェイチームは愛媛。本当ならば、「間瀬監督ダービー」になるはずだったんですけど、、、さよなら間瀬さん。また、どこかで捲土重来を期していただきましょう。で、跡を継いだのが川井さん。朧気な記憶で相当に怪しいですが、確か、愛媛には「青野・赤井」の青赤時代があって、川井さんも、その時代に現役だったんじゃなかろうか。ともあれ、Jの中でも特筆レベルの若手監督。注目せずにはいられません。

 

■前半

 

ご飯を食べるには微妙な時間。それでも小腹が減っていたので、ジェフサポにはお馴染みかと推察されるスパニッシュバルっぽい雰囲気のスタグル屋さんで、小難しい名前の、要するに生ハムとチーズのマフィンを購入。なぜ、そんな小洒落た真似をしたかというと、“マオウネグラ”という、あまりお見かけしないビールが売っていたから。まあ、瓶ビールですけどね。せっかくなんで。なるほど、“ネグラ”は“ネグロ”で、要するに黒なのね。

それにしても、この日は6月だというのに、ビールを飲むには、かなり寒い。ただし、こういうときこそ、先日、ワークマンで買った、1000円くらいのウインブレが効力を発揮する。ペラッペラな分、クシャクシャにしてカバンに放りこめるので、いつでも携帯できる。そして、ウインドをブレークしてくれる。身の安全を確保したので、調子に乗って、さっきと同じスタグル屋さんで、もう1種類売っていた“ガリシアビール”というのも飲んでしまった。こちらは、普通のラガービール。順番的にはガリシアビールを飲んでから、マオウネグラにすべきだった。

 

そんな悔恨を抱えながら、それでも試合は始まる。ピッチの風景で、まず驚かされたのがジェフのフォーメーション。ジェフのファンエスナイデル監督といえば、“絶対にWボランチやらないマン”として名を馳せています。アンカーを置くシステムが機能せず、昨シーズンも終盤になってWボランチにしたら快進撃。にもかかわらず、今シーズンも4123大好き。そんなエスナイデル監督が、ついに禁断の442を発動させてきましたよ。4231でなく、442。あれこれカスタマイズしていてら、結局、最も平凡な形に戻りました、みたいな。

他方の愛媛。有望なSBとして鹿島に引き抜かれた経験を持つ前野が3バックの一角で起用されている。「これは相当に攻撃的にくるなかな?」なんてファーストインプレッションは見事に裏切られ、それはそれは行儀の良い堅守速攻でジェフを苦しめます。

 

■後半

 

行儀の良い愛媛の攻守に苦しみながらも、前半のうちにジェフは、愛媛GK岡本の牙城を崩すことに成功します。セットプレーからのこぼれ球を高木利弥が押し込んだもの。そうやってジェフリードで折り返したことが、後半の戦いに大きな影響を与える。ハーフタイム明けと同時に両チームとも選手を交代させるとともに、ラインの高さが前半とはまるで真逆になる。愛媛がリスクを恐れぬハイラインで攻撃的な姿勢を示す一方で、ジェフは、「結局、普段のあれはエスナイデルの哲学ではないのか?」ってくらい慎重なライン設定に。それでも、カウンターの牙を隠さずラリベイが追加点を決めたのは、地力というよりありません。

2点差となったことで愛媛はボランチの野澤を下げてFWの有田を投入して352のスクランブルアタック。ジェフもカードを切って、為田と清武弟という、なんだかトリニータ臭のする両SHで対抗したりしつつ逃げきりを図る。試合終了間際に、愛媛FC神田のスーパーゴールで追い上げられながらも、そのまま試合はクローズ。ジェフサポとしては、フラストレーションが全くなくはなかったでしょうけど、ジェフが勝ちきった試合となりました。

 

ちなみに先制ゴールを決めたのは“ジェフの大砲”こと高木利弥。クラブからオフィシャルでお父さんイジリをされているわけですが、この試合のキックオフ前にJリーグ通算100試合のセレモニーがありました。「ご家族から、花束が贈手されます」とのことで、「よもや、リアルアジアの大砲が出てくるのか?」と期待しましたが、さすがに琢也は登場せず。おそらく、高木利弥からみて祖父母にあたるお二人だったんですかね。

しかも、おそらく琢也パパママはそれなりに長身だと想像されますので、母方の祖父母ではなかろうか、決して大柄ではなかったし。だとすると、利弥が177㎝なのも頷ける。ただし、母方も運動神経はだいぶ良さそう。だって高木利弥のジャンプ力、尋常じゃないですもんね。まだまだ上り詰められるでしょうから、さらなる飛躍を期待しましょう。

 

バンディエラの後継者?〜FC東京U23vs琉球(6/16)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

FC東京U23の試合を見るのは、今シーズン、初めてっちゃ初めて。トップチームのルヴァンカップ仙台戦を見ていて、その時のメンバーが実質的にはU23仕様だったので、既視感は満載なのですが。その試合との違いは梶山が出ているかいないか。腰やら膝やらのコンディションが悪いんでしょうねぇ。寂しいぞ。

対戦相手は琉球。順位表を確認してみたところ2位なんだそうだ。謎の好調ですね。謎と言っちゃ失礼ですけど。ダークホースでした。一般論として、現役引退後のラモス瑠偉が関わると、その後にはペンペン草も生えないというのが定説で、今シーズン、岐阜がその定説を覆そうとしている。沖縄についても、ラモス瑠偉なかりゆしが解散して、もはやペンペン草は生えないものかと諦念していたところ、どっこい、島んちゅは生きていた。遠征費とか大変でしょうし、県の経済状況もアレだとは思いますけれども、頑張ってくれたし。

 

■前半

 

最近、スタバとくっついた蔦屋が増えてますよね。昭和生まれとしては、レジを通していない商品を喫茶店に持ち込むことに抵抗がありまくり。というか、スタバでMacBookをパカパカしたり、無駄にハードカバーな本をペラペラしている人種が得意じゃないので、基本的に近づかないのですが、どういう因果か銀座蔦屋書店なんぞを朝から訪ねてしまった。そして、青山ブックセンターの六本木店が潰れた理由が理解できてしまった。いやはや、蔦屋書店、美術とか、芸大で研鑽するようなコンテンツを、ものの見事にファッション化してますね。青山ブックセンターは、最低限、そういうコンテンツをアート、あるいはカルチャーとして取り扱っていた。そして潰れた。カルチャーがファッションに完敗したわけですな。

そんな感慨を抱きつつ、八丁堀まで移動し、ロダンというカレー屋さんでカツカレーを食べる。食べログで見つけて、かなり高い点数になっていただけあって、かなり美味。しかも、すいている。ココイチより食べログの点数が高くて、ココイチより座れる。もうね、最高ですよ、最高。次は特製ビーフカレーを食べよう。そんな満足感に浸りながら、八丁堀から京葉線で新木場へ。

 

試合は、まず、琉球が「さすがは上位につけるだけある!」というサッカーを展開します。システムは、442でボランチが縦関係なのかな、とも思えたのですが、たぶん、4141。でも2トップっぽくなるシチュエーションも多く、4132にも見える。で、スタイルは、「よく訓練された」って感じのヤツ。ビルドアップとかクロスの質が高いのですが、それは出し手のクオリティもさることながら、「そういうときは、そこにいろ!」っていうポジショニングの約束事がしっかり浸透しているからこそ、なせるわざだと感じました。

FC東京U23については、基本的には矢島と原大智というツインタワーをシンプルに生かしていこうというサッカー。そこに久保建英が個人技でスパイスを加えていくような感じですね。やや気になったのは、その久保建英が孤立しがちだったところ。コンビネーションでスルスル抜けていくタイプでしょうから、もう少し詰めておきたいかも。

 

■後半

 

試合はPKの失敗なんかもありつつ、スコアレスで折り返し。後半に入って先手を取ったのは琉球。縦ポン気味のアーリークロスに廣末と交錯しながら和田が押し込みます。負けじとFC東京U23も、ゴールラインテクノロジーの導入を急がせるような、コーナーキックからのゴールで同点に追いつく。で、ここから、再び、状況は膠着。決して停滞したわけではないですが、互いに決め手を欠く応酬。

後半の30分くらいの時間帯に目立ったのは、琉球の強気なスルーパスディフェンダーや中盤の底の選手が、遠慮なくバンバンとスルーパスを出しまくり。「往年の野洲高校のヒールか、この試合の琉球のスルーパスか」ってなくらいに、どいつもこいつもレベルでスルーパス。残念ながらスコアを動かすには至りませんでしたが、鮮烈な印象として残りました。

 

鮮烈な印象といえば、FC東京U23のリッピ。謎のタイミングで、謎の加入をしたジャキットとリッピ。すっかり両者ともに戦力となっているわけですが、目立つのは良くも悪くもリッピの方。なんか、ときどき、突如としてアクロバティックなプレーが繰り出さる。・・・、いや、そういうプレーでムリヤリ処理しなければならなくならないようになんとかしろ!ってなツッコミを入れてくなる。

もう1つ、リッピで特筆すべきは、これまたときどき突如として、悠然としたプレーをしだすこと。ボディコンタクトに自信があるってことなんでしょうが、妙に余裕綽々なボールの扱いをしてりする。で、そういうときに限れば実際に、それでボールをキープできていてので文句はない。ただ、人によっては、それを“チンタラ”と表現するかも。・・・、ここまで挙げた二点。「ときどき思い出したようにアクロバティック=変態的なプレーを繰り出す」と「ともすればチンタラしているように見えかねない悠然としたキープ力(悠然としすぎて、死角からボールをかっさらわれる)」、誰かに似てません? そう、最近、出番が減りつつあるFC東京のバンディエラな、あの人の後継者が、ついに出現したわけですよ。あとは、リッピの眉毛がゲジゲジになるのを待つのみでございますな。

 

790人が泣いた!〜東京ヴェルディvsカターレ富山(2018/06/06)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

天皇杯は2回戦で実現した夢の(?)Jリーグ勢対決。当初より、ここでヴェルディ戦を見ようと計画していたので、貴重な観戦機会。現状の計画では、場合によっては、これが2018シーズン最初で最後のヴェルディ戦となる可能性もあったりして。天皇杯で快進撃したり、プレーオフに進出したりしたら、また違ってくるかもしれませんが。ただ、残念なのは、序盤の無敗状態からの失速加減がえげつないところ。ガンバレ、ロティーナ、イニエスタも来日したぞ。

対するカターレは、まさかの今シーズン2度目の観戦機会。このままいけば、2018シーズンはヴェルディよりもカターレの方がたくさん生観戦したことになる。ついでにいえば、前回観戦したときは監督が浮気さんだったので、まさかの2回目観戦は、まさかの2人目監督ウォッチングになってしまったよ。ホワイトボード芸を堪能しようじゃないか。雨中観戦でそんな余裕はないようにも思われますが。

 

■前半

 

地ビールやらクラフトビール好きとしては、時々、浅草を訪ねたときには足を運ぶ隅田川ブルーイング。アサヒビール地ビール部門なんですが、ついに満を持して、缶ビールの期間限定販売に舵を切ったらしい。西が丘に向かう前に立ち寄ったセブンイレブンついつい購入してしまったよ。でも、冷静に考えて、いくらチェックがユルユルとはいえ、そのまま缶ビールを試合会場に持ち込んじゃいけないですよね。そんなところまで考えが及ばなかったのです。

普段の生活習慣として、缶ビールやら、缶発泡酒やら、缶第3のビールやらの新商品を見つけると必ず、無条件に2本購入するのですね。すぐ飲む用と、しばらくしてから飲む用の。自宅キッチンの棚の内の1つはビールがズラッと並んでいる。なんなら、その景色にウットリすることを肴に晩酌していると言って過言ではない。のですが、とにかくスタジアムに着く前に飲んでしまわないといけない。ということでアルコール禁止でない某所で、幸楽苑の餃子とマック芋をアテに、明るい時間からフードコート飲みをしてしまったさ。

 

そんな、缶ビールとスタジアムの掛け違いに始まった試合。なんだか、いろいろ掛け違う。まず掛け違ったのがサポーターのコール。ヴェルディゴール裏の方がバックスタンドに向かって、「一緒に頑張りましょう!」とか拡声器で煽っていたのですが、どういうわけだか、それに呼応したのがカターレゴール裏。なかなかの掛け違いですが、掛け違いは、それだけにあらず。ヴェルディGK柴崎のゴールキックなのですが、GKと受け手の意思の掛け違いなのか、或いはGKの意思とGKのキック技術が悉く掛け違いなのか、とにかく、ものすごく掛け違い。

そんな、どうにも締まらない試合ですから、フィールドプレーヤーもなんだか掛け違う、締まらない。スコアがやたらと動いた試合ではあったのですが、両チームともポゼッション中は出しどころがなくて困っている感じ。彷徨いながら、相手も彷徨ってるから、チンタラチンタラと時計の針が進んでいく、そんな前半戦でした。

 

■後半

 

いや、ですね。上でも書きましたが、スコアは前半のうちに動きまくったわけですよ。先制点はヴェルディで、林昇吾がボールを受けてガンバって、追い越していったにスルーパス。フリーの若狭が如才なく入れたクロスを林陵平がヘッドで決めるという綺麗なゴール。ヴェルディはたたみかけるように、コーナーキックから追加点。見えづらかったですが、事故的にこぼれた感じになって、最後は橋本が決めたんだそうな。

天皇杯だけあって、ヴェルディはターンオーバー。橋本にお鉢が回ってきたのですが、橋本って、頭いいですよね。『エルゴラッソ』で西野監督について橋本に聞いたインタビューが載っていて読んでみたところ、言語表現が超絶に上手かった。言語化能力=指導者能力みたいなところがありますので、セカンドキャリアにも大きな期待が持てます。対するカターレで出色だったのは、10番の新井。超絶です、超絶。メチャメチャ上手いじゃないですか。追撃のゴールを決めたのですが、まさに「あかん、世間にバレてもうた」状態でしょう。カターレサポーターは、シーズンオフの引き抜きを、ある程度覚悟しておかなければならないかもしれません。

 

前半のうちに、もう一つ、ヴェルディの2点目同様、コーナーキックから事故的に今瀬が決めたゴールもあって、2ー2で折り返す。後半になると、さすがにヴェルディが押しまくるわけですが、ものの見事に攻めあぐねる。プラン通りと思われる選手交代がグダグダに拍車を掛ける。森と菅嶋、今日の出来だと厳しいですね。ボールを受けられないと何も始まらない。

グダグダがグダグダを呼び込む展開の中、最後の最後にヴェルディが沽券を示す。クロスにイヨンジェが飛び込んだ決勝点。ロスタイムに生まれたサヨナラゴールに、西が丘を埋め尽くした観客、全790人が泣いた!状態ですよ。・・・ええ、そうですよ、790人ですよ。カターレサポが50人くらいいたので、実質、全740人が泣いたのですよ、はい、はい。「ヴェルディも西が丘をホームにすれば、サポーターの少なさは目立たない」という言説は、どうやら都市伝説らしいです。

 

 

好ゲーム!〜湘南ベルマーレvsジュビロ磐田(5/19)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

Wヘッダー2試合目は平塚競技場。実質的経営破綻となりJ2で苦汁を舐め続けた10年があって、ここ10年弱は典型的なエレベータークラブとして奮闘してきた湘南は、まさに今、脱エレベータークラブを目指している最中。今シーズンの成績は、いわゆるプロヴィンチャのそれですが、無事に残留を果たしたならば、来シーズンはきっも結果にコミットしてくれるはずです。それにしてもRIZAPは儲かってんだなぁ、と。次は誰を痩せさせるのだろうか。

対戦相手はジュビロ磐田。黄金期から世代交代やらなんやらに苦労していましたが、名波さんが率いるようになったここ数年は、中堅クラブとして、経営規模に応じた成績を安定的に残すようになりつつあります。クラブのレジェンドでもありますし、このまま長期政権になっていくのでしょうか。かなりクレバーな方ですので、なんならベンゲルみたいなスタイルの長期政権になっても面白いかも。やはり監督として成功するは、闘将系の選手ではなくて、クールな理論派なのでしょう。

 

■前半

まあ、平塚競技場に来たら、サンクトガーレン一択ですよね。老舗の地ビール屋さん。ふるさと納税で日本各地の地ビールを飲みまくるワタクシとしては、ええ、サンクトガーレン一択なわけですよ。この日は試合開始2時間弱前に到着しちゃったもんだから、いっそのことコンプリートしてやろうと飲みまくる。ますば緑色ビールことプレベル。味はIPAとかラガーとか、そういった感じの苦味がたつ味。好きです。ひょっとしたら、後で飲んだYOKOHAMA IPAと味は同じかも。

でも。ここの売りはフルーティー系。「ベルマーレピール」というチーム名を冠したビールはオレンジだかなんかのビール。酸味があまり好きではないので、正直、フルーティー系はあまり好んで飲むってことはなかったのですが、やはり、いろんな賞を与えられている逸品は違う。激ウマですな。同系列のパイナップルエールも、そう、激ウマですな。特にパイナップル感は、めっちゃパイナップルでした。

 

そんなこんなでキックオフ。この試合の構図を一言で表現するならば“日本的サッカー対決”ということになろうかと思います。名波ジュビロのスタイルって、なかなかイメージしづらいですよね。あまり極端なことをやるってスタイルではない。敢えて挙げるならば“凡事徹底”といった感じでしょうか。ハードワークとか奪ってからの動き方とか、ベーシックな約束事を守りつつ、各人がそれぞれに与えられた役割を履行していくってイメージ。

それに対して、もはや“湘南スタイル”という言葉が定着しつつあるベルマーレは、とにかくハードワークとか、運動量とか、全員攻撃全員守備とかを突き詰める。要するに日本人の勤勉性を前面に押し出すスタイルですよね。この試合でも、チャンスと見るや、思い切って守備陣がドリブルで持ち上がるってシーンが何度もありました。ジュビロの“凡事徹底”に対して、ベルマーレの“勤勉性”、どちらも日本の部活文化の基層ですよね。だから、見ていてストレスが少ない。

 

■後半

双方とも段階を踏んでチームを作り上げてきた同士なので、前半から引き締まった好ゲームとなりました。やるべきことをしっかりとやるチームの対決というのは、必然的に引き締まる。ダレることがない。そんな均衡を破ったのは、ベルマーレ。杉岡の低弾道クロスに梅崎(か、誰か)が飛び込み、バーに弾かれたボールに野田が反応してヘディングで押し込みました。野田、このゴールに限らず、動きが良かったですね。

追いかけることになった磐田は、切り札の中村俊輔を投入。そうか、俊輔、ベンチにいたのか。それはビックリだ。でも、湘南は、それくらいでビビらない。キジェ監督は、若い選手をドンドン、ピッチに送り込む。そして、素晴らしかったのは、梅崎を含めた交代選手が、確実に運動量を付け加えていたこと。要するにメッチャ走ってた。当たり前のことのように見えて、これがなかなかできないもの。それがちゃんとできるというのは、素晴らしいことです。

 

さて、この試合で注目していたのは、湘南の坂圭祐。本ブログの名前の由来である四中工出身者ですね。高校生の頃が、大きな期待と、CBとしてはサイズが小さいことへの不安が隣り合わせだった選手。無事にプロサッカー選手となり、20番を背負っています。湘南の20番というのは坪井慶介が付けていた番号で、坪井も四中工出身。偉大な先輩に追いつけ追い越せ。

ちなみに、この日マッチアップしたのは川又。そうですね、彼も背番号20です。この20番vs20番はエキサイティングでした。日本代表候補のCFに対して、坂は慎重に対応していました。基本的に不用意には飛び込まない。我慢強く、カラダをくっつけて相手の動きを制限するという守備に徹していた。そして、しっかりと自由を奪った上で、自分ではなく、左右のCBに競り合いを飛ばせる。クレバーです。カラダの小さい選手だって、努力と工夫で克服できることを証明してもらいたいですね。