天皇杯は2回戦で実現した夢の(?)Jリーグ勢対決。当初より、ここでヴェルディ戦を見ようと計画していたので、貴重な観戦機会。現状の計画では、場合によっては、これが2018シーズン最初で最後のヴェルディ戦となる可能性もあったりして。天皇杯で快進撃したり、プレーオフに進出したりしたら、また違ってくるかもしれませんが。ただ、残念なのは、序盤の無敗状態からの失速加減がえげつないところ。ガンバレ、ロティーナ、イニエスタも来日したぞ。
対するカターレは、まさかの今シーズン2度目の観戦機会。このままいけば、2018シーズンはヴェルディよりもカターレの方がたくさん生観戦したことになる。ついでにいえば、前回観戦したときは監督が浮気さんだったので、まさかの2回目観戦は、まさかの2人目監督ウォッチングになってしまったよ。ホワイトボード芸を堪能しようじゃないか。雨中観戦でそんな余裕はないようにも思われますが。
■前半
地ビールやらクラフトビール好きとしては、時々、浅草を訪ねたときには足を運ぶ隅田川ブルーイング。アサヒビールの地ビール部門なんですが、ついに満を持して、缶ビールの期間限定販売に舵を切ったらしい。西が丘に向かう前に立ち寄ったセブンイレブンついつい購入してしまったよ。でも、冷静に考えて、いくらチェックがユルユルとはいえ、そのまま缶ビールを試合会場に持ち込んじゃいけないですよね。そんなところまで考えが及ばなかったのです。
普段の生活習慣として、缶ビールやら、缶発泡酒やら、缶第3のビールやらの新商品を見つけると必ず、無条件に2本購入するのですね。すぐ飲む用と、しばらくしてから飲む用の。自宅キッチンの棚の内の1つはビールがズラッと並んでいる。なんなら、その景色にウットリすることを肴に晩酌していると言って過言ではない。のですが、とにかくスタジアムに着く前に飲んでしまわないといけない。ということでアルコール禁止でない某所で、幸楽苑の餃子とマック芋をアテに、明るい時間からフードコート飲みをしてしまったさ。
そんな、缶ビールとスタジアムの掛け違いに始まった試合。なんだか、いろいろ掛け違う。まず掛け違ったのがサポーターのコール。ヴェルディゴール裏の方がバックスタンドに向かって、「一緒に頑張りましょう!」とか拡声器で煽っていたのですが、どういうわけだか、それに呼応したのがカターレゴール裏。なかなかの掛け違いですが、掛け違いは、それだけにあらず。ヴェルディGK柴崎のゴールキックなのですが、GKと受け手の意思の掛け違いなのか、或いはGKの意思とGKのキック技術が悉く掛け違いなのか、とにかく、ものすごく掛け違い。
そんな、どうにも締まらない試合ですから、フィールドプレーヤーもなんだか掛け違う、締まらない。スコアがやたらと動いた試合ではあったのですが、両チームともポゼッション中は出しどころがなくて困っている感じ。彷徨いながら、相手も彷徨ってるから、チンタラチンタラと時計の針が進んでいく、そんな前半戦でした。
■後半
いや、ですね。上でも書きましたが、スコアは前半のうちに動きまくったわけですよ。先制点はヴェルディで、林昇吾がボールを受けてガンバって、追い越していったにスルーパス。フリーの若狭が如才なく入れたクロスを林陵平がヘッドで決めるという綺麗なゴール。ヴェルディはたたみかけるように、コーナーキックから追加点。見えづらかったですが、事故的にこぼれた感じになって、最後は橋本が決めたんだそうな。
天皇杯だけあって、ヴェルディはターンオーバー。橋本にお鉢が回ってきたのですが、橋本って、頭いいですよね。『エルゴラッソ』で西野監督について橋本に聞いたインタビューが載っていて読んでみたところ、言語表現が超絶に上手かった。言語化能力=指導者能力みたいなところがありますので、セカンドキャリアにも大きな期待が持てます。対するカターレで出色だったのは、10番の新井。超絶です、超絶。メチャメチャ上手いじゃないですか。追撃のゴールを決めたのですが、まさに「あかん、世間にバレてもうた」状態でしょう。カターレサポーターは、シーズンオフの引き抜きを、ある程度覚悟しておかなければならないかもしれません。
前半のうちに、もう一つ、ヴェルディの2点目同様、コーナーキックから事故的に今瀬が決めたゴールもあって、2ー2で折り返す。後半になると、さすがにヴェルディが押しまくるわけですが、ものの見事に攻めあぐねる。プラン通りと思われる選手交代がグダグダに拍車を掛ける。森と菅嶋、今日の出来だと厳しいですね。ボールを受けられないと何も始まらない。
グダグダがグダグダを呼び込む展開の中、最後の最後にヴェルディが沽券を示す。クロスにイヨンジェが飛び込んだ決勝点。ロスタイムに生まれたサヨナラゴールに、西が丘を埋め尽くした観客、全790人が泣いた!状態ですよ。・・・ええ、そうですよ、790人ですよ。カターレサポが50人くらいいたので、実質、全740人が泣いたのですよ、はい、はい。「ヴェルディも西が丘をホームにすれば、サポーターの少なさは目立たない」という言説は、どうやら都市伝説らしいです。