日本代表の未来?〜FC東京U23vs福島ユナイテッド(7/7)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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ワールドカップ中断期間、FC東京のトップチームには、それなりに動きがありましたね。吉本と丸山というレギュラークラスのCBが2枚も移籍していった。そういう意味では、この試合に出ていた山田将之とか、出ていなかった岡崎とかはチャンス。出世してくれたまえ。逆に、ここのステージでお見かけすることがデフォルトになりつつある久保建英は、こんなところに馴染むなよ、と。

対戦相手は福島。順位としては5位。田坂さんの手腕をもってすれば、まあ、これくらいの順位には、当然、位置しますよね。ワタクシ的に楽しみなのは田村翔太。これまで、ケガとかレギュラー落ちとかで、生観戦に巡りあったことがなく、ようやく、四中工Wエースの一角と邂逅できます。なかなか才能が発揮できない年月が続いていましたが、攻めダルマさんとの邂逅によって、ブレイクの気配を漂わせることになりました。ワタクシとの邂逅よりも、田阪さんとの邂逅の方が田村翔太には重要らしい。メッチャ、当たり前の話ですが。

 

■前半

この日は夢の島開催。正直、スタジアムそのものは西ヶ丘の方が百万倍ハイクオリティなのですが、江東区を散策することは好きなので、たまには悪くない。この日もあちこち万歩計もビックリなくらいに歩き回っていたのですが、涼みがてら休憩がてら立ち寄った小津安二郎の展示室が良かったですね。深川の出身らしいです。でも、小津安二郎を育てたのは三重県だけどね。

ランチは門前仲町の外れにある「PIZZERIA PICCHI ピッツェリア ピッキ」。たぶん、ピザの店。美味しかったですよ。ランチビールとか。客層がいかにも門前仲町って感じが良いですね。仲の良さそうな夫婦がポロシャツとハーフパンツで来るのだけれど、決して下品ではない。下町の名店って、たぶん、こういう感じなのだと思う。

 

門前仲町からバスを乗り継いで夢の島へ。キックオフして見えた光景は、「あれ⁈ 田村、FWやなくて右サイドやん!」。てっきり樋口と田村の、高校サッカーファンがむせび泣く2トップかと思い込んでいたのですが、武と樋口の縦関係っぽい2トップでございました、福島。或いは4213っぽい4231かな、とも思ったのですが、まあ、442。それに対し、ホームで迎え撃つFC東京は、育成としての矜持なのか、トリッキー布陣大好き安間さんもじっと我慢の442がデフォルトなので、布陣としてはクラシカルなミラーゲーム。

そんな構図で始まった一戦、システムが似ていれば、志向するスタイルも相似形。なんとなくワールドカップの躍進ですっかり未練が断ち切られたハリルスタイルですが、このステージにおいても、「日本人なんだから、丁寧にビルドアップしていくんじゃ!」って感じの両チーム。言うなればザックジャパンの頃の回帰するようなサッカーが繰り広げられていました。そんな中でイニシアチブを握ったのはFC東京U23。品田と平川からなるWボランチが中盤を完全に制圧しておりました。この2人の若手が出番かないのだから、やっぱりJ1って、レベルが高いんだなぁ、と。

 

■後半

 

試合は早い時間帯から動きます。先手を取ったのは福島でした。サイドのスペースに走り出した田村翔太へ、ボランチから綺麗なスルーパスが出て、ベルギー代表のお株を奪うようなカウンターが発動。田村のクロスをCFの武が押し込みました。気落ちしかけたFC東京U23も、すぐさま反撃。サイドに流れた原が突っかけて、そのクロスを久保が押し込むという、福島の先制点にそっくりな形で追いつきます。

前半から出入りが忙しくなった試合の流れを、後半になってたぐり寄せたのは福島。左SBの輪笠を起点としてチャンスを作っていた時間帯に、その輪笠からの折り返しを再び武が押し込むと、更には田村の、キャプテン翼に出てきそうなダイレクトボレーで突き放します。FC東京U23もキャプテン翼に出てきそうな名前の平岡翼が自ら得たPKを決めて追いすがりますが、反撃もそこまで。福島が逃げ切りました。

 

そんなわけで、一歩敵わなかったFC東京U23ですが、その中で輝いていたのが久保建英。今シーズンは右SHで使われることの多いイメージだったんですけど、やっぱりこの選手が耀くのはFW。しかも2トップの一角が最適ポジションのように思われます。ゲームメイクではなく、ゴール前でエスプリを加えるというのが真骨頂。その辺は、まさに“和製メッシ”なわけで、日本代表でいうと、宇佐美貴史に近い。

というよりも、ここ10年くらい、日本で育った“違いが作れる”選手というのは、ほとんどがこのタイプなのではあるまいか。宇佐美と双璧を為す柿谷曜一朗もそういうタイプだし、もっと言えば、久保に代わって投入された平岡しかり、相手チームにいた樋口や田村翔太もしかりでしょう。そういう意味では、世界のトレンドや、Jリーグにおける3421ブームに囚われることなく、向こう4年とか8年とか12年とかの代表のチーム作りは“441+1”をベースに考えていくのが、ロングスパンでは最も合理的であるように考えたりしてます。