群馬が見せた熟練のゲームコントロール〜ブラウブリッツ秋田vsザスパクサツ群馬(9/18)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□バスのトラブル

そういえば秋田、やらかしましたよね。厳密にはブラウブリッツが契約したバス会社がやらかしたんですけど。なんと、スタジアムからのシャトルバスを発車すると告知しておきながら実際には配車しなかったとか。これは公共交通ユーザーのワタクシには由々しき問題であります。

この日はデーゲームなので路線バスで十分に賄えるらしく臨時便はないようですが、もう一つ問題がありましてね。昼の時間帯はドル箱路線というか、駅に向かって集約されて同一ルートになるということでしょうか、多くの路線が利用できます。逆に言うと、秋田駅からの乗り場があれこれ分散していて、何番の乗り場に行けば良いか、イチイチその都度調べないといけない。要するに三ツ沢に行くときの横浜駅状態です。三ツ沢ならば岡野町まで歩いてから乗れば解決するんですけど、秋田の場合、千秋公園入口で乗れば解決するのかどうか。念のため、ちゃんと乗り場を調べて秋田駅前からバスに乗りました。

 

 

□一本気と侠気

さて、ここ数シーズンの秋田は安定しております。なんせ吉田監督が明確なコンセプトで着実なチーム作りをしている。吉田監督を端的にあらわす言葉、それは「一本気!」ということになりましょう。ブレない。そして熱い。あっという間に秋田をJ2にまで引き上げて、そして今シーズンもここまで貫禄の残留圏キープです。まだまだ油断のできる状況ではありませんが。

対する群馬は、今シーズンから組長こと大槻さんが率いておりますが、吉田さんが「一本気!」だったのに対し、大槻さんの場合「侠気」でしょうか。いや、それは「組長」との異称からくる単なる連想ゲームか。そんな大槻さんは、浦和での最初の監督代行は良かったですけど、それ以降は正直パッとしない。今シーズンも、それまでのザスパを劇的に浮上させるには至っておらず、ザスパ的には定位置になりつつ降格圏でのサバイバルに巻き込まれております。

 

□似てるぞ

この試合の秋田は、2トップが斎藤と青木という組み合わせ。秋田はCFタイプというか前線でカラダを張れる選手が多い。先発の二人に加えて武と吉田の4枚で2トップを回してますが、他にも中村と井上もCF起用可能。その次に才藤なんですかね。ただ才藤はアスリート能力が高いですからね、勿体ないのでSBで起用されています。というか彼のロングスローを生かすためにはSBってのは適材適所だったりする。

対する群馬は、まずGKの山田。試合前に秋田ベンチへと挨拶に来ていた。調べてみたら、沼津のU15に所属していたようなので、吉田監督が沼津のトップチームを率いていた頃に重なっているんですかね?

そんなことよりも、ですよ、なんか群馬のサッカー、秋田のスタイルに似てません?大槻さんも吹っ切ったのか、そもそもシーズン当初よりこのスタイルだったのか、とにかく縦に蹴ってスピード&パワー、ラン&ガンで仕留めにかかる。ボランチがテクニカルな風間でなくパワフル系の岩上なのがその象徴かもしれません。ただ、秋田との違いは、その中にも田中稔也という足下系を入れていること。そして、その田中がスコアを動かしました。もっとも攻撃の形は左の小島がシンプルに入れて、鈴木か川本がゴール前で頑張って、そのこぼれたところで田中が決めるというものだったのですが、とにもかくにも前半のキーマンは田中稔也でした。

 

□似てるがゆえに

後半になっても試合の流れはさほど変わらない。後半の最初の方と試合終了間際に秋田の波状攻撃があって、前半にもあった1回を加えて計3回「あとは押し込むだけ」というスーパーチャンスが秋田にはあったのですが、群馬はカラダを投げ出した人海ディフェンスでことごとく相手のシュートを受けきり、掻き出す。そういう守り方ができたのは、一にも二にも試合を通じて群馬のリズムが良かったからこそなのでしょう。

なんせ似たもの同士ですから、秋田のリズムは群馬のリズムなわけで、秋田が自分たちのスタイルで攻めれば攻めるほど、群馬の守備陣もノってくるという皮肉な構造がありました。それから細貝の存在感もあるのかもしれませんね。彼はいついかなるときも危機察知センサーを働かせて誰よりも早い出足を見せるし、かつ、悠然としている。彼がボールに触ると途端にチーム全体が落ち着きを取り戻すってのがスタンドからでも見て取れました。

もちろん、それは細貝一人の個人戦術などではなく、大槻さんが時間をかけて丁寧にチームに叩き込んできたものだと思われます。ロスタイムを含めて、慌てず騒がず時計の針を粛々と進めていきましたし、城和と風間を投入して532としてからのゲームコントロールには惚れ惚れしてしまうような泰然さがあった。比例して秋田サポーターの溜め息が漏れる回数が増えていく。ひょっとしたら秋田サポを最も湧かせたのはハーフタイムにワッキーとヒデさんが披露した鉄板営業ネタだったかもしれません。群馬が残留に向けて大きな勝ち点3を死守しました。