八戸は思っていたより良いチームだった〜ヴァンラーレ八戸vsFC岐阜(9/17)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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□ローカル線の危機

せっかく八戸まで来たものだから、観光もしなきゃと思って種差海岸に出掛けました、JRナントカ線で。いやぁ、ローカル線、厳しいですね。この日はバケーション日和でしたから、それなりに乗客はいましたが、乗ってるお客さんがワンマン運転の電車の乗降方法がわかっていないのですよ。

地方出身のワタクシにとっては幼い頃から慣れ親しんでいる「前の車両の後ろの扉が乗って、運転手そさんのチェックを受けて降りる」という方法。それを、見るからに地元の方と思しき乗客がわかっていないときたもんだ。これが都会からきた旅行者がわからないのなら問題はない。しかし地元民がわかっていないということは、地元民が普段はほとんど利用していないということの裏返しであって、これはなかなか厳しいのではあるまいか。

 

□スーパーエリート風vsギャラクティコ

そんなJRナントカ線を憂いつつ、八戸の現況についても憂わずにいられない。現在、ブービーの17位ですからね。というようなこともあってシーズン途中で監督を交代。志垣良さんが就任いたしました。ちなみに志垣さん、Wikipediaで調べたら、東福岡出身で、宮原・金古・千代反田と同期だそうだ。最強時代の東福岡を彩っていたのですね。しかも、大学卒業後はいち早く海を渡って、選手としても指導者としても海外修行を積み重ねてきてる。なんか、履歴書だけなら、めっちゃ凄い。

一方の岐阜もシーズン途中に監督を解任したチーム。新たに横山さんが率いるようになっても、どうにもこうにも波に乗れないですね。シーズン開幕前は“J3版ギャラクティコ”などともてはやされましたが、よくよく考えるとネームバリューのあるベテランだからといって、別にギャラクティコっていうほどのこともないような。とはいえ柏木と庄司のボランチにはロマンがあるので期待していたのですが、残念ながら本日はベンチ外でございました。

 

 

□ロングボールの質

岐阜って3バックのイメージを勝手に持っていたのですが442でしたね。で、八戸も442だったのでミラーゲーム状態。岐阜の442はすぐにわかりましたけど、八戸は少しわかりづらかった。ともあれボランチは2枚で、その1人が宮尾孝一ですよ、YS横浜にいた。しかも早くもキャプテンマークを巻いているし、選手紹介の際のキャッチコピーが「至高のプレースキッカー」とか言っちゃってる。

そんなホームの八戸が、たぶん期間限定の3rdということだと思いますが、緑ではなくゴールドのユニフォーム。となると白系統との見分けが微妙になるということでしょう、岐阜がホームユニフォームの緑を着る。アウェイチームがホームチームカラーのユニフォームっていう矛盾。…まあ、そんなことは良いでしょう、それより左SBで先発した生地ですよ。安間さんがかつての教え子を引き入れたコネ入社疑惑をワタクシ的には抱いておりましたが、ちゃんと戦力になっているんですね。邪推による疑惑は払拭されました。

序盤から単純な各選手の技量的には岐阜に分があるような展開でしたが、唯一、八戸にアドバンテージがあったのはロングボールの質。岐阜はンドカにロングボールを入れておけばそれなりにどうにかなるはずなんですけど、全然ロングボールが繋がらない。逆に八戸は一撃必殺的なロングボールが繋がる。先制点も長めのアーリークロスに逆サイドのSBである小牧がダイビングヘッドでジャストミートしたゴール。前半の早い時間にも、カウンターでハーフラインあたりからアーリークロスを入れたら、決まらなかったものの一人だけ走り込んでいた選手のヘッドに届いたってシーンがありましたし、八戸としてはイメージ通りの前半戦だったかもしれません。

 

□必然の決着

後半に入っても八戸は守ります。攻められているというより、攻めさせている、という感じではありましたが。良いのですよ、八戸のディフェンス。規律とインテンシティに溢れている。前線が走りまくって、リトリートすればしっかりブロックを作る。その外から強引に来られたら後ろが弾きだす。ちゃんとオーソライズされた守備は見ていて楽しい。

しかし、そうなっても岐阜には飛び道具がある。柏木のFKで八戸の組織を崩すと最後は藤岡が押し込んで同点に追いつきます。八戸としては宮尾から山田尚幸にスイッチして逃げ切りのサインを出してしまっていましたし、しかも追いつかれてからも防戦一方でしたので少し厳しくなったたかと思われましたが、防戦一方は八戸にとっては悪いリズムではなかった模様。

先制点と同じように数少ない攻撃の機会を生かします。野瀬が巧みな肩トラップから、そのままの勢いでミドルシュートを突き刺しました。攻撃の機会では可能性の多寡にはこだわらずシュートを打ち切る姿勢を徹底していた八戸の方程式が見事までに花開きました。終盤にはオシムが率いるチームと見まごうばかりに選手が次々に湧き出てきて、佐藤碧が3点目をもぎ取ります。このゴールに至る崩しは美しかった。岐阜は柏木FKとか田中順也のヘッドとかの惜しい決定機もありましたが、どうにも攻撃のリズムが出てこない。おそらく3人目の動きをどうやって有機的に生み出していくかの整理ができていないのではあるまいか。それでは八戸を守備を乗り越えられない。いわば必然のスコアで八戸が岐阜を下しました。