もはやフォギーニョが似非9番〜栃木vs仙台(9/14)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

□宇都宮へ

カンセキスタジアムに向かうべく、珍しく新幹線に乗りました。ワタクシ、「東京に出るためには、まず名古屋へ」っていう地域で生まれ育ったので東海道新幹線にはそれなりに乗るのですが、北に向かう新幹線ってあんまり乗らないんですよね。だから、なんか、いろいろパニック。

まず、当たり前ですが北に向かう新幹線はJR東日本が管轄している。なので、駅ホームの自動販売機川のラインナップがいつものヤツなんですよね。普段、東海道新幹線に乗るときはJR東海プライベートブランドの、決して美味しいとはいえない缶コーヒーを飲むことを常としているのですが、今回はその喜びがない。パニックはもう一つあって、「なすの」に乗ったのですが、指定席がありゃせん。そら、パニックですよ。「自由席とグリーン車グランクラス」しかない新幹線だったんですね、なすの。「こだま」みたいなものと思えば理解できましたが、プチパニックにはなりました。

 

 

□監督評価の難解さ

さて、栃木ですが、いまだに前監督である田坂さんの印象が強い。昔から田坂さんといえば「攻めダルマ」って形容したくなる。元祖である蔦文也については水野雄仁さんが「池田高校ってのは、蔦文也が気合と根性で作り上げたチーム」と評した記事を読んだことがありますが、去年までの栃木って田坂さんが気合と根性で作り上げたチームでしたよね。それを引き継いだのが時崎さん。今シーズンについては「可もなく不可もなく」って感じですけど、前任者のイメージを上書きする個性を発揮してもらいたいところ。

一方の仙台は原崎さんを更迭しました。ネットとかで反応を眺めると、確かに停滞感はあったのかも。成績の割にあっさり解任ってなるパターンとして、選手たちからの求心力が低下していたってこともありますが、そういうことかもしれません。指導者として、選手のメンタルコントロールも含めた引き出しがまだ不十分だったのかもしれませんね。そういう部分も含めて捲土重来を期待しましょう。

 

□ミラーゲームのリアクション対決

さてピッチ上の栃木を眺めると、何人か存じ上げない、あるいはイメージが朧気な選手もいたのですが、なかでも初見に近いのは吉田朋恭。調べてみたら、福島から移ってきた時崎チルドレンなんですね。そんな時崎サッカーの特徴は、ヨーロッパのプロビンチャに多い「確実性よりも機会損失を妨げる」という考え方。速攻の際には、確率は低くとも打てるときには必ずシュートを打って終わるというサッカーでした。

対する仙台は栃木と同じ3421で臨みます。仙台といえば、鹿島や大宮ばりに伝統的として442を採用することの多いチームですから、このあたりは伊藤新監督の独自性ですかね。特に遠藤と中島からなる2シャドーは適材適所感に溢れていた。あと、若狭の「3CBの右」も適材適所。とはいえ、適材適所に選手を配置したからといっても、それはポゼッションの量を増やすためというより、鋭いカウンターにおける一撃必殺の質を上げるためという雰囲気でした。

そんなこんなのミラーゲーム状態。しかも、両チームともどちらかといえばリアクション指向。ボールを握るというより、引き付けてから最小手数のカウンターを仕掛け合う攻防を繰り返げられました。その中で、よりリアクション色が強いというか、あまり攻撃に人数をかけたりしない、アタッキングサードでのパスやシュートらしいシュートの回数が少なかったのは仙台だったのですが、それでもワンチャンスを生かし、左サイドからのクロスに中山が合わせて先制します。このあたりは個のクオリティ。試合は仙台の1点リードで折り返します。

 

□高萩への道

先制点の時もそうだったのですが、仙台の攻撃が迫力を持つのは、フォギーニョが攻撃参加した時ですね。尤も、機を見て攻撃参加するというより、高い位置を取りっ放しなのがフォギーニョなんですが。カウンターの際には誰よりも早く相手ゴール前に突撃しますし、守備の際のファーストディフェンスもフォギーニョ。もはや似非9番状態です。

なので相方にはバランスを取ってスペースを埋める役割が求められることになって、ならば中島ではない、ということもあって松下だったんですかね。似非9番とスペース管理人のWボランチとなると、他に誰かが組み立てを手助けしないといけなくなりますが、そこは遠藤が気を利かせます。必然的にしばしばインに絞りますので、残った中島に求められるのはサイドで幅をとる役割となるわけですが、そうなるとなかなか中島の良さが出しづらかったのかもしれません。

良さが出しづらいという意味では栃木の高萩も同様。もちろん高萩がボールを持てば、メッセージ付きのパスでシュートまでの経路が一気に開かれるのですが、じゃあ、どうやって高萩までボールを届けるのかってところが問題になる。もちろん低い位置まで貰いにいけば触れるんでしょうけど、それだと怖さが半減する。このあたりは栃木が解決すべき課題の一つかもしれません。試合はウノゼロで仙台が久々の勝利を収めました。