いや、ホントはね。7月だったかに川崎vs鳥栖を観戦するつもりだったんですよ。でもね、その試合、一般販売開始日には指定席がソールドアウトになっていましてね、で、ちょうど夏休み旅行で九州に行く予定があったので、急遽、スケジュールに組み入れたのが、この試合。じゃあさ、おらへんやん、トーレス。謙虚に日本のサッカーのみならず日本文化へも順応してくれたとの評判高いトーレスですけど、だったら、いやあ、日本の夏休み文化というものも尊重して欲しかったなぁ。この日は8月31日、(少なくとも我々アラフォー世代の時代には)ある意味、子どもにとって最も印象に残る一日、つまり夏休み最後の日。やっぱねー、日本文化を尊重するなら、この日までは現役を続けてくれても良いじゃない〜!
というのは、完全に自分が8月31日に試合を見るからという個人的理由を一般化して逆ギレしているだけなのですが、逆ギレついでに続けると、前回来たときも思ったのですが、駅スタのスタグル広場的なところって、なんか、今ひとつ魅惑的でない。あくまでワタクシ個人の感想であり、効果効能を保障するものではないですけど。その最大の理由は、「どこで食べればよいかわからない」ってことだと思うのですよね。広場の向こう側のホール的なところの階段には座れそうなんですけど、平塚や甲府に比べて、「まあ、どっかに座れるでしょ!」って安心感がない。FC東京が青赤横丁の改善策を考えるべくアンケートをとった結果、要望の圧倒的多数は「座れる場所を増やしてくれ」だったというのは、エルゴラッソだったかオンライン媒体だったかのインタビューで責任者さんが述べている。ってなかで、むしろ鳥栖では数年前より椅子の数が減っているような感さえする。ワタクシが読んだ記事をチェックする程度のことは、当然、フロントさんはやってなくちゃいけなくて、にもかかわらず敢えて椅子数を増やさないとすれば、どういうつもりなのか知りたいですし、担当者が青赤横丁の記事をチェックしてないとすれば、「そもそも(裏方としての)プロフェッショナルとは?」ってところに疑問を禁じえなかったりするって話です。
まあ、そんなことは気にしない。サッカーを見るのです。鳥栖と仙台ですからね。それはそれはミラーゲームになるわけです。今回に限ればシステムも同じ442で、ベースはリアクションサッカーというか、どちらかといえば“弱者の戦術”。案の定、息の詰まるカウンター合戦だったわけですが、ただ、本来的に目指している志向性についてはいささかの温度差があって、たぶん、仙台の方がポゼッション志向が強くて、鳥栖はよりピュアな堅守速攻志向だったように思われます。
そんななかで異彩を放っていてのが、両チームの助っ人外国籍選手。鳥栖のイサッククエンカについては、もはや攻撃に関するありとあらゆるプレーが異次元。対する仙台の外国籍選手も、クロスの跳ね返し加減がえげつなかった。キムタク(あるいはホリ)でなくとも、「ちょ、待てお!」と愚痴ったに違いない。
ともあれ、そんなわけでカウンターの応酬だったわけですが、そのなかで先制したのは仙台。速攻からのワンチャンを道渕が決めました。仙台は2〜3列目から斜めのグランダーで鳥栖最終ラインの裏を攻略してましたね。これで鳥栖が攻めに出る。そうすると、ポゼッションへの指向性の度合も含めて、全くのミラーゲーム状態が発生して、鳥栖はオフサイドでゴールが取り消されたり、仙台はジャーメインが超決定機でミスったりしながら、ハーフタイムを迎えました。
後半の開始とともに鳥栖は松岡に替えて小野裕二を投入します。あまりワタクシの交代予想って当たらないのですが、珍しくこの交代は予想通り。期待の若武者松岡も、少しこの日は精彩を欠いていましたね。なんか、もっと若者らしく怖いもの知らず感全開でやって欲しいというか、「何も迷わず、オレはこのプレーをするんだ〜! うおおおおお〜〜」って雰囲気が足りませんでした。それから鳥栖は後半開始からクエンカと金森の位置を入れ替えました。たぶん、後半が本来のカタチ。金森がトップで、クエンカが左サイドに。一般的に視野の広さとかパス能力を生かすのであればセントラルの方が好適ってことが多いのですが、この選手はそうではない。なんせ、左サイドから右サイドまで一瞬で視野に入れて、一発のキックで逆サイドにボールを届けてしまう。クエンカの能力を最大限に生かすのは真ん中ではなくサイドの模様。
展開は、鳥栖が圧倒的に攻めたてます。攻めたてて攻めたてて、それでも仙台は跳ね返す。仙台というか「島尾、待てっ!」が跳ね返す。それでも、そんな島尾との肉弾戦から逃げることなくカラダを張り続けた金崎にご褒美が用意されていました。相手DFとの駆け引きを制してPKを獲得すると自ら決める。そして、それでより勢いづいたチームのテンションそのままに、流れの中から金崎が2点目をねじ込み、鳥栖が大逆転しました。激アツでしたね〜、エモかったですね〜。興奮のルツボとなった駅スタを去って、ワタクシはホテルに戻ったとさ。