選択肢のあるカウンター!〜横浜FCvs鹿児島(8/24)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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横浜FC、今シーズン後半最大のトピックは、「ホームタウンの誇りのお弁当が、某政治家の不買宣言により、かえって爆売れ!」ではなく、横浜が生んだ天才がユニフォームの色を薄くして港町の丘の上に帰ってきたことですね。彼はずっと三ツ沢愛を公言していて、もとの所属チームは、あまり三ツ沢の丘の上でゲームを開催しなくなっている現状、帰るべきところに帰ってきたような感がなきにしもあらず。彼がトリコロール少年だった頃とは違い、マンションからスタジアムを覗き見する風景は失われましたが。

徳永悠平が長崎に帰ったり、古い事例では元グランパスの福田が愛媛に加入したり、キャリアの晩年に故郷のクラブに里帰り入団するというのは、ときどきある話。鹿児島でいうと遠藤保仁ですよね。このままガンバで綺麗な幕引きを図るのか、それとも下位カテゴリーで故郷に錦を飾るのか。もっとサプライズがあるとすれば大迫! ただ勇也の方は、まだしばらくJ2には来ないでしょうから、あるとすれば希の方ですかね。カテゴリー的には昇格ってことになりますけどね。

 

この日は日中、箱根なんぞへ出掛けておりました。祖父が(当時としては)一世一代の大旅行として両親を連れて行ったと、生前に語っていたのが箱根。18歳からずっと東京に住んでいるのに、箱根を訪れたことは、たぶん、2回かな。もっと箱根のことを知りたくて。どれくらいもっと知りたいかというと、薬師丸ひろ子が1985年7月3日に発売したシングルくらい知りたかった。世代的には小学6年生のときに薬師丸ひろ子の「時代」を聞いて、後に“J-POP”と称されるようになる音楽に思春期の想いをもっていかれた世代だったりします。それが本来は中島みゆきという人の名曲だということはなんとなく当時から耳に入っていましたが、中島みゆきという人の偉大さを思い知るのは、それから数年後の話。「戦わないヤツらが笑うだろ〜」。ともあれ、箱根に行って、両極端を経験してみた。午前は箱根彫刻の森美術館で呆然と歩き疲れてみて、午後は、箱根の旧街道、石畳のところの甘酒茶屋という超々老舗で甘酒を堪能したんだとさ。

 

15時半頃に箱根を出発して、三ツ沢へ。そこで繰り広げられていた両チームのありようは、「横浜FCの好調は、フロックにあらず!」というもの。なんかね、基本、カウンター戦術なんですけど、そのカウンターでの選択肢がなんとも豊富なんですよね。たぶん、常に複数の選択肢を持つよう下平監督が指導しているんだと思われます。言い換えれば、下平さんは視野重視。と、考えるとボランチとして松井が重用されている理由も理解できるわけです。

対する鹿児島は、噂通りのパスサッカー。わかりやすいのは左SB砂森の役割。いわゆる“アラバロール”というほど極端ではないものの、パスの出し手としてボランチのような役割を担う。それから、そういうスタイルとの相性が良いのでしょう、牛ノ濱が躍動してましたね〜。特に最初の15分は。

 

ただ、鹿児島が猛攻を仕掛けた最初の15分を凌ぐと、横浜FCのカウンターが牙を剥きます。ほぼほぼ鹿児島のミスがらみではあったんですけど、鹿児島GKのパスミスから中山の落ち着き払った“ゴールへのパス”で横浜FCが先制すると、追加点も横浜FC。高速カウンターの流れで右サイドクロスからクロスが入ると、真ん中のイバを通り越して、フリーの松尾がジャストミートで合わせて決めきりました。流れるような速攻で3人目の動きが絡んで、やすやすと決めてしまうなんて、どこの強豪なんだ⁈と。

2点リードしたくらいで気を緩める横浜FCではありません。前半のうちに、さらにもう1点。今度はエースのイバです。スローインから自ら作り出したビッグチャンスに、視野広い〜ズの一員たる松尾がリボンを添えたリターンパスをお膳立て。イバは決めるだけ。ほぼワンサイドゲーム。ってところで、前半のうちから鹿児島は動きます。八反田に替えてFC東京の次世代を担う予定の平川を投入し、どうにか形成を整えにかかります。というか、八反田、パスは上手いんだけどなぁ。

 

ともあれ、鹿児島は前半のうちになんとか一矢報いました。ルカオのゴール。ルカオ、なんか良いですね。運河とかある北海道の港町のチーズケーキ屋さんみたいな名前だし、なにより、カラダが大きい。そして、いちいち動きが大げさ。鹿児島にはボランチに入っているニウドという選手も同じく“いちいち大げさ系”なんですけど、このタイプが2人いると、もはやそれだけでエンターテイメント。なんなら栃木にいるヘニキも取ってしまえ!と。

なんて冗談を考えているうちに後半となり、横浜は4点目。松井がクルクルとボールをキープしてから正確な展開。そこから中山が狙い澄ましたスナイパーショットを突き刺します。横浜FCの猛攻は、これでも打ち止めにならず、さらにレアンドロからイバへのホットラインが開通して5点目。その後はニウドが退場になったたりとか、俊輔が投入されたりとか、イバがハットトリックのチャンスを潰し続けたりとかありましたけど、まあ、横浜FCの完勝となりました。