懐かしさと革新と〜FC東京U23vs長野(6/8)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この日は西ヶ丘へ。FC東京U23長野パルセイロの試合。FC東京U23は、J3のビリを独走しています。独走とまで表現すると、少し過剰ですが、最下位は最下位。東海地方民のワタクシ、18歳で上京して、最初に仲良くなった大学の友人に「そうなんだよね、東海地方の人って“ドベ”って言うんだよね。関東では“ビリ”だよ」って教えてもらったことを、まるで昨日のことのように覚えております。

対する長野も期待値ほどは奮いません。J3が出来た頃は、「J2にイチ抜けするのが長野かな?」って雰囲気もあったのですが、足踏みが続いております。関係ないですが、長野県といえばイナゴの佃煮を食べる文化が残っていることで有名。そしてFC東京サポーターといえば、アウェイのスタグルを食べ尽くすことから「蝗」と形容されたりする。ということは、仮に長野ホームの試合なら、「長野のスタグルを食べ尽くす蝗を、長野県民が佃煮にして食べる」という構図が発生するわけですね。むむむ、俄然、因縁めいてきたぞ。

 

■前半

この日は午前中に早稲田方面に用事があったので、とりあえず新宿を目指します。新宿といえば、街の端々にどこか学生運動の時代の残り香を湛えているのですが、最近ご愛顧にしている「ベルグ」も、そんな感じ。椅子席とスタンディングが混ざった、改札近くの猥雑なコーヒースタンドであり、ビールパブでもあるようなお店。ここで朝食ではなく朝飲みをして、早稲田方面へのバス停を目指す。「新宿駅東口」なんてバス停があるらしいので、探したものの見つからない。結論的には、最もベタな場所にあったのですが、「まさか、こんなスクランブルのまん真ん中にあるはずがない」ってな場所だったので気づくこともなく、徘徊しているうちに歌舞伎町のバス停に辿り着いていた。路線番号は覚えていたので、「ここからでも乗れる」って思って待っていたものの、待てど暮らせどバスが来ない。改めて調べ直したら、なんと、同じ路線でも、帰りのバスは歌舞伎町バス停に停まるものの、行きは止まらないときたもんだ。全くもって、とんだスットコドッコイだったよ。

 

さて、試合。長野には内野がいますね。脳内美化も含めて、いまだに“高校サッカー史上、最高のチーム”なのが、伝説の野洲高校なのが、オールドファッションなワタクシ。野洲戦士の名前を見つけるとそれだけで嬉しくなる。それから、長野には明神もいるんですね〜。明神みたいなプレースタイルの選手こそ、日本人代表。こういう選手に欧州挑戦して欲しかった。

対するFC東京U23。J1は代表ウィークで中断中なのだから、もっとえげつないラインナップも可能だったのですが、ミニキャンプをしているのかオフなのか。通常営業モードのメンバー構成。仮にトップチームがオフだとすると太田宏介と丹羽は残業を押しつけられているようなもの。どこの職場でも、誰かが留守番してくれるから、GWに10連休とかを取れるわけであって、世のサラリーマンを代表して、二人には感謝申し上げたい。

 

■後半

試合展開としては、プチブレイクしかけの渡辺剛が筋肉系のトラブルで前半から交代。岡が投入されます。ちょうどFC東京U23が圧倒的にポゼッションしているバイオリズムだったのですが、ちょいと、そこは、岡君、おぼつかない。この日は30℃はあろうかというなかでのデーゲーム。全体的な動きにキレがなく、動物としてフィジカル的な負荷のかかるコンディション。渡辺剛の負傷もそういう要素がありそう。原大智も一度倒れてピッチ外に出たりしてましたね。

前後半通じてポゼッションではFC東京U23が圧倒気味だったように思います。ただ、ポゼッションってのは、圧倒してしまうと、却って相手の守備の準備を整えてしまう。シュートを打てなくなってしまうんですね。それでも、長野が保持率を回復したタイミングで原が久保君さんじゃない方の久保とのコンビプレーで先制点をもぎ取ります。もぎ取ったのですが、長野のベテラン津田によって同点に追いつかれ、なんだかんだで同点決着となりました。

 

今年はBSでプンデスの試合を多く見てました。で、思ったのが、この試合の長野のスタイルは、ブンデス下克上チームのスタイルに似ているということ。長谷部のフランクフルトとか、大迫のブレーメンの試合を見ていると、いわゆる“ビッグクラブ”でないチームのサッカーって、「攻撃で手数をかければかけるほど、こちらのポジショニングが乱れるのだから、それだけ失点に近づく」という考え方ですよね。“手数は身を滅ぼす”といわんばかりの。

だから、少々の無理をしてでも、シュートまでの最短距離となる強引なパスを出しまくる。日本人はパスに“正確性”とか“受け手への思いやり”を込めますが、「そんなこと、知ったこっちゃない。そんなこと気にしたら、最短距離じゃなくなるじゃん!」みたいな。長野のサッカーには、どこかをそういうところがあって、だとすると、長野の横山監督は欧州のトレンド最前線を追求する革新的なサッカーをしていると言えなくもない。言えないでしょうけど。