それも1つのオリベイラマジック?〜浦和vs磐田(5/3)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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4月は、秩父宮に突撃予定が大寒大雨で断念してので、なんと、観戦試合数ゼロ。久々のスタジアム観戦は埼スタ。今シーズンも浦和は、じわじわとオリベイライズムが溢れ出す。モタモタしているように思わせて、よくわからないけど勝ち点取得率が二次方程式の曲線みたいになっている。劇的に内容が素晴らしくなっているわけではなく、「勝ち点3が強さの証」みたいな。

対する磐田ですが、長期政権となりつつある名波さんが壁にぶつかっているようなイメージ。昨シーズン前半までは順調だったのですが、それ以降は低空飛行から抜け出せない。タイミング的に大久保嘉人が加入してから勝ち点取得率が低下しているのは、ただの偶然なのだろうか。昨シーズンの不調を眺めていて「ベテランが多すぎてもマネジメントが難しくなるってことかな?」なんてことを考えたりもしたものです。大久保個人がどうのこうのというわけではなく。

 

■前半

それにしても、浦和、政治都市ですね。経済の中心地が大宮で行政の中心地が浦和とは聞いてはいたが、ゴールデンウィーク10連休の真っ最中、人口の規模のわりには街に人が少ない。ランチを食べようといろんな店を探検したところ、どこも比較的待たされずに入れそうな感じ。唯一、混雑してたのは、蔦屋書店のなかのスターバックス。蔦屋書店(=スターバックス)には、いつでもどこでも、自分という物語を(生きるのではなく)演出するのに必死な面々が、がん首揃えて、こうべを垂れている。

ともあれ、「とんかつ豚肉お料理 純 アトレ浦和店浦和」で彩の国黒豚のトンカツを食べることにしたところ、いやぁ、旨かったですよ。女性の中には少し脂が効き過ぎていると感じる人もいるかもしれませんが、いわゆる「脂が甘い」状態。そのあとは、少し時間があったのと、シャトルバス乗り場に近いっていうので、「熊谷珈琲 浦和パルコ店」へ。こちらのアイスコーヒーも濃厚なビターさが絶品。なによりも自分という物語を演出するためだけにコーヒーを飲む面々がいないだけでも快適だったりする。……なんてことを考えながらシャトルバスで埼スタへ。そしてキックオフ。

 

磐田で目立ちまくっていたのはロドリゲスでございます。まず、何はともあれあの髪型。ドレッド風の。風貌からしてレゲエとかやってそう。カリブ海で陽気にカセットテープを聞いてそう。そんなロドリゲス、人は見た目で判断しちゃいけない。プレースタイルはそこまでアナーキーではない。2列目でしっかりボールに絡んでいく。インテンシティが強いってヤツ。けっこうカラダを張りますね。しかもボールを持ちすぎるって感じでもないし。フォアザチームなプレーヤーですよ。

浦和において同じ役割を果たしていたのは武藤。この選手は、高さがない以外、ホント、何でもできますね。ボールを収めて、自分で行くこともできれば、ゲームメーカー的な選択もできる。一人いればそれだけでチームが回る、これ以上ない潤滑油です。仙台から引き抜かれたときは、そこまで圧倒的な数字を残したわけでもなく、ぽっと出という印象も否めなかったのですが、当時の浦和のスカウトさん、慧眼です。

 

■後半

前半は、ある意味、実質的にミラーゲーム。どちらもアタッカー2枚で攻撃を仕掛けていく。違いは磐田がアダイウトンとロドリゲスという強力外国籍選手で攻めきろうとするのに対し、浦和は山中の左足を絡めようとするところ。一進一退の好ゲームでしたが、審判のジャッジについてストレスを強めに感じたのは浦和だったかもしれません。Jリーグの平均値による偏差値からすれば、さほど酷いジャッジではありませんでしたが、ことごとく浦和がディスアドバンテージを被っていたような。

後半はオリベイラが積極的にカードを切っていく。切っていくのですが、結果論的には空振りでしたね。まず、さ、沙木が投入されたのですが、プリンス君って、山形時代から使いどころの難しいタイプでしたよね。この試合でも、そういう属性が全開。そして、マルティノスオリベイラマルティノスインサイドで使おうとする意図がサッパリわからん。むしろリズムを崩して、「嘘〜ん!」っていうミスから決勝点を献上してしまいました。

 

この試合で印象的だったのは浦和GKの西川。前半中頃にアダイウトンが放ったテクニカルミドルをはじめとして弾き出し続けたシュートストップとか、貫禄でしたよね。その直後にゴールキックを思いっきりミスるのも、もはや恒例行事。1試合に1度とまでは言わないものの、高精度の裏表として、時に思いっきし大失敗なキックを繰り出すことは、もはや皆さん御存知。すっかりJリーグの顔の一人としての地位を確立している。

それまでGKといえば、若い頃の川口能活みたいな闘将タイプか、楢崎正剛みたいな顔色(=表情)を変えない安定感タイプかのどちらかに分類できていたところ、西川周作は、微笑みで周囲を落ち着かせるという第3類型のスタイルを築いている。キリスト教社会が父性の文化と評されるのに対し、仏教社会は母性の文化。厳しさよりも優しさを、社会の動力源としているわけですから、西川タイプが今後、さらに増えていくのではなかろうか。