ミシャの後継者争い、にはあらず〜湘南vs松本(8月5日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この対決が何ダービーであるかなんていうのは、ヤボな問い。反町さんとキジェさんの師弟対決、それに尽きましょう。

 

 

■前半

いきなり、よそのクラブの話題から始まりますが、浦和、ミシャを更迭しましたね。一つの時代が終わったというかなんというか。レッズ的には間違いなく功労者ではあるんでしょうけど、まあ、妥当っちゃ妥当な判断。アンチミシャ(というか、アンチミシャチルドレン)の中には、「引っ張りすぎ!」という意見もあると思われますが、まあ、こんなところでしょう、タイミング的に。功労者に対しては、多少の大岡裁き的要素も織り込まないと、維持できないですよね、日本人社会における組織運営ですから。

 

 

ワタクシとしては、今シーズン、スランプになってからのチルドレンたちの立ち居振る舞いとか、発言に、どこか信仰にも似た心酔を感じて、さすがに少し、“度が越えた”のかな、なんて感じたりもしましたが、だからといって、サッカー指導者としての実績が霞むものではありません。ミシャさんが日本にもたらしたもの、それは3421革命を起こしたこと。「攻撃的」だの「スペクタクル」だのは、別に彼に固有ではないですが、変則3421を導入し、それが現在もJリーグを席巻していることは、間違いなくミシャの影響です。

 

 

そんな変則3421を導入したのがミハイロ・ペトロビッチだとすれば、それを日本ナイズして、「猫も杓子も」状態にならしめたのは、さしずめ、湘南を率いていた時代の反町さんでしょう。そして、それを継承したのがキジェさん。なので、この試合は、ミシャへのレクイエムよろしくに因縁の3421ミラーゲームになるはず、だったのですが、まさか、まさかですよ。ベルマーレ、4バックでしたよ、4123。

 

 

そんなわけで、“まさか”で始まった、この試合。“まさか”で始まった試合には、“まさか”が続くもの。前半の3分、首位の湘南相手に松本がセットプレーで先制してしまいます。湘南としてもまさかのタイミングでの失点だったのでしょうが、松本的にも決めたのが安川というのは、まさかだったに違いない。松本についていえば、湘南に決められた同点ゴールもまさかだったかもしれませんね。ゴール前でパチンコ状態になったボールが最後はジネイに当たって、ゴールインでしたから。

 

 

 

■後半

そんな“まさか”を引きずったままハーフタイムへ。いや、松本的には、前半のうちに、もう一つまさかがあった。GKとDFがものの見事に連携ミスして、端戸にかっさわれて、山田にごっつぁんされちゃったら、そりゃ、まさかですよ。これは前半の話。後半のまさかは湘南の側。前半からフリーのシュートをふかしまくっていた岡本が、接触プレーだったか何だったかで痛んでしまい、バッテン。選手交代を余儀なくされます。

 

 

代わりにピッチに送り込まれたのは、タイガーな島村。島村自体はベテランですし、スクランブルでも問題なかったと思いますが、島村がCBに入ったことで右SBにスライドした山根がしんどそうでした。プレーが窮屈になって、全体的に湘南はバランスを崩します。そこで不安定になったところを修正すべく、ムルジャを投入。それに伴いミシャレクイエムな3421へとシステムも変更します。ちなみに右WBに配置されたのは、山田です。ええ、あの山田ですよ、山田直輝

 

 

この変更で山根は窮屈さから開放されたかもしれませんが、別の副作用が発生する。しかも2つも。1つ目の副作用は、インサイドハーフボランチの位置に下がったため、相手Wボランチの岩間とパウリーニョがフリーになってしまったこと、そして、2つ目の副作用が、右サイドの守備。松本の反町さんは、下川と山本を投入して左サイド、すなわち湘南右サイドの崩しをテコ入れ。特に山本はキレキレで、それに対応するには、攻撃の選手である山田にとって、少し荷が重そうでした。

 

 

ただ、松本には松本で問題があって、あるいは、湘南としても重々承知の上でのことだったので対応できたということかもしれませんが、とにもかくにも、左サイドを崩してクロスを入れても、それが合わないのですよ。悉く跳ね返される。そして、カウンターを食らう。いつの間にやら、全くシュートを撃たない選手になっていたムルジャがカウンターの急先鋒だったこともあってスコアは動きませんでしたが、いずれにしても、松本が追いつき追い越す気配はあまりありませんでした。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・杉岡大輝

□推薦理由

この選手、デビューは開幕戦で良いんでしたっけ? 開幕戦か2試合目かは覚えていませんが、ともあれ、シーズン序盤から高卒ルーキーであるにも関わらず、ずっと主力として試合に出続けています。まさに、“ゴールデンルーキー”。なぜ、すぐにデビューできたのか。勿論、左足の精度とか、プレーの判断とかも如才ないのですが、この選手のストロングは、なんといってもフィジカルてしょう。フィジカルがプロ仕様でなければ、技術があっても使えないですからね。

 

 

千葉の高橋とかもそうですけも、今年は高卒ルーキー当たり年。で、彼らの出身が市船とか青森山田という、いわゆる伝統校なのは示唆深い。なんだかんだで、一昔前の国見とか鹿実とかのイズム、要するに、とにかく走り込ませるだけ走り込ませてフィジカルで圧倒するやり方が、やっぱり良いのかもしれない、と。プロとしてやっていきたいのであれば、技術でなく、体力だぞ、と。このトレンドが来年以降も続くのかどうかはわかりませんが、少し興味深い現象です。