技術力の合計値に差がありました〜YS横浜vs鹿児島(4月3日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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2週連続三ツ沢へ。先週は横浜FC、今週はYS横浜でございます。

写真で振り返りたい方はコチラ

■前半

フォーメーション的には、ミラーゲーム状態でしたかね。YS横浜は442っぽくて、鹿児島はより4231感が強かったですけど、まあ、同じようなスタイル。YSのセカンドトップはミスターYSCCともいえる吉田で、鹿児島のトップ下は柳崎。こちらも鹿児島を象徴する選手。なんせ、桜島中学校から鹿児島実業ですから。遠藤兄弟と同じエリートコース。もはや遠藤保仁から遠藤彰弘を連想することも少なくなりましたが、「桜島中学校」と聞くと、お兄さんを思い出す。

 

 

YS横浜はJ3発足時からのオリジナルメンバーで、鹿児島は今シーズンからJ3に参入したクラブ。そういう意味ではYS横浜の方が先輩格なのですが、所属選手のラインナップを見る限り、どちらかというと鹿児島の選手の方にネームバリューを感じる。「ネームバリュー」という言い方は大袈裟かもしれませんが、J1やJ2を経験している選手は鹿児島の方が多そうです。スタメンだけでも、富成、田中、関、井上、五領、柳崎といましたから。

 

 

そんなこともあってか、ゲームにおいてしっかりとビルドアップできていたのは鹿児島。井上と赤尾のダブルボランチ(主に赤尾)がボールを受けて、最終ラインとパス交換しながら、局面を作っていこうとする場面が多く見られました。とはいえ、そこはJ3。そうそう上手くいかない。そうなると、カウンターからワンタッチで縦パスを出し、柳崎やら五領やらを走らせるってことになる。これはこれで狙いがあって悪くなかったと思います。

 

 

対するYS横浜は、どちらかといえばリアクションサッカー。ゆえに最終ラインにはセーフティーファーストのプレーが求められるわけですけど、クリアを思いっきり空振りしてピンチを迎えたり、簡単に中盤に預けるパスの段階でミスったりと、そこがなかなか危うかった。それから、何度かカウンターのチャンスもあったんですけど、そこで攻撃の起点となっていたFW工藤の視野が狭かったですかね。「そこして見えてないか〜」ってシーンが散見しました。

 

 

 

■後半

この試合を見ていて思ったのは、J3の選手とJ1やJ2の選手のクオリティの差がどこにあるか、ということ。端的に言えば、ワンタッチ目の精度に差があるのかな、と。トラップはもちろんですけど、セカンドボールをダイレクトに繋ぐパスだったり、あるいはヘディングで味方に預けるって部分で、相手にプレゼントしてしまうことが目立っておりました。で、それを煎じ詰めると視野の広さに結びつくのかもしれません。

 

 

この試合でそこで上回っていたのは鹿児島でした。具体的には「横幅を使う」ということができるかどうか。それはすなわちルックアップできるかどうかであり、足元のボールを奪われない自信(技術)があるかどうかってことだと思われますが、鹿児島にはサイドチェンジという概念があり、YS横浜に「最短距離でゴールまで一直線」しか選択肢がなかった。ゆえに、トータルとして、前半も後半も鹿児島が試合のイニシアチブを握っていた。

 

 

それでも、YS横浜は堂々と渡り合います。そこは上位リーグで修羅場をくぐってきた樋口監督。よりハイレベルな経験をしているからこそ基礎を徹底している。この場合の“基礎”とはハードワークであるとか、切り替えの速さであるとか、ゴール前などでは気合いと根性でカラダを張るであるとか、そういう部分ですね。特に切り替えの速さについては、よく訓練がされているような印象。技術力では劣っていそうでも、そこまで一方的な雰囲気はなかったですし。

 

 

そうやって勇敢に戦っていたYS横浜も、最後は決壊します。ゴール前の混戦の中、手を大きく上げてスライディングした宗近がハンドの憂き目に遭ってしまいます。致し方ないですね。ゼロックスのときの丹羽のファールみたいな感じです。で、このPKを確実に決めた鹿児島が勝ち点3を獲得します。とはいえ、先制点が入ってからの残り10分はなかなかエキサイティングでしたし、それなりに見応えのある一戦だったのではないでしょうか。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・井上渉

□推薦理由

この選手と花井聖は、どちらが年上でしたっけ? ワタクシ的になんだか似ているように思えるのですよ。同じ名古屋ユース育ちで、将来を嘱望されていたテクニシャン。でも、良くも悪くも古典的な司令塔過ぎて現代サッカーにフィットしない、というか。そんなわけで、移籍を繰り返しながら、少しずつカテゴリーを下げてきた。どこに行っても才能を評価されながらも、気がつけば出番を失う。みたいな。似てますよね、井上渉と花井聖

 

 

それにしてもブレないのですよ、井上渉。この試合でも。そりゃ、まあ、動かないよね、びっくりするほど。いわゆる地蔵。そして最終ラインが繋ぎに四苦八苦しているときに限って、「そこにいたらボール貰えないでしょ」ってところで隠れ蓑を着ている。当然、相手とのコンタクトプレーなんかするわけないし、ぶつけられたら即、倒れる。もんどりうつ。ホント、ブレない。社会人生活もそれなりに長くなると、こういう、ブレないヤツって、それを10年とか続けられれば、なんだかんだでそれなりのことをしたりもする。なので、そろそろ一気に日本代表!ってなっても不思議じゃないのではなかろうか???