兵藤の健闘空しく!〜横浜FMvs広島(4月29日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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Wヘッダーの2試合目は、日産スタジアム。実は2014シーズンには来なかったので、2シーズンぶりの小机。

 

■前半

 

立ち上がりは良かったんですけどねぇ、マリノスアデミウソンのラストパスを伊藤が決めて、幸先よく先制しました。しかも、新たな王位継承者となりつつあるアデミウソンと、エースストライカーに収まりつつある伊藤によるゴールですから、まさにお誂え向きの展開、だったはず、んが、広島のドウグラスがそのような流れをものの見事にぶったぎってしまった。

 

 

それにしてもドウグラス、良い補強でしたね。この移籍を最初に耳にしたとき、「なぜ、J1で通用しなかった徳島の、しかも絶対的なレギュラーとは言えない選手をわざわざ穫るんだ?」と疑問に思ったのですが、前への推進力はありますし、前線のターゲット役も引き受けてくれるし、フィジカルもしっかりしていますから、石原の後釜として似たような役割を担わせるなら、これ以上ない穴埋めだったと言えそうです。さすがは広島のフロント。

 

 

ただ、じゃあドウグラスが手が付けられないくらいハンパなかったかとなると、そこまでハイパーでもなく。どちらかというと、横浜がシステムギャップを埋めきれなかったという要素が強いような。この試合で先発に抜擢された比嘉さん、対応に四苦八苦してましたよ。つまり、広島は攻めるときに5トップ気味になる。比嘉のサイドは柏に加えて柴崎が流れる。そこの対応をどうするかってところが、今ひとつ曖昧。たぶん、斎藤学に前残りさせたかったんだと思うんですよ。だから最終ラインは全体的にミキッチのサイドにスライドしている。その結果、比嘉も内に絞って、基本的には柴崎のマークを担当していましたけど、兵藤とて、スタートポジション的に必ずしも常に広島WBの柏をチェックできるわけじゃないので、いやぁ、比嘉さん、大変そうでした。

 

 

 

■後半

 

後半になると、俄然、広島ペース。広島が佐藤寿人による謎の勝ち越しゴールをあげるまでは、特に広島のワンサイドゲームだったと思います。なんといっても、パスの成功率とセカンドボールの奪取率で横浜を圧倒してましたもんね。パスの成功率が練習の賜物なのは素人目にもわかるのですが、今までよくわからなかったのは、セカンドボールの奪取率で上回れるメカニズム。その謎が今日、理解できました。ミソは距離感ですね。各選手が適切な距離感を保っていれば、必然的にピッチ上にはバランスのとれた人員配置ができていることになる。そして、ピッチにバランスよく人がいれば、たいていの場所には誰かがいける。そりゃ、セカンドボールも奪えるってもんです。

 

 

苦しくなったのは横浜。モンバリエツ監督は、同点の段階で切り札の中村俊輔を投入します。そして、それに伴いシステムを433へと変更。これでインサイドハーフの俊輔なり三門なりがサイドの守備をフォローしやすくなりますし、斎藤学の守備負担も減る。理屈の上ではとても合理的な采配だと思ったのでが、そんな素人の脳内シミュレーション通りにいかないところが、サッカーの面白いところ。というか三次元世界の難しいところ。むしろ、アデミウソンのボールタッチ回数が減ったような気がしなくもない。

 

 

時間の経過とともに中村俊輔アデミウソンのパス交換なども増え、新旧王様がシンクロするシーンも見られましたが、俊輔投入直後は、少し窮屈そうでしたよね、アデミウソン。こういうところが、ホント、サッカーの難しさ。終盤はラフィーニャを投入し、俊輔ボランチの442にして総攻撃を仕掛けましたが、リードして5バックになったときの広島の中央は、非常に堅牢。その鍵をこじ開けられないままタイムアップを迎えました。

 

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

兵藤慎剛

□推薦理由

というか、兵藤がマリノスでレギュラーを獲得してから何年が経ちますかね。ずっと不動のレギュラーですよね。マリノスといえば、Jリーグ水準でいけば、相対的に予算のあるチーム。そこでバリバリのレギュラーなんですから、普通に代表に選ばれても良さそうなもの。しかも、サイドハーフボランチサイドバックを平気でこなしてしまうマルチロールでサッカー偏差値も高い。

 

 

この試合でもシステムのマッチアップ上、マークがぼやけがちなサイドの守備で臨機応変な対応を見せつつ、巧みに比嘉さんに指示を送っておりました。やっぱり、試合中に周囲の選手に身振り手振りや声によって指示を送れる選手って、とても貴重なんだと思うのですよ。広島や浦和と対戦するときは多くのチームが普段とはフォーメーションを変えてミラーゲームにするという対応が増えている一方で、マリノスは4バックのまま。その中で、どうにかこうにか流れの中での失点に限れば「1」に抑えられたのは、兵藤の頑張りという要素も大きいと思います。