J22の構造的苦戦〜YS横浜vsJ22(4月29日)の周辺をウロウロと…☆現地観戦記☆

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この日はWヘッダー観戦。その一試合目は三ツ沢でのJ3でした。

■前半

噂には聞いていたのですが、それにしても噂に違わなかった。何が噂に違わぬかといえば、それは、J22の戦い方がわかりやすく連携不足ってところ。当たり前なのですが、寄せ集め軍団ですからね、必然的に個々は頑張っても、バラバラの個のままで戦うことになる。コンビネーションとか、そういうものを望むなんてことは、J22の現行システムのままじゃ無理難題ってもんです。

 

 

そんななかでも、というか、そういう状況だからこそ煌めく個もある。例えば、この試合で輝いていたのは和田達也と高橋壮也という左サイドコンビ。まぁ、YS横浜の試合のときはメインスタンドしか開放されていなくて、前半はそのメインスタンド前にJ22の左サイドが所在していたので、視界的に目立って感じただけって部分もありましょうが、それを差し引いても、特に和田達也はキレキレだった。というよりも、彼しか突破口がなかった。

 

 

ところで、この試合、本来ならば一つ注目のマッチアップがあった。それは、山崎正登vs望月嶺臣プレーメーカー対決。山崎正登といえばレイソルユース出身でそのままトップチームに昇格したのだから、酒井宏樹工藤壮人などとともに、今頃、柏の屋台骨となっていることを期待された(元)エリート。対する望月嶺臣はセクシー野洲のDNAを継承するファンタジスタで、昨シーズンは所属するJ1の名古屋でも出番を得ていた天才。「果たして、どのような違いを見せつけあうのかな?」とワクワクしながら見ていたのですが、、、なんと、両者ともに前半途中に負傷交代してしまいました。。。

 

 

■後半

 

前半のJ22は、とにかく見所がなかったのですが、後半に入ると、少しずつ、そのポテンシャルを発揮するようになります。その要因はズバリ、酷暑。この日は気温が25度とかあったんで、選手たちには厳しかった。後半に入ると途端にYS横浜の運動量が落ち始めます。前半のうちはJ22の選手がボールを持つと、あっという間に複数人で取り囲んで潰せていたのですが、そこのプレスが緩くなった。緩くなったといっても、それこそコンマ何秒か時間がかかるようになっただけなんですけど、そのコンマ何秒かが大きかった。コンマ何秒の一拍があることによって、J22の面々は周囲の選手の状況を一瞬とはいえ目視できるようになった。J22の連携が未成熟だと述べましたが、それはつまり、「見えなくても、ここにいるはずだ」という部分の阿吽の呼吸ができていないということであって、目視さえできてしまえば、元来エリート候補生軍団なんですから、パスを繋ぐことは簡単なわけです。ようやくJ22の個のキラキラが全開近くなります。

 

 

そして、ここからはオープンな展開に。スコアレスのまま試合は進んでいたので両チームともに得点を狙う。そして暑さで運動量は低下している。そうなれば、必然的にゴールtoゴールの忙しい展開とならざるをえない。至るところで1対1の局面が作り出され、そこを制した側が一気に相手ゴール前まで押し寄せる、そんな残り15分でした。

 

 

若干の相違があるとするならば、YS横浜の場合、「ゴール前まではいくが、その先のアイデアとかクオリティで劣ってしまう」というイメージだったのに対し、J22は「ゴール前までいっときながら、肝心の最後で落ち着きとか精度を欠き、チャンスをフイにしてしまう」という印象が強かったこと。そうなんですよ、J22のアタッカー陣、ゴール真ん前でのシュートを悉くふかして宇宙開発しちゃってたんですよ。若さというか何というか。エリート若者集団にオヤジどもが大人の沽券を見せつけたスコアレスドローでございました。  

 

 

■日本代表への推薦状

□推薦者

・平間直道

□推薦理由

J3ですと、J1やJ2とは選手の異動パターンが違いますよね。「助っ人的戦力を補強」というより、「残ってもらわなきゃ困る!」って選手が残って、「最後のチャンスにかける!」って若手が加わっていく感じ(それ以外は人生設計上、脱落せざるをえなくなる)。なので、多くの場合、一桁背番号をつけているのは、「チームの屋台骨を支えてきました」って選手が多い。この平間直道も、「ザ・屋台骨」タイプっぽいんですけど、こういう選手は「J3ならば役者の違いを示せます」って感じで風格というか貫禄というかを漂わせます。

 

 

この試合でもゲームの支配者として君臨していましたよ。特に守備、なかでもパスカットの部分で、「J22のガキどもが考えそうなことなどお見通しさ!」ってばかりに、悉くパスコースにカラダを入れてボールを奪っていた。あたかも、ボールの方から平間に吸い付いていっているかのように。まあ、J22のコンビネーション不足で、ほうっておいてもパスコースが限定されていたってだけかもしれませんけどね。