ホンジュラスの左SHについてアレやコレや毀誉褒貶してみる【ホンジュラスvsスイス】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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ホンジュラス 0 vs 3 スイス[WCグループE 06月26日]

シャキリのミドルであっという間にスイスが先制した試合。パワフルかつ無回転気味。ちょうど、アジア大会ネパール戦でU21の野津田が決めたようなシュートでした(この試合の録画を見た時期がバレてしまいますね)。これでホンジュラスはバランスを崩してでも攻めるようになる。そうなると、実は今大会のスイスの持ち味団じゃないかと思われる、小気味よいパスワークが時折ながらも発動するようになります。スイスがイニシアティブを掌握。

 

 

スイスのイニシアティブは、追加点をあげたことで、より顕著なものに。ベーラミ中村憲剛とかジェフの兵働ばりに球足の長いグランダーのキラーパスを狙い澄ますと、必死に足を伸ばすホンジュラスCBベルナデスをあざ笑うかのようにシャキリに通る。あとは1対2の数的優位の中、シャキリドルミッチの鮮やかなワンツーから、エースのシャキリが、この試合2ゴール目をねじ込みました。例えるなら中村憲剛のスルーパスを起点にジュニーニョとテセのコンビネーションで決めたようなイメージでしょうか。

 

 

ホンジュラスは厳しくなります。そんなホンジュラスに“弱り目に祟り目”。エースのコストリーが筋肉系のトラブルで負傷交代してしまい、代わってパラシオスが投入されます。ゆえにピッチ内には2人のガルシアと2人のパラシオスが存在するということになったのですが、ともあれ後半に入ると、ホンジュラスも人数をかけて攻撃をしかけます。そして、一方のスイスには前線にタレントがおります。ゆえに、両チームとも「GKとの1vs1」って場面が頻出するようになりました。

 

 

なので決定機の数の上ではイーブンだったのですが、構図としては「危ういスイスの守備と攻めきれないホンジュラスの精度」といった試合の流れに。けっこうスイスの守備はバタバタしているのですよ。そしてホンジュラスとしても丁寧にパスを回してクロスやラストパスまでいくのですよ。ただ、最後の最後、シュートがベナーリオの正面に飛んだり、無人のゴールへ流し込んだはずがスイス13番のロドリゲスに掻き出されてしまったり、決定力に欠いてしまった。

 

 

逆に強烈な決定力を見せつけたのがスイス。というか、シャキリ。カウンターのチャンスでドルミッチが独走すると、最後は走り込んだシャキリにラストパス。シャキリは相手GKのモーションをよく観察した上で、完璧に動きの逆っ側にシュートを流し込みました。ハットトリックの完成。こうなると、さしものホンジュラスもガックシ。戦意を喪失するって感じではなかったですけど、攻め疲れの表情が顕著に。このまま試合はクローズされていきましたとさ。

 

 

そんなわけで、ホンジュラスの決定力不足、あるいはスーパープレー不足が祟るかたちとなった試合ですが、なんとなくホンジュラスでは15番のエスピノザが、そういうプレーを発動させそうな雰囲気を持っていました。左SHって、そういう当番ですし、髪型も前髪がオカッパで、後ろの部分がおばちゃんソバージュという個性派。なんだか芸術家っぽいですし、ファンタジスタと思えるじゃないですか。でもですね、ファンタジーの使い手じゃなかったのですよ。

 

 

そんな似非ファンタジスタを諦めて、ホンジュラスは後半のスタートから23番のチャベスを投入します。この選手は良かったですよ。小柄な選手でしたけど、相手のスペーススペースに顔を出し、仕掛けていく。重心の低い突貫系のドリブラー、イメージ的にはマリノス斎藤学に近いタイプでしたね。後半のホンジュラスの攻撃を牽引していました。ただ、2013シーズンにJリーグで何度か斎藤学が見せたようなスーパーゴールが生まれることはなかった。そのへんも含めて、ホンジュラスの完敗ですね。