リアクションサッカーについてアレやコレや再定義してみる【ホンジュラスvsエクアドル】の周辺をウロウロと…★ワールドカップ各試合を振り返る★

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ホンジュラス 1 vs 2 エクアドル[WCグループE 06月21日]

近隣の両国は、よく練習試合をするらしい。実力も拮抗していて、おおむね五分と五分の展開。もっとも、互いに、中盤でのパスがピタッと止まらない、あるいは、精度を欠くってことが多く決定的なチャンスはあまり多くなくって、そこは不満だったんですけど、時間の経過とともに締まった内容に。それにともなって、比較的リズムが良く攻めていたエクアドルを、ホンジュラスのシンプルなサッカーが凌駕していく気配も漂ってきました。

 

 

そして前半の30分過ぎ。スコアを動かしたのはホンジュラスサイドバックのベックレスのアバウトなクリアをエクアドルCBグアグアと、ホンジュラスCFコストリーが競り合うと、グアグアが対処を誤りコストリーが独走して1人で決めてしまいました。これで流れはホンジュラス。かと思ったのですけど、これで目が覚めたのか、あっという間にエクアドルが同点に追いつきます。パレデスのシュートが弾かれたところにEバレンシアが詰めて押し込みました。

 

 

ってな具合で、なんだか、いきなり終盤になって慌ただしくなりましたが、全体としては、「長短のパスを織り交ぜ中央を攻めていくエクアドルvsサイドのスペースに走らせるホンジュラス」といった構図で試合が進んだ前半の戦いでございました。で、このような構図は後半に入っても変わらない。どちらもバランスを大きく崩すこともなければ、どちらも、相手のバランスを凌駕するスーパープレーが発動するわけでもない。見る人によっては退屈な展開。

 

 

そんな状況に変化が起きたのは、後半の20分前。エクアドルが勝ち越しゴールを決めたことによります。10のアジョビが蹴ったFKを13のアントニオじゃない方のバレンシアがヘッドで合わせたゴール。このアジョビのキックはスーパーでした。こういうスーパーがあると、試合が動きます。そして、ここからは、「逃げ切りモードのエクアドルvs必死に追い上げるホンジュラス」という構図に様変わりしましたが、そこはエクアドルが一枚上手。危なげなく逃げ切りを実現させました。

 

 

 

というわけで、「南米vs中米」という対決は、なかなか渋い試合となりました。この試合のミソは、「弱者vs強者」という構図ではなかったことですかね。それなりの技術力の拮抗したチーム同士の対決ですから、どことなく、Jリーグの試合を見ているような感覚になりました。しかも、中南米のチーム同士ですから、基本的には意志を持ったリアクションサッカーとなる。ゆえに、Jリーグのなかでも、なんだかJ2の試合を見ているような感覚になる。

 

 

ただ、Jリーグの試合では、なかなか見受けられない要素もあって、試合の途中で福田さんが「エクアドルがゲームをコントロールしはじめたかもしれません」みたいなことを仰ったのですが、この“ゲームコントロール”という概念、これは、日本人には、とても苦手。どうしても日本人がサッカーをすると、“コントロール”の概念が直訳の“支配”になってしまって、“ボールポゼッションの向上”にばかり執心してしまう。むしろ「ボールを持たずに相手を統御する」という“ゲームコントロール”は、今後の日本サッカーのキー概念になるかもしれません。