ワールドカップ各国分析〜オーストラリア編【グループB】

                                  にほんブログ村 サッカーブログへ
にほんブログ村

ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

というわけで、今回は奮闘しながらも結果が出なかったオーストラリア。

□サッカーのスタイル

オーストラリアは以前から高さと強さを全面に押し出すサッカーに特色がありました。系統的には北欧系サッカーと言ってよいかもしれません。ストロングポイントは「フィジカル」そして「規律」でしょうか。一方で、今ひとつ多様性に欠ける。よく似たプレースタイルの選手が多いような気がします。割合と最近まで白豪政策とかをやっていましたから、ルーツが近い選手たちばかりになっていたりするのかもしれません。

 

 

ただ、AFCに加入してからは朱に染まって赤くなったということでしょうか、そんな白豪主義軍団でありながら、苦境に陥るとアジアのテンポになってしまうんですよね。上手く表現できませんが、どうにも既視感にさいなまれてしまう。特にケーヒルがピッチにいないと、ホント、「これはアジア予選か!」みたいなアジアスケールのサッカーになる。リズムというか、パス回しの雰囲気というか、とにかく一本調子で、工夫もなければ必殺技もない。日本代表と同じパターンの苦境に陥る。

 

 

□日本にゆかりの選手たち

そんな、すっかりアジアンになったオーストラリア代表には、日本との関わりが強い選手たちもいる。わかりやすい例として挙げられるのはスピラノビッチとミリガンですね。前者はかつて浦和に所属していて、後者はジェフ所属。不思議なのは、両者ともに浦和なり、千葉なりに所属していた頃は、クラブでレギュラーを掴みきれなかったのにもかかわらず、いまや代表の中心選手になっていること。Jクラブが彼らの成長を促したと捉えたいですけど、単に使いこなせなかっただけだったりして。

 

 

それから放送の実況で紹介していて知ったのですが、オーストラリア代表には、もう1人、日本にゆかりの深い選手がいた。ディビッドソンは成立学園高校出身なんだそうだ。ということは、かつてワタクシのご近所さんだったのですね。それにしても、オーストラリア出身者が日本の高校に越境留学してきて、ブラジルへとたどり着いたのか。そういう意味では日本が太平洋の架け橋になったと言える。きっと、新渡戸稲造とかも満足しているに違いない。

 

 

□印象に残った選手たち

特に日本に絡みのない選手にも、印象に残った選手はいました。例えば、それは、キャプテンのジェディナク。数少ない南アフリカ大会の経験者。プレミアリーグクリスタルパレスでご活躍中とのこと。そんなジェディナクさん、何が印象的かって、キャプテンマークの巻き方ですよ。半袖の下にぶら下げるように巻いている。多くの場合、袖の上から二重巻きみたいに巻くところ、肌に直で巻いている。なかなか珍しいことです。

 

 

それから、もう1人、印象に残ったのは、大ベテランのブレシアーノですね。もともと、もう少し守備的なポジションの選手だったと思いますが、今大会ではトップ下。運動量は多くなかったですが、状況を読んだポジショニングで、チームのバランスを担保していました。そして、カラダの強さでボールを落ち着けていた。見ていて思ったのですが、本田圭佑も、こういうスタイルの方が良い気がします。本人の望む姿ではないかもしれませんが、彼の長所・短所を踏まえると、「ピッチの真ん中で悠然と構える」ってスタイルが良いと思うけどなー。