ワールドカップ各国分析〜イラン編【グループF】

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ザックジャパンコートジボワール相手に初戦を落とした瞬間、多くの「(自称)サッカーに関心のある」日本人にとって、ブラジルワールドカップの記憶は風化を始めたわけですが、一応、ワタクシはWCの全試合を録画を中心に見ました。で、その各試合のレポは少しずつ「ワールドカップTV観戦記」としてアップしておりますが、それと並行して、「ワールドカップ各国分析」もアップしていこうかなと思います。1週間に1カ国とすると、コンプリートするのに8ヶ月、2015年の5月、完全に皆さま「とっくにそんなこと忘れたよ!」って時期になってますけれども・・・。

 

というわけで、今回はアジア勢の中では健闘したことになっているイラン。

 

□はじめに

 

ワールドカップではキックオフ前に国際映像によるアルファベットでの選手紹介がありますよね。それを見て、ローマ字読みで選手名をメモしたのですけど、イラン人の名前の発音って、アルファベットとの相性が絶望的に悪いですよね。中東では多くの国々がアラビア語公用語にしている中、イランはペルシャ語ですよね、確か。サウジアラビアとかの選手も、つまりアラビア語の名前もアルファベットとの相性はあまりよくないのですが、ペルシャ語だと、それが倍増するらしい。

 

 

それから、選手たちを見ていると、全体的に髪型がポマード全開。オールバック風にして、テッカテカにしてある。しかも、中東の人々って眉毛が濃かったり、男臭い顔立ちをしていますから、まあ、それはそれは濃いわけですよ。特有の顔の濃さがあるから、イメージ的にはブッフォンとかフィーゴとかが近い。想像してみてください。ブッフォンとかフィーゴみたいな見てくれの選手が11人並んでいたとしたら、そら、もう、そりゃね。ともあれ、ブッフォンといい、フィーゴといい、イランではセリエAブームなんでしょうか?

 

 

□戦術面

イランはセリエAブームなんじゃないか疑惑については戦術面からも言えます。それは、「徹底的にリトリートする守備的サッカー」という部分が、なんとなくセリエAっぽいから。もっとも、リトリートしたカウンターサッカーは中東の伝統芸なんですけどね。基本的なシステムはキャプテンのネクナムをアンカーに置いた4141。要するに9人で守るのですよ。ゆえに攻撃の機会はあまり多くない。あまり多くはありませんでしたが、数少ない攻撃モードを見ていると、スタイルとしては2列目のインサイドとサイドのコンビネーションで崩していくパターンでしたかね。

 

 

セリエAよろしくな、手数をかけずにラストパスにまで持っていく攻撃で、かつ、攻撃の糸口をサイドに求めるサッカーですので、いきおい、早めの早めのアーリークロスが増えていく。ハーフラインより高い位置でサイドの選手がボールを持ったら、すぐさまクロスを放り込んでいくようなイメージ。南米や欧州の2位通過狙いの国々も、こういう感じではありますが、それと比較しても、イランのクロスは、なかなか大雑把。「狙い澄ました感」が全く伝わってこない。追いかける展開でも、こんな感じでしたから、やっぱりグループリーグ通過は厳しかったですよね。

 

 

□目だった選手たち

そんなイラン代表の中でも目立った選手はいるわけで。例えば、中盤インサイドで好守に奮闘していたテイムリアン。プレースタイルとしては、広範に泥臭く動き回る汗かき屋であり、それでいて、技術もある程度備わっている。山口蛍とか、そういう感じのプレーヤーだったのですけど、この人の場合、見た目が、プレースタイルとは対照的。涼しげなホスト顔といいますか、髪型も長髪をお団子にしていましたし、歌舞伎町にいてもおかしくない。一発で覚えてしまいましたよ。

 

 

イラン代表でもう1人、印象に残った選手を挙げるなら、ネクナム。アンカーの選手ですね。多くの場合、4123とか4141のアンケートというのは、好守の切り替え時とか守備で押し込まれたときには最終ラインに吸収されると思いますが、この選手は最終ラインではなく2列目に吸収されるような感じでした。で、そういうスタイルだと、アンカー脇が留守になるということがない。今大会のイランは守備の固さでアルゼンチンなどとも渡り合いましたが、そこには、ネクナムのポジショニングが多いに貢献していたのではないでしょうか。