■なでしこ 3 vs 0 カナダ女子[練習試合 10月26日]
しっかし、こういう光景を見せつけられると、「やっぱりワールドカップ優勝メンバーの壁は高いなぁ」というのを実感させられます。キックオフから5分で大儀見のテクニカルなシュートで先制したわけですけど、それ以前から、つまり、キックオフ直後から圧倒的になでしこがパスを繋ぎまくっていたわけですよ。全体の距離感というか、ポジショニングのバランスがとても良くって、「そういや、なでしこらしさってこういう感じだったかも」と思わずにはいられない立ち上がり。
まぁ、カナダはカナダでパワーのあるチーム。ズルズルとは引き下がりません。で、その結果として前半のうちから後半25分みたいな展開、すなわち、テニスみたく、首を右へ左へと振り続けなければならないようなスピーディーな攻防が繰り広げられました。しかも〈パスワークのなでしこvsキック&ラッシュのカナダ〉という非常に好対照な構図でしたので、必ずしも「なでしこ頑張れ!」モードでなくとも、十分に楽しめる前半戦だったと思います。
後半に入ってから、しばらくすると、カナダは選手を2枚替え。それを契機にしたのか、それ以前からそういう傾向にあったのか少し確認しかねましたけど、カナダは1トップのタンクレディが「前線に張る」というより、「流動的に動き回る」というスタイルに変えてきた。というか、その後の選手交代なんかを眺めていると、どうやらシンクレアとポジションチェンジをして、サイドに回ったのかも。ともかくカナダも人の入れ替えで打開を図る。
そんなカナダをあざ笑うかのように、なでしこは川村のヘディングシュートでリードを広げます。その直前に大野が「あや、ワタシ、いくわぁ」って叫んでいたのが聞こえていて、実際に大野はショートコーナーっぽくボールを受けに行ってました。このあたりは国際試合ならでは。なでしこは後半35分にもダメ押しゴール。決めたのは鮫島様の彼氏こと川澄ちゃん。残り10分くらいになってから存在感を示すというのも、いかにも川澄ちゃんらしい。
そうやってリードを広げることで、少しカナダは戦意を喪失しましたかね。選手も怪我で交代になったりもしましたし。というか、なんだか前半からカナダは多くの選手が痛んで倒れ込むってシーンが多かったですよね。ブルブル寒がっているなでしこに対し、半袖の選手も少なくなかったカナダ。コンディション的には日本の選手の方がリスキーだったと思いますけど、むしろ状況は真逆。なでしこがより気持ちよく試合を進めて30のまま試合をクローズさせました。
ということで、なでしこが完勝を収めた一戦となったわけですが、それにしてもカナダはパワフルでしたねぇ。何がパワフルって、フィジカル。屈強というよりもパワフルなんですよ。なんというか、全体的に熟女っぽいフォルム。特にウィルキンソンとかチャップマンとかモスカートとか。20年ほど前に一世を風靡したレジー・ベネット氏を思い出したのはワタクシだけではないでしょう。野球部体型というか何というか、女性に対してなんで表現が難しいですけど。
なかでも注意を引きつけられたのはモスカート。CBの選手ですけど、「この選手のスイッチがoffからonになったら、相当やっかいなんじゃないかな」なんて思ったりして。なんせ、名前がモスカートですからね。モスカートがonになったら、それはすなわちモスキート音。我々おっさんにはもはや何ら影響はないですけど、熊谷とか若い選手たちには耳障りだったことでしょう。コンビニや公園からヤンキーが排除されるに違いない。