男子だけでなく女子も尋常じゃないトドイツ代表についてアレやコレや唖然としてみる【アルガルベ決勝】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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■なでしこ 0 vs 3 ドイツ女子[アルガルベ決勝 03月12日]

キックオフののっけから、なでしことドイツ女子では、個の差というか、身体能力の差が歴然でした。なんというか、中学生と高校生くらいの差があった。前半のなでしこは、ニュースなどでも繰り返し放映された、例のビッグチャンス以外、ほぼほぼ何もさせてもらえなかったと言って良いでしょう。

というところでハーフタイムで佐々木監督は2枚替え。ボランチがボールを前に運ぶ推進力に差があったので、そこをいじってきたのと、明らかに有吉がドイツプレスの狙い所となっていたので、そこのチェンジ。概ねロジカルな交代でした。

そうやって体勢を立て直そうとしたなでしこを嘲笑うかのように、後半に入ると、開始直後からドイツが2得点。1点目はケスラー。ドイツのロングフィードを宇津木が跳ね返すのですが、それが具合の悪い方向にこぼれてしまい、アルシのポストワークからケスラーがミドルシュート。それがものの見事に突き刺さりました。

2点目は、両チームの差が残酷なまでに露呈した形。中盤でマロジャーンがボールを持つと、日本のチェックを悠然といなし、ダイナミックなサイドチェンジ。フリーのアルシが独走してクロス。そこに飛び込んだミッタークがテクニカルなヒールシュートで簡単に決めます。マロジャーンの身のこなし、アルシのスピード、ミッタークの技術、どれをとっても一枚上でした。

後半の15分過ぎには、ドイツの猛攻をようやくクリアしたところ、それを収めた岩渕のバックパスがプレゼントボールとなると、有り難く頂戴したマロジャーンがそのまま1人で持ち上がり、ロングシュートを突き刺してしまう。

その後もドイツは容赦なし。無理をしてでも前がかりになる相手のポジションバランスの崩れを逐一突いて、蟻地獄に誘い込む。なでしこはその中で精神的な余裕を失って判断力が低下し、負のスパイラルへ。逆に余裕綽々のドイツは、正のスパイラルで合理的に試合を進める。えぇ、完敗です。

というわけで、ボッコボコにされてしまった決勝戦。正直、何回やっても同じ結果になったのではなかろうかと。それくらい差がありました。もうね、ドイツの選手が凄すぎるんですよ。本当に彼女たちは女子なんだろうかってくらいのクオリティ。

女子サッカーをみていると、しっかりとモーションを取れたときは、パスのレンジやスピードがでるのですが、クリアなど、咄嗟の状況で、十分な予備動作を取れないと、途端に、男子と比べたときのパワーの差が出てしまう。しかし、この試合の女子代表の、パスレンジやらスピードは、ホント、男子サッカーを見ているようだった。「よく一振りで、その精度、そのスピードのパスを、そこまで届けられるよなぁ・・・!」みたいな。

翻ってなでしこのパスは、FC東京の高橋秀人がポカンと繰り出す横パスくらいのスピードとレンジ。もちろん、これが女子サッカーのデフォルトなのですよ。そう考えると、ドイツのパスは恐ろしい。もはや、「なでしこが不甲斐ない!」とか、そういう精神論で片付く問題ではなくって、米食アジア人と肉食欧米人の骨量の差としか考えられない。

ただし、ドイツの凄さをフィジカルだけに帰してしまうの、適正な評価とはいえない。勤勉さと判断力という部分でも、日本を圧倒していた。要するに中盤における攻防の部分ですけど、ドイツは自らが中盤で攻撃を組み立てるときは、ほとんどノーミスでアタッキングサードまでボールを運ぶ一方で、中盤での守備おいては、一糸乱れぬフォアチェックで日本の攻撃を未然に防いでしまう。

ドイツの圧力にタジタジとなってしまったなでしこは、特に前半、苦し紛れのロングボールを出して、サイドハーフを走らせたのですけど、そこの精度がアバウトでしたから、特に川澄なんかは無駄走りを何回も強いられ、結果的に消耗してしまいました。それによる運動量の低下が、後半のワンサイドゲームを招来したと思います。

また、選手交代も裏目に出ました。後半は再三再四、日本の左サイドを崩されましたが、それは、岩渕を投入し、SHにスライドした大野の戻りが緩慢だったから。宇津木が1人で守らなければならなくなっていた。まさにドイツの思う壺、あらゆる要素で完敗だったといえるでしょう。