■サンフレッチェ広島 2 vs 0 横浜Fマリノス[ゼロックススーパーカップ 2月22日]
序盤から、一気呵成に広島が攻め立てていましたね。野津田の先制点も、その流れの中の一コマ。このゴールで一躍「野津田こそ、広島の希望!」みたいな報道がされましたけど、そんなものは去年からそうだったわけで、むしろ、「これだけテンション高く、一気に攻め立てられる」という試合の入り方こそ、広島の希望なのではないかと。
一方のマリノスはパスが繋がらない。せっかく高い位置にボールを運んでもすぐに潰されたり、横パスをかっさらわれる。「これはマリノスが不用意なのだろうか、それとも広島の出足がよいのだろうか?」と思案していたところ、やがてマリノスが低い位置でも縦に出せずに、まごまごするっていうシーンが増え出したので、広島の鬼プレスがえげつなかったということでしょう。
マリノスとしては完全に面食らってしまった。特に面食らっていたのはドゥトラおじさん。何度となくミキッチに完全に突破されていました。19歳の野津田が先制点を決めたので、ついつい今年41歳という年齢を気にしてしまいますが、ブラジル人って、例えば、名将の誉れ高いクルピ監督でさえ、キャンプ入りが異様に遅いとか、オフを思いっきりオフりますし、暑くならないとカラダが動かないみたいなんで、まぁ、デフォルトでしょうね、ブラジル人としての。
後半に入ると、両チームとも決定機を多く演出するようになります。広島は完璧な崩しから青山がゴールを決めきったかと思いきやオフサイドだったり、マリノスも端戸が抜け出してシュートを撃ったら、塩谷に粘り強く対応されてしまったり、と。
そのなかで、スコアを動かしたのは広島。野津田のラストパスが、巧みに動き出していた浅野に届いて、ワンタッチで流し込みました。野津田は後半になって消える時間帯が少し増えていたので、ここで挽回しました。直後に石原がGKと1vs1の場面で放ったシュートの跳ね返りに反応しきれなかったり、すんごいミドルを撃ったのにポスト直撃だったりしたのは御愛嬌としても、クサビの受け手としても機能していた前半に比べて、後半はボールに絡めていなかったですよね、野津田。
一方、時間が進めば進むほど存在感を際立たせていったのが石原。以前のエントリーでも述べた記憶がありますけど、この選手の運動量と守備力は素晴らしいですね。前線でのチェイシングであるとか、低い位置まで労を惜しまず守りに戻ったりっていう、フォアザチーム的な働きは抜群です。「後は決めるだけ!」ってシュートを一本ならず外していたものの、それを補って余りある奮闘ぶり。ザックが言うところの“インテンシティ”って、こういう動きのことを指すんだろうなと実感されたところです。