試合終盤における広島の強さについてアレやコレや頭を捻ってみる【セレッソvs広島】の周辺をウロウロと…★テレビ観戦記★

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セレッソ大阪 1 vs 0 サンフレッチェ広島[J1第1節 3月1日]

序盤は広島がセレッソを自らの掌中で躍らせるような展開でしたね。だらりん、だらりんとした、広島のサッカー。時間が進むとセレッソも、それに対応しだし、一進一退へ。両チームともに「少ない手数でシュートまで!」という、いかにも前半らしい、前半戦でした。

後半になると、セレッソがイニシアティブを握り、バイタルでクサビを受けつつ、多彩な攻撃を展開。しかし、そこは王者・広島。虎視眈々と相手の隙を窺い、セレッソが攻め疲れたところで、一撃を食らわせました。決めたのはCBの塩谷。

それにしても美しいゴールでした。自陣でボールを受けた塩谷が起点となって、パス交換をしつつ、スルスルするとPA内に進入。ボールは青山と野津田を経由して石原に。石原が抜け出して折り返すと、そこにいたのが塩谷。うん、ビューティフル!

というわけで、開幕戦は、広島に軍配があがったわけですが、やはり注目はフォルラン。60分ちょっとで交代するときにはヘロヘロになっていましたが、その辺のコンディションは致し方ないところ。むしろ、僅かな準備期間で、柿谷とのコンビを機能させていたところが素敵です。

55分くらいまでは、柿谷とフォルランが交互に縦関係の前と後ろを入れ替わり立ち替わりながら、攻撃の起点、あるいは預け所として、セレッソの流動的なアタッキングを牽引していました。中でも、丸橋が、最初にフォルランと、続けて柿谷とワンツーを繰り返して抜け出したシーンなんかは、鳥肌ものでしょう。

尤も、ということはどういうことかというと、柿谷とフォルランが、ともにチャンスメーカーになっていて、シュートについては南野とか、周囲の選手に任せる形になっていたということです。これが、一方がチャンスメーク、もう一方がゴールゲットの役割を担う形になれば、もっともっと脅威になると思われ、今後に期待したいところですね。

一方の広島は、チャンピオンチームらしく、ホント、試合巧者。終盤勝負で、それまでは「同点で上等!」という試合運び。速攻が無理とみるや、前半のうちからボランチとかCBが歩きながらパス交換していましたし、終盤にガクンと運動量が落ちないためのサッカーをしている。

守備についても、5バックで守りますから、相手のサイドアタックには蓋ができます。速攻の際には致し方ないながらも、少しでも相手のカウンターをスピードダウンさせられたら、まずサイドを崩し切られることはない。そこの安定感が、チーム全体に落ち着きを与えています。

縦に速い中央突破に若干の脆さがあるような気もしますが、メリハリのある中央突破というのは、攻める側にパワーが残っていないと難しい。セレッソもリードされた終盤は、もっぱらサイドからアバウトに攻めることしかできなくなっていましたし、試合最終盤には「中央突破に隙がある」という弱点はほとんど目立たず、「サイドの守備がハード」という長所が目立つようになる。80分を過ぎてから真骨頂を発揮するというのが広島のサッカーなのかもしれません。