■CKSA 1 vs 3 バイエルン[CLグループリーグ 11月28日]
「そーか、ゲッツェが1トップなのか。そして監督はグラウディオラ。ってことは、もしや・・・」なんてことを考えながら眺めていたら、案の定というか、いわゆるバルサ式0トップ。メッシに近い役割をゲッツェが果たす、そんな感じ。
で、序盤からバイエルンが圧倒していたのですが、これまた案の定というか、バイエルンが先制。中盤でクロースがボールを奪うと、ミュラーに展開。折り返しにロッベンが走り込み、見事なシュートを突き刺しました。ちなみにフォーメーション図のミュラーとロッベンは位置が反対ですので悪しからず。
その後はラームが前半のうちから負傷交代するなど、「バイエルンに暗雲か!?」みたいな、CKSAの立場からすれば、仄かな希望が持てそうになったのですが、なんのこっちゃない、代わりに入ったチアゴがその穴をシッカリ埋めて、淡々とバイエルンが圧倒し続けるという展開。
後半に入って、本田がビッグチャンスを立て続けに迎えましたが、いずれもモノにできず。特に最初のチャンス、副審がオフサイドを取り損ね、本田が余裕を持ってノイアーと1vs1となった場面。このときの本田、明らかに動きが緩慢になったので、「え!?まじ?? オフサイドじゃないの??」みたいに思って、思わず狼狽してしまったものと思われます。
こういう善良な小市民的な感じ。自分に対しアンフェアなプラスが転び混みそうになったとき、無邪気に「ラッキー!!」と考えず、どこかで後ろめたさを感じてしまうところが、いかにも日本人らしい。これまでの本田というのは、‘日本人を超えた日本人’ってイメージだったのですが、なんとなく‘ベタな日本人’に近づいているような。
オランダ・ベルギー遠征を踏まえてオシムが本田のことを‘老獪なオオカミ’と賞賛しましたよね。要するに「いざとなれば自分ひとりでなんとかする!」という部分のコントロールが上手になったってことだと思われますが、つまりこれって‘丸くなった’ってこと。それが日本サッカー界にとって、諸手を上げて喜べることなのかどうか、実は微妙な問題を孕んでいるんじゃなかろうか。
ともあれ本田は、ゲッツェの超絶個人技で事実上のダメを押されたあとに、希望を繋ぐというか、溜飲を下げるというか、そういうPKを決めます。このあたりの風格は、さすが王様、さすがです。直後にミュラーにPKを決め返されて、‘おあいこ’になったのが玉に傷(タマ○んに瑕瑾)ですけど。試合は、そのままのスコアで推移。CKSAも見せ場を作りましたが、バイエルンが貫禄を示した試合でした。