■レアル・マドリド 1 vs 0 バイエルン・ミュンヘン[CL準決勝1st 04月25日]
レアルが先制しましたね。“お誂え向きの展開”とはこのことを言う、みたいなカウンター。バイエルンのシュートが跳ね返ったところをベンゼマが拾い、右へ右へと展開。素早く縦にボールを運ぶと、コエントランの折り返しに最後は再びベンゼマでした。
試合そのものは、バイエルンがイニシアチブを握ります。バイエルン的には「まずは、これくらいな感じで・・・」ってなテンションで攻めていたんでしょうけど、気がつけば支配率75%なんてムチャクチャなことになっている。
でも、決定機の数はレアルの方が多かった。厳密には「カウンターからの決定的なシュートを外す」の数がレアルの方が多かった。なので、どちらも狙い通りに試合を進めながらも、“サッカーの法則”によりレアルが先制するという前半の戦いとなりました。
後半に入ると、若干ながら趣に変化が。解説の清水さんは「前半と全く変わらずバイエルンが支配してます」みたいなことを言っていましたけど、明らかにバイエルンはアタッキングサードにおける人数が少なくなったように思います。
どうも、「攻め倦ねて息切れ」って状態が発生したように思えたのですよ。バルセロナとかバイエルンって、「攻めて攻めて攻め続けて、攻め倦ねる前にこじ開ける、こじ開けられなくても息切れない」ってイメージがあったのですが、どうも“生き生き感”が感じられなくなったような。
「01なら想定内」くらいの報道もされましたけど、実際の選手たちは、それなりに「ちっくしょう。。。」ってモードになっていましたよね。ボールをキャッチしたときのノイアーのスローインとか、半ば破れかぶれな雰囲気が漂ってましたし・・・ってな01でございました。
“対レアル”という構図に対して、超然主義的王者のバイエルンが、さほど敏感になっていたとは思えませんけど、そうでもなかったんですかね。なんか、バイエルンって、いつもどおりにフルボッコにし終えた後に、「ところで、今日の相手って誰だっけ?」とか言ってそうじゃないですか。
でも、そりゃ、意識しまくる人もいますよね。例えば、それは監督のグアルディオラ。バルサの元監督としては、白いユニフォームを見ると血が沸くこともありそうです。他にも、ロッベン。彼なんかは、マドリード行くと汽笛を聞きつつ「何もいいことのなかったこの街で」とか口ずさみそうですし。
この2人は、サンチャゴベルナベウに来ると一心同体となって燃えまくるに違いない。きっと両者には、他人にはわからない絆があるでしょうし。どういう絆かというと、まぁ、似ている部分があるというか、ルーニーには決して分かち合えなくなってしまった絆というか、ともあれ。
そんなロッベンですから、クリーンシートを喰らったこの試合においても、孤軍奮闘していましたよね。特に後半の戦いなんかは、ほぼロッベンのドリブル突破からしか局面を打開できていなかったようにさえ感じられました。
ただ、本来、ロッベンというのは飛び道具ですからね。バイエルンのパスサッカーにアクセントを加えるというか、少し異なるリズムを付け加えるというか、そういう役割のはず。バイエルンの良いときはロッベンではなく“リベリーが孤軍奮闘している”って雰囲気にならなければならない(たぶん)。
そう考えると、この試合、バイエルンがレアルに零封されたのも、「ついにバイエルンのサッカーにも攻略法が発見・発明されたか・・・」っていう構造的問題と言うより、「さすがに、このクラスの相手に、キーマンが絶不調だと厳しいよね」っていう、偶発的要因によるものに過ぎなかったのかもしれません。